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神魔族になりました  作者: りんぬごろごろ
幼年期編
42/44

初の攻撃魔法


 ラエルさんに抱っこされながら訓練所を移動する


 何か、勢で凄い恥ずかしい事を言ってしまったことを今気がついちゃった。凄く恥ずかしい。別に後悔してるわけじゃないけど


 まあラエルさんの笑顔が見れたっていうだけでそんなのプラスマイナスプラスだ。もう気にしないでおこう



 僕がそんなしょうもないことで悶ている間についに到着したようだ。前世の知識で言うならば、まるで射撃場のような場所、ここでは魔法訓練所と呼ばれる、魔法の射撃場へと来た


 前にリアと来たときも行きにここを通りかかったけど、あの時は時間がなかったから寄れなかったんだよね。ずっと気になってたんだ


 「おや、これはこれは。貴方様は隊長の息子様ですか?お初にお目にかかります、私この場所を一任されている、アーク・マジカ、でございます。記憶の片隅にでも残していただければ光栄でございます」


 話しかけてきたのは、これこそ魔法使いといった感じで紺色のフード付きローブと木が編まれて作られている杖を持った男性だ


 「あ、えっと、こんにちは。あの」


 「もしやここをお使いに来たのですかな?こんな場所ではなく個別ブースをご案内するのでそちらをぜひご利用ください。遠慮することはありませんよ、隊長からはお話を伺っておりますし。そういえば隊長が貴方のことをご自慢なさってましたよ、将来は魔法系の職に付くかもしれないと。もしよろしければ私めが魔法をなんたるかを伝授させて頂けないでしょうか?」


 うーん、何というか人の話を聞かないね。そんでもって自分はすごい長く喋る。まあここを使いに来たのはそうだし話が早く進むと思えば良いんだけど。って、最後なんて言った?


 「いいえ結構です。リュウ様には私がついていますので」


 無表情のラエルさんがすっぱりと拒否する


 「おや、そうでしたか。貴女は確か、あの部族の生き残りだと聞いていましたが。なるほど、それなら私が手を出すまでもないでしょう。差し出がましい事をして大変申し訳ありません。それでは個別ブースへご案内いたしますね」


 そう言って魔法訓練所の奥へとゆっくり歩いていった


 

 それより、ラエルさんが何か言われてたけど。あの部族の生き残り?生き残りってどういう事なんだろ。でもずっとラエルさん無表情だったし、多分聞かれたくないことだろうから今は気にひないでおこう


 アークさん、どっちが名前なのかわかんないけどアークさんでいっか。ついていくと入り口にあったような射撃場に似た空間がある一室に着いた


 さっきの場所にそんなに人はいなかったし僕は人に見られると緊張する質でもないなら別にあそこでもよかったんだけど、個別の場所を使わせてもらえるならありがたく使わせてもらおう


 「ではごゆっくりどうぞ。恐らく隊長が後でこちらにいらっしゃるのでその時はこの鍵を操作してくださいね」


 ボゥン、と急に浮かび上がったホログラムの鍵のような物に驚いた

 この世界は中世みたいな家の造りをしてるからてっきりそんな物はないと思っていた、というか僕の知識だと前世にも実現はしてなかったし。これも魔法でやってるのかな?


 アークさんが出ていくと、ラエルさんが手を動かしてホログラムの鍵が縦から横に動き使用中というマークが浮かび上がった


 僕があっけにとられている間にラエルさんは手和動かし、真ん中に行けば行くほど書いてある数字が大きくなっている的を5メートルほど先に出した


 「では魔法の授業を始めたいと思います、が、先程の経験を活かして私なりに考えたことがあります」


 「なに?」


 「今日は魔法を自由に使ってみましょう。リュウ様はご自宅で発動間際でいつも魔法を霧散させて一度も大きな物を使ったことが無いですよね」


 確かに、ラエルさんとやる魔法は大体基礎的なものだから小さい物しかできないし、暇潰しにイメージしながら使った魔法もどんな結果になるかわからないから発動前で終わらして使ったことがない。それを今日は使ってもいい?控えめに言っても最高じゃないか


 やったー、とはしゃぐ僕にラエルさんが頭を撫でながら忠告する


 「リュウ様。自由にと言っても失敗した魔法を使ってもいいというわけではありません。きちんとイメージと魔力の使い方を意識しながらやりましょう。今日は一番簡単な攻撃魔法からですよ」


 完全な自由とはいかなかったがこれでも十分過ぎるくらいだ。今まで撃つことすらままならなかったんだから


 ラエルさんに返事をしながら僕は一番最初に撃つ魔法を考える


 やっぱり一番最初に使うと言ったらこれだよね




 僕は的に向けて手を向けながら魔力を込めて、言わなくてもいい魔法名を言う。だってカッコいいから仕方ないね


 「ふぁいあーぼぉーる!」




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