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虐殺の王子様

俺が自分の姿をスケルトンに変更した時、茶色の髪の男は絶句していた。

「スケルトン……だと……馬鹿な!何故こんなところにスケルトンがいる!そもそもスケルトンは、低下層の洞窟に存在する下級アンデットだろう!そのような雑魚が何故こんなところにいるんだ!!」

雑魚って言われたな…まぁ、色んなゲームだとスケルトンは結構弱い部類に入るからな、一応合ってるか。

それとスケルトンって洞窟にいたのか……知らなかった……

「何故ここにいるか、か………簡単な理由だよ」

俺は一息置いたあと、続けてこう言った。

「俺が強いからだよ」

そもそもここにいる理由もなければ、この世界に来た理由もない。

だって転生みたいなのだからな。

「強いから?何をふざけている!!スケルトンが強いはずないだろう!」

茶色髪の後ろにいた仲間の一人がそう言うと、こちらへ駆け出してきた。

茶色髪の男は「待て!」と言ったが、奴の仲間はそれも聞かずに来た。

「………哀れだな…」

俺は目の前まで駆けて来た男の頭を鷲掴むと、そのまま握りつぶした。

頭はクジャリという音を立てると、頭が無くなった体は地面に倒れた。

手のひらを開くと、頭の中の臓物や頭蓋骨の破片が真っ赤に染まって、赤い液体と共に落ちた。

それを見ていた者達は、言葉を失っていた。

「触ってみた感触だったが……案外柔らかいんだな、人の頭は………さて…」

俺はそう言うと茶色髪のいる方に向けて、歩きながら「次は誰がこうなるんだ?」と目を不気味に赤く光らせながら言った。

その目を見て、茶色髪の仲間の何人かは驚き、逃げだそうとしたが「待て!」と言う声に呼び止められた。

「貴様……スケルトンのくせに何故人間の頭を握り潰せた?」

「握り潰せたか…骨のつなぎ目を握るようにすれば、案外容易に潰せるがな」

まぁ、嘘だけどな。

鉄よりも硬いと言われている骨を容易に潰せる、なんておかしいからな。

それにもし、つなぎ目を利用して握り潰せたなら、骨は破片じゃなくていくつかの塊になるはずだからな。

嘘をつくのは良く無いが奴らに安心感を覚えさせた後、それをへし折り、叩き潰す。

だが、正直なところ奴らの実力がわからない、これはしくじったな…

「それで、そんなことを聞いてどうなるんだ?精神的アドバンテージを取るつもりか?」

「アドバンテージ?なんだそれは……まぁ良い…」

一息置いた後、茶色髪の男は続けて言った。

「その態度をみるからにして…お前は自分が優勢だと思っているようだな?」

「………それがどうした?」

図星だったから一瞬反応が遅れたが、返事はした。

「返事が少し遅れたな…図星だったか?」

コイツ、人の反応をよく見てるな。

あまり気づかれないようには答えたんだが……

「余裕ぶっているお前に良いことを一つ教えてやろう。アンデットに最も有効な属性は何か知っているか?」

そんなものは知っている、神聖属性だ。

「神聖属性だろ?」

「よく知っているな…そう、神聖属性だ。この属性攻撃を食らったアンデットは身が焼けるような痛みが走るらしい」

早い話焼けてるんだな…

「魔法だけでもアンデットに相当な威力がある神聖属性だが……それを付与した武器の攻撃を受けたらどうなる?」

男はニヤリと笑った後、

「さぁ、奴に神聖属性の痛みを味合わせてやれ!」

と、声を張り上げて言った。

それを聞いた茶色髪の9人ほどの仲間がダガーを握りしめて襲って来た。

ローブを着ているところではなく、肌が露出しているところ攻撃を仕掛けてきた。

「フハハハハ!!どうだ!神聖属性の刃の味は!?」

何度もダガーの斬撃を受けたが、思ったことが一つだけあった。

「……………これが神聖属性か…痒くも無いな」

それを聞いた周りの奴らは、突然攻撃をやめた。

「な、なに!?」

そう、痛くも痒くも無いのだ。

まぁ、『痛覚無効』のスキルが発動しているのが良いように動いているだけかもしれないがな。

「ばっ………バカなぁ!!!!!」

それを聞いた茶色髪の男は叫んだ。

「神聖属性だぞ!?アンデットに絶対優位の属性なんだぞ!!なぜそれが効かない!!」

「理由など決まっている………お前たちが弱いだけだよ」

これが絶対的な理由だな。

俺が今着ているローブの恩恵があるのかもしれないけど、実際にコイツらよりも俺の方が強い。

たったそれだけの理由だ。

「お前たちが弱すぎて、俺の足元にも及ばない強さだったと言うことだ。それ以上でもそれ以下でも無い」

自分の周りにいた奴らは、ジリジリと後ろへ下がっていった。

さてと、仕上げだ。

「これでお前たちが無力だということがわかっただろう?文句があるなら拳で語り合おうじゃ無いか。まぁ、俺が頭を握り潰して終わりなんだがな」

恐怖に耐えられなくなった周りの茶色髪の仲間たちは、慌てて走り出し影の中へと消えていった。

茶色髪が「ま、待て…」と言い仲間の後を追いかけようとしたが、俺はその男の肩を持ち、行こうとしたのを止めた。

「あの先には行かないことをお勧めする。お前の仲間たちのように輪切りにされたく無いのならな」

そう言った途端、目の前の暗闇から悲鳴が聞こえた。

その後、金属がぶつかる音や水が落ちる音、肉が切断される音などが聞こえた。

30秒も経てば、そこは道ではなく池となっていた。

池といっても、血でできた池…簡単に言うとほんとうの血の池と化していた。

茶色髪は音を聞いて驚いていたが、俺には『見通す目』を使用しているから暗闇も昼間のように明るく見えてしまうため、見たくも無いアイツらが切られているところが普通に見えていた。

「出てこい、シャドーヒューマン」

俺がそう言うと、人型をしたものが水中から出るように影から出てきた。

それを見ていた茶色髪はなっ…と言って絶句していた。

シャドーヒューマン。

体は肉体的な体つきをしているが、全身は真っ黒でのっぺらぼう、腹の部分は背骨のように痩せ干せている。

指は4本で切断能力が高い。

と、こんな感じである。

「よくやったシャドーヒューマン。お前は元の場所へ行け」

それを聞いたシャドーヒューマンは、またもや水の中に入るように影の中に行った。

「さて、お前はもう用済みになった。このまま殺すのも良いが、それはあまり面白く無いからな……」

さて、コイツはどう殺してやろうか…

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