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格の違い

「力尽くで?お前ふざけてるのか?」


ジャイアントゴブリンのトレイス。

もとい、ペルグランデ・トレイスは笑いながら言った。


「ふざけてはいないさ。友好的に行こうとしたが、お前の頭が少しアレだったからな…ほら、よく言うだろ?馬鹿は死ななきゃ治らないってな。」


俺はトレイスに煽りを掛けた。

コイツがそれに乗るのなら、もう力尽くで終わらせる。


「煽りになると思ったか?残念だったな。俺にはそういうのは通用しねぇ」


それよりも、とトレイスは言うと、また口を開けた。


「お前こそビビってるんじゃないのか?そんな感じで煽らないと、自身がつけられないんだろう?」


半分正解で半分間違えてるな……

そりゃあ、初対面の物が怖くない奴なんか存在しない。

車すら見たことない昔の人が車を見たら、驚くに決まっている。

けど、自身は元から付いている。だから俺は、二度目の振るいにかけるため、口を開けた。


「自身はあるさ。お前と俺は、絶対的な壁で区切られている。幾らお前が足掻こうが、俺を倒すことは絶対にできない。強がっているお前が無様に見えるよ」


「オメェ……どうやら少しやられねぇとダメみたいだなぁ?」


トレイスは眉間にしわを寄せながら言った。

よし、乗ったな。


「俺は最強だ‼︎お前のようなスケルトン如きの下になる意味はねぇんだ‼︎」


トレイスは大声で叫んだ。

こうしてみると、普通なら耳痛くなるんだろうなぁ…


「ほう、大声で叫んで怒りを表すのか。なるほど、下等生物がやりそうな行動だな」


俺は小馬鹿にするように、鼻で笑いながら言った。


「っ‼︎テメー‼︎」


トレイスは椅子の横に置いてあった鉈を持ち立ち上がると、左から横薙ぎをするように切りに来た。

俺は無言で左の人差し指を立て、その指を『部分硬化』をして、鉈の刃を止めた。


「な、何⁉︎」


トレイスは刃が止められたことに驚き、動きが少し遅くなった。

その瞬間に、俺は右手に持っている『スカルクラッシャー』でトレイスの右足を骨ごと叩き斬った。


「あっ?……おわぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」


トレイスはそう叫ぶと、鉈を持っていない手で傷口を抑えた。


「ん?どうした?最強のトレイスさんが、俺みたいな弱い弱いスケルトンに足を切られているんだ?」


俺は激痛に悶えているトレイスを眺めながら言った。

この煽り、相当ダメージ入るよな……

そして俺は追い討ちをかけるようにして

「あぁ、そうか!お前が俺よりも弱いって事だな」

と、トレイスを逆撫でるように言った。

俺はこう言うこと言われたくないなぁ………


「ま、まだ終わってねぇ‼︎」


トレイスはそう言うと、全身に力を込め出した。すると、斬られた傷口から新しい足が、トカゲの尻尾みたいに生えてきた。

回復スキルか?いや、あの再生時間は明らかにおかしい。

いや、一部分だけに特化させた可能性もある。あまりわからないが、とりあえずそのスキルは頂きたい。


「俺は再生能力持ってんだ。オメェとは違ってな!オメェおれに勝てねぇんだ!」


「ほう………だからどうした?」


俺は奴の精神を逆撫でするような言い方をした。

無意識のうちに人を馬鹿にして傷つけてしまうと言う、おれの悪い癖がここで発動した。


「クッソがぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎テメェら!奴を骨クズに変えやがれ‼︎」


「ピンチになったら数で押す。下等生物が考えさえな事だな………だが、これだけの数を相手にするのは少々面倒だな」


ゴブリン一匹一匹の強さは弱い。

相手にしてやるか。

そう考えた途端、ゴブリンが一斉に襲いかかってきた。

飛んできた奴を、右手に持っている剣で上半身と下半身に分ける。さらに近づいてきたものを、噛んだ切り上げ、殺す。

剣で対処しきれなかったものは、顎を蹴り上げ、『部分硬化』し、握った左手で顔面を潰す。

周囲に集まってきたので、剣を地面に突き刺し、その場所を中心にして、脚を外側にさせた状態で回り、吹き飛ばす。

そして腕の力を使い、飛び上がり剣を引き抜く、そして別のやつに剣を投げつけ、近くにいるやつにかかと落としを入れる。

一匹一匹、確実に潰せている。

だが、このままだと手間が掛かるな………

俺は左手を地面に向けると、

「イーンフェルヌス」

と呟いた。

すると、俺を中心に、地面に巨大な魔法陣が出現した。

周りのゴブリン達とトレイスがオロオロしている中


「あ、そうだ一つ言い忘れていたな。」

少しの間を開けて、

「この魔法にはまだ慣れていないから、ついつい全力で打ってしまうんだ。確かこの魔法の火力は……この洞窟が消し飛ぶくらいだな」


と言い終えた途端、凄まじい炎と爆音が聞こえた。

何かが崩れ去る音、なにかの断末魔、叫び声などが、同時に聞こえた。


しばらくたち、砂煙が無くなっていった。

そこには、得体のわからない灰が無数、体全体を火傷しているトレイスが横たわっていた。

まだ息はある。

「お、お前………」


「これで知ってくれたかな?格の違いを」


そう言うと、トレイスの体を踏みつけた踏みつけられたトレイスは声にならない叫び声をあげた。

痛いのだろう。


「さぁどうする?この俺に屈服するか、この場所で無様に死ぬか、選べ‼︎」


「ち、誓います…………」


トレイスは小さな声で言った。

小さいな……イラつく…


「うん?なんと言っているか聞こえないな。さぁ誓え。この俺の配下になると‼︎もう一度、俺の耳に聞こえるように、言え‼︎‼︎」


そう言いながら、俺はトレイスの体を何度何度も踏みつけた。

…早く言え……


「ち、……誓います……貴方様の…配下になると…」


トレイスは泣きながら、力無く言った。


「よく言えたな。褒めてやりたいところだが、早速命令だ。近くの街を襲撃しろ。お前の全ての力を使い、全力を尽くせ‼︎失敗したらどうなるか、わかっているな‼︎」


「は、はい…………」


「……よろしい」


俺はそう言うと、洞窟の元入り口に止めたあったスケルトンホースに跨り、街へ向かった。

何とか交渉は出来たな…

トレイスは街を襲う。そこで俺がそいつを倒す。

なかなかいい出来の演出だと思う。

多分だけど、犠牲者は結構出る…

街で世話になったみんなには悪いけど………

俺の引き立て役になってもらうよ。

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