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見られた者の足掻き

亜人の街、『ネフィルス』に向かっている俺は、オクルス達が使っている、羽が生えた舟の甲板に座っている。

流れていく景色を見ていると、いきなり『全てを知る者』が話しかけてきた。


『すみません、少しだけよろしいでしょうか?』


(いきなりどうした?)


『これは私の勘違いならば良いのですが………何者かがこちらを覗いているように感じられました』


(…………と言うと?)


『魔法ではなく物理的なもの………恐らく水晶でも利用しているのでしょう』


(ほう………でば、その見てるやつの場所を探ることは出来るか?)


『発見することはできました。そして何か喋っていたので、近づいてみようと少し試しましたが、魔術的な結界があるため、近距離で見ることはできませんでした』


(ズームとかは無いのか?)


『ズーム………と言いますと?』


(いや、気にするな。まぁそれよりも、会話内容は分かったのか?)


『口の動きで、大体のものは把握出来ました』


(………なんと言っていた?)


『マグナが離れ次第、オクルスを殺せと……』


一体どこの誰だか知らないが、このままじゃ、オクルスが殺されてしまうな……


(………伝えておくか?)


『今も見続けているので、言わない方がいいかと』


クソっ………今後のことがわかってるのに、言えないとなると罪悪感を感じちまう……どうにも出来ないな…

そう考えていると、

「マグナさん、そろそろ街の近くですよ?」

と、オクルスが話しかけてきた。


「そうか……教えてくれてありがとう」


俺は座っている状態から立ち上がると、オクルスに近づいた。


「お気をつけて下さいね」


「………そちらもな」


俺はそう返すと、甲板の外に向けて走り出し、地面を蹴り、空へと飛び出した。

すぐさま守りに行くために、テレポート地点にしながら。



落下しながら、俺は『全てを知る者』と会話をしていた。


『テレポート地点にしていたようですが………気付かれているのでしょうか?』


(さぁな。けど、こうしておけば向こうは無闇に部下を送り込まないと思うぞ?)


『………確かに、今のあなたの強さだと、勝る者は魔王かそれより少し弱い四天王のような人達でしょう。ですが、自分の強さに酔っていると、いつか大切なものを失うかもしれませんよ?』


それを聞き、少しばかり黙ってしまった。

大いなる力には大いなる責任が伴う……アメリカ生まれのどこぞのヒーローが言ってたな……

俺は責任を取ろう………なんて考えた事は、あまり無い。

と言うか、そんなことすら考えたことないな………

まぁ、『テレポーテーション』を使えば、なんとかなるがな……

************************

マグナに動きがあった時、魔王の城の方でも、動きがあった。


「あ、やっと動き出した………」


クリムゾンレッドの長髪の女は、ドラマなどに出てくる社長室にありそうな小さな机と小さなソファが置かれた部屋の中で、水晶を眺めながらそう言った。

彼女は、マグナが動き出す二時間前から監視を続けていたのだ。

やっと動いた、と言ってもおかしくないだろう。


「つーことは、向こうでスタンばってる奴らに動けって言ってもいいんだよな?」


ぐしゃぐしゃカーキ髮の男が、横から刺すように言った。


「そう言うことね。じゃ、責任はあんたに押しつけるから、それでいいかしら?」


「あ?なんだと?ダメに決まってんだろうが?頭ん中空っぽか?」


クリムゾンレッドの女からの挑発を受け、カーキの男はキレ気味に答えた。

この男は挑発に乗りやすいのだろう。


「んなことはどうでもいいんだよ。真っ先にやんのは、オクルス殺すことだろうが。処罰とかは後で考えといてやるよ」


「…………りょーかい」


クリムゾンレッドの女は、いたずらな笑みを浮かべた後、オクルス達がいる部下達に、命令を出した。

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