プロローグ
世界が180°変わったあの日。
僕は忘れもしない。あの日のことを…
―70年前、この国が『御伽噺』だと謳った人は亡くなり
市民一人一人に1億円が配布された。
何故そんな大金が市民の手に渡ったかって?
それは、神が作りし世界。選ばれた12人だけが住める国であるからだ。
僕は、この世界の住人であり…次の国の創始者になる人。
この国は、一人が亡くなれば一人がランダムで補充され、
何事もなかったかのようにまた普通の生活が始まる。
その次に、この国の創始者を決める。
創始者の決め方はいたってシンプル。この世界に入った順番だ。
そうして話は遡り、『御伽噺』の創始者が亡くなり、
次は僕の番だ。
さて、どんな物語を紡ごうか…。
否。そんなことより、ここの世界の説明をしよう。
此処の世界は不思議だ。謎に満ちている。
皆、歳は上限は25歳でありそこから歳をとらない。
正確にはとれない。そういう『ルール』であるからだ。
そして神に近い存在として其々に魔力が渡される…。
火・水・風・闇・光・無。
僕に渡されている魔力は『闇』
御伽噺の国というだけあり、この12人は魔法も使えた。
自分の想像する世界が作れる世界。
こんな世界に何故選ばれたか僕は25年間…否、25年以上考えたが答えは出ないままこんなところの創始者になってしまった。
けれどやらなければ『いけない』んだ。
この世界を紡がなければいけない…。怖い、すべての責任も
自分が死ぬことも。それでも縛られる…『ルール』に。
僕は意を決して、この世界を紡ぐことを決めて前を見た。