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廃墟の教会

『全てを知る者』が言った通り、途中から街の雰囲気はガラリと変わった。

荒々しい地面、石畳の道を覆い尽くすように生える草、ツタが絡み付いている建物。

未開拓地のような景色が広がっていた。

未開拓地……と言う言葉で通っているが、実際は百年も前にあった王の騎士団による虐殺の跡地だ。

旧名、カラネス

ここの街いた市民たちは、他の市民たちと比べ税の差があった。

それに怒った市民たちは暴動を起こした。

後にこの暴動を止めようとし、騎士団を派遣。

乱闘騒ぎになった。

その乱闘の中、騎士団の一人が間違えて一人の市民を殺してしまい暴動は悪化、内乱と化した。

騎士団はこの街に火の矢を放ち、街を焼き尽くし、逃げ惑う人々を容赦なく虐殺した。

中には子供を殴り殺したり、女を強姦した者もいた。

本当に地獄だったらしい。

でも、これは俺が『全てを知る者』から聞いた話で、俺が実際に見たわけではない。



俺は歩きながら、辺りを見回した。

半壊した建物、焼け焦げた木の建物、ただの瓦礫、中には、柱しかたっていない物もあった。

その中にあまり壊されていない教会があった。

壊れている部分といえば、教会のステンドグラスだけだ。

俺は教会の入り口の前に立つと、ドアを開けた。

中には薄暗い空間が広がっていた。

ボロボロになっている教壇まで続く道のようになっている赤いカーペット、強く握ると壊れてしまいそうになっている横に10人ほど座れるようになっている椅子、ツタが絡み付いている壁、教壇の後ろにある割れたステンドグラス。

明らかに人がいるような雰囲気はなかった。

だが、教壇の近くにある椅子から声が聞こえた。


「……死者を連れてくると思えば…アンデットが来るとはな………なんの用だ?」


その言葉を聞いた瞬間、俺の体は寒気を感じた。

……………なんて言ったんだ?……アンデット?………いや、あり得ない…絶対あり得ない………普通の魔法や魔力感知ではわからないんだぞ………なんでコイツは知ってるんだ?…

前に座っていた声の主は立ち上がると、こっちを見た。

白いローブに胸まである白い顎髭、シワが刻まれている顔、背中の肩甲骨あたりまで伸びる白い髪。

見た目は魔法使いだった。

だが、コイツには魔法使いには絶対に必要なものを所持していなかった。

コイツは………杖を持っていなかった。

************************

私は教会の入り口近くに立つ男を見た。

見た目は完全に人間だが、本来人間が持っている生命の流れを感じない…

もう一度聞こうか…


「一体なんのようなんだ?」


男の顔には焦りの色が出ていた。

顔のいたるところから汗を流し、目を見開き、口を微かに動かしていた。


「答えないか………」


私はため息をつくと、ある魔法を発動させた。


「『オールキャンセラー』」


私がそう言うと、私の手から円球の赤い球体が現れた。

その球体は突然膨張すると、この教会全体を包んだ。

その後、男は黒い炎に包まれるとスケルトンに変貌し、そのまま前方に膝をつき、倒れ込んだ。

************************

謎の赤い球体が膨張したと思えば、目の前が真っ暗になっていた。

音も聞こえなくなっていた。

俺はそのまま倒れ込んだ。

だが、倒れ込んだかどうかも分からなかった。

腕に振動が伝わる。

今の自分がどうなっているのかも分からない。

一体…どうなってやがるんだ……………

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