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ことの始まり

夜、ほとんどの建物の光が消えている中、明るく光るコンビニの裏口から、一人の男が出てきた。

学校規定の制服の格好をした、高校生だ。

彼は歩道を歩きながら、自分の財布の中身を確認した。中には千円札が二枚と、抜き忘れていたレシートが何枚もあった。

少し眺めた後、財布を閉じ、学校指定の鞄の中に入れた。

右ポケットに入っていたスマホを取り出し、時間を確認すると、九時半になっていた。

ポケットにスマホをねじ込むと、彼はそのまま、自分の自宅へと続く歩道を駆け足で進んでいった。


しばらく経つと、彼は自分の自宅の前で立ち止まった。

左のポケットから、自宅の鍵を取り出すと、玄関の鍵を開け、中に入る。

玄関の向こう側には、人二人が通れそうな廊下と、二階に続く階段があり、廊下の奥には横開きのドアになっていた。廊下を進み、ドアを開いた。

目の前には広いリビングがあった。。左端の壁には三十二インチのプラズマテレビに、それを立てるための高さ五十センチ程の台が置かれていた。

テレビの前には木でできた長方形の机と、その机の前には、人が横並びで三人座れる程の幅があるソファーが置かれていた。

さらにその右には、広いキッチンがあった。

彼は夕飯や風呂には入っていなかったが、明日の朝一に終わらせようと思い、ソファーの上に寝転がった。

彼は段々と眠気に襲われていく。

周りの景色が歪んだのは眠たいからだろう、と思った彼は、そこまま眠りについた。





************************





眠っている状態から、徐々に眠気が消えていくのがわかる。目を閉じた状態で、意識が戻って来ている。

目を開けた。

だが、真っ暗なのは変わらなかった。

昨日まで見えていたのに、朝起きたら失明した時のように、何も見えなくなっていた。

自分の体が壁にもたれかかってるのはわかっている。

でも、感触とか、皮膚から感じ取れる感覚が、全て消えていた。

使えなくなっていた器官は、それ以外にもあった。

音が聞こえない、匂いがしない、声が出ない、舌がない、生きているという確証すら無い………

座り込んでいる状態から立ち上がろうとしても、平行感覚を掴めず、壁か何かに手をかけ、体を支えてしまう。

生きている心地が、全くしない。

もう死んでいるかのような気がした。

するといきなり、頭の中に単語が浮かび上がった。テスト中に不意に問題の答えを思い出した時のような、そんな感じだ。

出てきたキーワードは、持続スキル『見通す目』。

スキル内容は、目を持たない者に目を与え、見たモノの詳細内容などを確認することができる。そして暗視の効果付きだ。

何も見えない暗闇の中で、こんなスキルがあるのは有難いと思い、早速使ってみることにした。

スキルを発動すると、真っ暗だった世界に、徐々に明かりが見えてくるのを感じる。

しばらくすると、周囲の光景を見ることができるようになった。

紺色のようでもあり、青っぽい紫色でもあるような色をした岩肌が、上も、下も、右も、左も、全てその色で出来ていた。

その時に、初めて気付いたことがある。

俺の目線が、いつもよりも少しだけ高いのだ。

俺は体を見るように、首下に向ける。

ローブを羽織っているが、大きなボロ布を上から被っているようにも見える。

だがそんなものには目も向けていない。

今見ているのは自分の両手だ。

白と赤が混ざったような皮膚に、手相が入った手のひら。それが見える────()()()()()

今見ているのは、黄ばんだ白色をした、骨で出来た両手だ。

その瞬間だけ、なぜか息が止まったように感じた。

そして何度も、自分の手を見返した。

夢じゃ無いのか、悪い夢でも見ているのか?と、何度も何度も自分に思い込ませようとした。

だが、目の前にある現実があまりにも深刻過ぎて、無意味だった。

自分の体は、あの時のような人の体では無い。死者の骨で出来た、ただの動く(しかばね)だ。

俺はその場に、壁にもたれこむような体勢で、地面に座った。

どうしたらいいのか、分からなくなってしまった。

そのまま五分ほど、時間が経った。

その時に、ふと思い出してしまった。

俺が小学生の頃の、あの日にしたことを。

それを思い返している時に、ふと自分に声をかけられたような気がした。

『お前はあの時に知ったはずだろ』

『過去を引きずり、一体何になる?』

『目の前の現実から、目を背けてどうなる?』

『何が変わる?変わる訳がない』

『ならば─────どうする?』

そんなのは知ってる………目を背かずに、今の現実を受け入れろだろ?

あの時のみたいに………

確かその時に、約束したからな。

もう過去ばかり振り返らないって。

再びそう決意した後、俺は座り込んでいる状態から、膝に手を乗せ、そのまま体を立ち上がらせた。

ここがどんな場所で、どんな世界かは知らない。

でも、俺はこの世界で、スケルトンとして生きてやるさ。

お久しぶりです。

五里川です。

あの作品の続きは、いまのところ考えています。

………すみませんでした。

気がついたらサボりグセがついてしまい、投稿できていませんでした。

まぁ…頑張ります。

以上、五里川でした。

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