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自爆

暁人に会った後、俺は防衛線の所へと走っていた。

なぜアイツがこの異世界にいるのか、俺にはわからない。

でも今はそんな事より、一刻も早く防衛線に行かなければならかった。


防衛線についた時には、辺りはめちゃくちゃになっていた。

地面の土は所々めくり上がり、何かが焦げた匂いが充満していた。

この匂いは、臭ったことがあるものだった……

確か、肉が焦げるような……焦げ臭い匂い……

その言葉を考えた瞬間、俺は吐き気を覚えた。

この場所でそんな匂いがする理由は一つしかないからだ……

人が焼けた匂い、もしくはゴブリンの焼けた匂い……

歩んでいると、足元に黒焦げになった物体があった。

その物体の周りには同じような物体が何個かあり、その物体が並んでいる中心には、小さなクレーターが出来ていた。

足元にあった物体をよく見てみると、それは人の形をしていた。

髪の毛は全て無くなり、目があったところは空洞になっていた。

歯も黒色に染まっている。

………匂いの原因は人の焼死体…

ということはここら一体に散らばっている黒い物体は、人の死体ということか……一体何があった?

「誰か…誰か居ませんか!!」

などと考えていると、聞き覚えのある女性の声がした。

声が聞こえた方へ向かうと、そこには服がボロボロになり、所々肌が露出していたユリンが倒れていた。

「ユリンか………何があった?」

俺はユリンに近づきながら話しかけると、倒れ込んでいる理由がわかった。

彼女は──────左足が吹っ飛んでいた。

「おい………その傷…」

「だ、大丈夫ですよ……こんな傷……大したものじゃないですから……」

ユリンは俺に心配を掛けたくないのか、そんな事を言った。

「どこが大丈夫なんだよ………傷口を見せてみろ………」

俺はユリンの傷口を見てみた。

血は止まっているが、かなり血は出ていたみたいだった。

(全てを知る者、彼女は大丈夫か?)

俺は心の中で、『全てを知る者』に聞いた。

『傷口はかなり深いですが、治癒魔法で防いでいるようです。出血量はあまり支障は無いようです』

(なるほど………それで、この傷の理由はなんなんだ?)

『どうやらゴブリン達が魔法石を持ち、自爆を行なったようです』

自爆………というキーワードを聞いて、俺はある事を思い出した。

確か、襲撃が来る4日前のことだった。

俺たちが部屋に戻った時、ユリンが魔法石について少し教えてくれたんだった。

この世界には魔法石という膨大な魔力が練り込まれた石が存在している。

五つほどあり、火の魔石、水の魔石、風の魔石などと、典型的な五属性の魔石が存在している。

同じ属性の魔石をぶつけると、その魔力は反応して大爆発を起こす。

特に威力が高いのが火の魔石である。

………と、そんな感じであった。

「ユリン、一体何があったんだ?」

自爆による者だとは知っているが、どのような経緯でこうなったのかは俺はわからない。

だから、ユリンに聞いた。

************************

クロヤさんが居ない時、次の敵の波がやって来ました。

敵の数は10体。

先程とは数はかなり少なかったので、たやすくいけると、私達は思っていました。

『よし、やり方はさっきと同じだ。頑張っていくぞ!』

と、男性の声が会った後、みんながさっきと同じ方法で対処しました。

すると、視力が良い一人の冒険者がいきなり声を荒げて言いました。

『魔石だ!コイツら火属性の魔石を持ってやがる!!』

その途端、周りにいた冒険者達はどよめき始めました。

よく見ると、そのゴブリン達の両手には赤い石、火の魔石を持っていました。

魔法を使える方々は、遠距離から処理を行おうとしましたが、攻撃を避け、そのまま走ってきました。

何人かの近接系の冒険者が止めにかかりましたが、近づいた瞬間、高熱と共に爆発が起こりました。

風が無くなった後確認してみると、そこには黒焦げの死体が転がっていました。

私は急な恐怖心に襲われ、身震いを起こしました。

その途中も、所々で爆発が起こっていました。

最悪の場合、自分もこの死体のようになってしまう………そう考えると、とても怖くなりました。

気がつけば、ゴブリンは目の前で私に飛び掛かり、魔石同士を打ち付けようとしていました。

逃げようとしました。

けれども体は全く動きませんでした。

その時に私は、死に帳面した人はこんなことになるんだなと思いました。

死にたくない……そう思った時、私の体は、不意に後ろに飛ばされていました。

私の前には、一人の男性の冒険者が居て、私を押し飛ばしていました。

その時と男性は、私に微笑みかけていました。

それを見たのと同時に、大爆発が起こりました。

吹き飛ばされた私は、自分の足を見て、左足が無い事に気付きました。

私が地面に倒れ込んだ時、周辺は静まり返っていました。

************************

「今の体じゃ私は動けません………ですから、クロヤさんは私を置いて戻ってください!」

ユリンは俺にそういった。

「そんなの出来るわけないだろ、お前も一緒に連れて行く」

俺はそう言うと、ユリンの肩を担いで連れて行こうとした。

すると、後ろから巨大な足音が聞こえてきた。

俺達は後ろを見た。

そこにはジャイアントゴブリンのトレイスが居た。

「よお人間……元気か?いや、片方は元気が無いみたいだな」

トレイスが俺達に話しかけて来た。

何でこのタイミングで来やがるんだ……運が悪すぎる………

「で、早速で悪いがお前達には死んでもらわないといけない。理由は特に無いがな」

正直なところ、この状況でコイツとは会いたくなかった。

逃げたいところだが、怪我人のユリンが邪魔になってしまう。

だからと言って置いて行くわけにもいかない………

クソ……最悪だ……

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