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亜人の街への下準備

オクルスと少し話した後、俺は再び亜人の街『ネフィルス』へと向かう事にした。

1回目の時のように、舟から飛び降り、近くに生えていた木々に突っ込んだ。

バキバキと枝が折れる音が耳に届くが、痛くもなんともない。

やはりスケルトンの体では、感覚という概念が無いと思い知らせれてしまう。

上を見上げると、かなり高い位置に舟があるのだと思った。

まぁ、雲を超えているところを飛行しているんだ。高いに決まっている。

オクルスから聞いた話だと、ここから歩いて数十分ほど掛かるみたいだ。

そういえば、クリスとパトリアを連れて行くとかどうとか言っていた気がするが………

連れて行った方が良いな。

そっちの方が怪しまれない気がする。

と、考えたところである事を思い出した。

クリスたちは服を着ていないのだ。

下着など何も付けていない、完全な全裸である。

街に入るまでは大丈夫かも知れないが、入った途端速攻で捕まるだろう。

そうなってしまえば本末転倒だ。何も出来なくなってしまう。

さて…どうするべきかな………

一番理想的なのは、パトリアがオクルスの服を着てもらう事だが…

彼女たちの胸の大きさが一致するのかわからない。

となるとオクルスに来てもらいたいが、彼女は亜人では無い。

『全てを知る者』からの話によれば、あそこは独立国家みたいなもの。

簡単に言えば白人が絶対的な存在みたいな感じだ。

人であるオクルスが行くのは危険だ。

と、しらみつぶしに考えて行くと最後に残ったのは俺だけになる。

俺は人間になれるし、性別も変えることができる。ケモミミとかも生やすことはできるし、体の形も自由に変更できる。

けど、ちょっと問題がある。

俺は女になる事が嫌なのだ。

というよりネカマになるのが嫌なのだ。

理由は俺があるゲームでネカマをしていたからだ。

話し方を考えないといけないし、チャットしてる相手がネカマだと考えると嫌な気分になる。

いや、もしかしたら違うかも知れないけどそれでも嫌なのだ。

だから少し悩んでいる。

女の話し方なんて分かるわけがない。

だからと言って女にならなければ行動出来ない…

仕方がない、なってやるか。

俺は今立っている場所をテレポート地点にして、自身の体つきを女性に変えると、舟のところまでテレポートした。

************************

木島くんを見送った後、自室に戻り、少しばかりボーッとしていた。

そうしている時に、いきなり部屋の外からドタドタという足音が凄い勢いで部屋の前までやって来た。

足音は部屋の前で止まると、いきなりドアが開かれた。

ドアを開けていたのは、桃色の瞳に、腰まで黒い髪を伸ばしている女の子だった。

身長は私と同じかちょっと上だったが、胸の大きさは明らかに私の方が大きいと思う。

一体誰なんだろうと思っていると、女の子の方がこちらに近づいてきた。


「こんなこと言ったら信じてもらえないかも知れないけど、俺はマグナだ。そして、ちょっと頼みがある」


声は綺麗だけど、何故か言葉遣いが男っぽい。

おそらく木島くんなんだろう。


「良いけど…どうしたの?」


(今は女の子の姿をしている)木島くんは少しだけ黙ると、決意をしたのか、顔を少し赤らめながら私にこう言った。


「………下着借りても良いか?」


いきなり言われた私は、何が何だかわからなくなった。

************************

俺は事の経緯をオクルスに話した。

話が終わると、彼女は理解してくれた。


「つまり、『ネフィルス』に向かうためには亜人のように獣耳を生やさないといけない。だけど女の子の姿で行くには服が必要だけからあんな事を発言してしまったと………」


「そ、そういうことになる…」


「…男の人の姿で行くのは考えなかったの?」


「いや、男の姿で行くって言っても、学校の制服で行くのもあれだし………」


「服は自分で作れるんじゃ無いの?」


「でも下着はどうするんだよ?俺変態じゃ無いから女の下着なんてあんまり見たことないぞ?」


そう言うと、彼女は深い溜息をついた。

「下着を探してくるから、そこで待ってて」

と彼女は言うと彼女は自室を出て行った。

………そういえば服ってどこに保管してるのかな?


しばらくすると、彼女は何セットかの下着を持ってきた。

どれもこれも見た事がないものばかりだった。

レースが入った黒いものや、ワンピースっぽいもの、中心のところにリボンの飾り付けがついてるもの…

下着だけでもこんなに種類があるのかよ。

やっぱ勝負下着とかもあるのかな、などと考えていると、オクルスがいきなり話しかけてきた。


「まずはあなたのセンスを見させてください。あなたが選んだもので、私が選ぶべきか選ばないべきかを決めます」


いきなり過ぎるだろ…

少しばかり戸惑いながらも、俺は一枚のものを選んだ。

いかにもシンプルって感じがする、白の下着だ。

オクルスは俺が選んだ下着を眺めた後、こう言い放った。

「絶望的ね…」

なんてこと言うんだよ!

俺下着選びなんて初めてなんだぞ!

初めてのやつがいいやつ選べるかよ!

などと心の中で叫んだ。


「じゃあ、どれにしたらよかったんだ?」


そうね………とオクルスは言いながら、自室のベッドの上に置かれた下着を眺めていた。

そうした後、彼女は、レースみたいな模様が入っている濃いピンク色の下着を選んだ。

彼女的にはこれが合うのだと言う。

言われるがままに、俺はその下着を着けた。

鏡なんて無いので、オクルスに見てもらったら、なかなか良いという。

次は服やらスカートやらだが………後のことは彼女に任せておこう。

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