第四話 悲劇の合図
更新遅いと思いますが、気長に待っていただけると幸いですorz
「前方に害悪種10体ほど!」
透視魔具で確認。その姿が現れるまで待つ。
5、4、3、やつらが…くる!
屋上に来たのは魔具貯蔵庫のためだが、屋上で待っていたのにも理由がある。それは、
「「「「フラル・ブロード!!」」」」
次の瞬間、激しい風系統魔法が前方広範囲に吹き荒れた。
ゴオオオオォッッッ!!と凄まじい振動が校内に響き渡ると同時に
6〜7体の害悪種が屋上から地上へ叩き落とされた。
小型の害悪種たちがある程度群れで行動していることは確認していた。大型の害悪種は当然怖いが、学校に侵入された原因は、小型害悪種の数に圧倒されて状況を把握できなくなったからだった。
小型害悪種の1体や2体なら俺たちでも倒せるはず。確実に勝てる状況にやつらを引きずりおろす!
残ったのは小型の害悪種が3体、今までの常識で害悪種と呼ばれていた黒い猿型の生物。
功咬が叫ぶ「アタック!!」
凛が魔法を放つ。
「メル・ウェイト!」炎系統魔法の中でも範囲が狭い代わりに威力の高いパワー型魔法。
他の生徒の詠唱も凛の後に続く
「メル・ウェイト!」「メル・スピード!」
普通魔法の中で使える人数が最も多かったのが炎系統だったため、炎系普通魔法を使える者が攻撃班、杖型魔増機を渡したり状況の監視をするのが残りの支援班。
目の前が紅蓮の炎に包まれた。もとからこの害悪種は普通魔法で一撃な上、魔増機で威力は強魔法弱程度まで上昇している。目の前から害悪種は消滅していた。
「やったぜ!!!」誰かが言った。みんな表情の硬さが消えてきている。自分たちで倒した安堵感だろう、と剛自身も感じていた。
でも終わったわけじゃない。
「作戦どうり3班に分かれて行こう!絶対無理はするな!」
まずは敵の結束をバラバラにし、再び集まる前に個々の害悪種を倒していく。
それが俺たちで考えた作戦だ。こちらの人数は40人、普通魔法を扱えるのは8人。分かれるなら3〜4班だと考えたのだ。
俺とシゲと凛は同じ班にしてもらった。4班に分けなかった理由もそうだが、単純に安心感を得たかったからだ。
「俺たちも行こう。」「そうだな。」「…うん。」
凛は怯えている様子だ。俺も怖いが、凛は攻撃班の要だから先頭で戦う、余計怖いのかもしれない。
聖署の助けはまだ来ない。
偵察、準備、攻撃…かれこれ3体は倒した。まだ害悪種は猿型しか出会っていない。こいつらの顔にも少しずつ慣れてきた。
「前に2体、またあの害悪種。」
俺たちは体育館にいる。廊下や教室だと逃げ場がなさすぎるからだ。
この中で普通魔法が扱えるのは凛ともう1人真田ってやつだけ。魔増機を手渡す。魔増機は2、3回魔力を通すと壊れる消耗品。残り3個俺たちの班は持っていた。聖署の増援はまだなのか。
「来るぞ!」「「メル・スピード!」」
散らしたつもりだったが片方にしか当たらなかった。スピード型魔法の火力不足を魔増機で補いながら安全に倒す作戦が乱れる。
害悪種の反撃が来る。
「シャァァァ!」と害悪種が叫び声をあげながら突進してくる。
「ガッ⁉︎」真田が後方に吹き飛ばされた。
そのまま壁に激突する。
「凛!回復魔法!早く‼︎」「《ソル》!!」
真田に回復魔法が届く。でも意識がなさそうだ。
害悪種がそのまま真田に襲いかかろうとする、だがそれよりも先に凛の魔法が届くはず…
「《メル・スピード》!」害悪種が消滅する。
そんな時だった。
害悪種から攻撃されたのが初めてだったせいか、周囲の監視を忘れていたのも原因かもしれない。
気づくのが遅れた。
「う、うわァァァッッ!」後ろから悲鳴が上がった。
ガスッッ、という鈍い音が響くのと俺たちが振り向いたのは同時だった。
血の海が広がっていく。「近森!」
返事はない。「《ソル》!《ソル》‼︎」
凛が詠唱した。…効いていないような気がした。
ただ敵は振り向いてきた。馬型の害悪種は初めて見た。
功咬の身体は無意識に走り出していた。
「ウゥオオオオオ!!」誰でも普通魔法を放てる魔具_魔召機を取り出す。
馬が走り出す。
そして魔具を投げつける!
雷が炸裂した。そして敵が後方に吹き飛ばされる。
猿型と違ってまだ終わらない。魔召機はもう持っていない。
馬が再びこっちに向かってくる。
持っていたのは魔召機だけじゃない!
魔盾_倉庫にあった盾の魔具で受けとめる。そして
「《メル・ウェイト》!」
もう害悪種は見えない。
「凛、サンキューな」
信じてたぜ。凛
「ほんと…危ないんだから」
俺たちは近森を見る。もう息はない。
死を受け入れることは簡単ではない。
そして、、世界はそれを"待ってくれない"
「おい、、あれは、なんだ?」
誰かが言った。天井を見上げていた。俺たちも天井を見上げる。
そこには"なにか"があった。蜘蛛みたいな黒い影…いいやもちろん違う。
「で、デカすぎる!一体ありゃ…」
次の瞬間黒い影から紫の閃光が真下に放たれる。
"凛のいる"真下に。
激しい風圧で目も開けられなかった。
そして、、そして、、、、
「凛?…」
血まみれの"なにか"が、そこにはあった。
誤字脱字、感想大歓迎です!
初のバトルシーンどうですかね?