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「 変化 」

ある日の日曜日、小さい身体の少女はやることもなく

家でうたた寝をしていた。日差しが気持ちよく睡眠を誘う中…


勢いよく破壊される扉に、ドタバタと聞こえる足音。

嫌な予感しかしない。絶対に嫌な予感しかしない。


バタンと部屋を開かれうたた寝の少女を青年がその小さな身体に手を伸ばした瞬間

ゆさゆさと小さい身体を揺する。そりゃ、凄い勢いで。耳も引っ張られる。痛い。

そして、少し強めに言葉を話す、がその直後殴り飛ばされる。なんて威力。


「おいこら、起きろ。…起きて。起きろって言ってんだろうが!!」


殴ってきた青年は玖音クオン。身長は160台で細身の青年。特徴は蜜柑色の綺麗な瞳。「光」の持ち主。


殴り飛ばされた僕は、ひらりと綺麗に着地に成功。その様子を見たクオンがめんどくさそうに頭をがしがしとかきながら口を開く。


「起きてんなら一回で起きろよ。タチ悪ィ。」


横目で僕を見る、あぁ自己紹介するのを忘れたね。僕は神音カグネ

猫と人間のハーフ…半獣と呼ばれるもの。猫耳もあるし、尻尾もちゃんとある。


ゆらゆらと尻尾を揺らすと首元にある首輪の鈴が鳴る。

小さなあくびを零し目を細めると口を開いた。


「で、?僕になんの用なの?クオン。」


緊張感がない声で質問すると思い出したかのように、クオンはパンッと手をたたいた。


「…また世界が変わるよ、ってパッとしないか。創始者が死んだよ。自ら命を絶った。」


あまりぱっとしない言葉に、脳が追い付かず理解が遅れる。


「…そっか。亡くなったんだ。あのひと。結構一緒に居たからショックだなー…」


漸く言葉を発するが、あまり本当は理解していない。

前に居たのはもうきっと70くらいの青年。月日的にはって話であって…

どう説明したらいいんだろう。僕もみんな25歳から歳をとらないんだ。不思議だよね。


この世界で、死はないものとされている。

何故かって?それは一人でもかけたら補充が必要となるでしょ?

でも、たまにきっとみんな生きる意味とか見失っちゃって、どうしようもなくて

自ら命を絶つんだ。


そして話は戻り、クオンも曇った表情してる。

カグネは、すたすたと歩き外に行くとその亡くなった人の家に向かう。

慌ててクオンがおいかける。


「おい、どこいく…ってここ、凪音ナギトの家じゃん…。もう、いな」


ずかずかと家に入っていく。生臭いにおいに赤い染み。

目を見開くとどことなく遠くを見つめる。


「本当に居ないんだ…ナギト。なんで、どうして…」


少女の声は、虚しく部屋に響くだけだった。

それを青年はただ、気の毒そうに見つめていた。





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