第4話 ハプニング、でございます
ちょっと時間が足りなくて結構短めですね…
ボクは…その…ラッキー江口パートが苦手です…。
「取り敢えずこれを着てください…」
春さんが持って来てくれた服をH-Mティオールに渡した。
『かしこまりました、ご主人様』
その服はと言うと……
『ご主人様。申し訳ありませんが後ろのリボンを結いでもらえませんか?』
……世に知られるメイド服、なるものだ。
「は、はぁ……。ちょっと後ろ向いてください」
機械って肩回らないのか!?
なんかこう……ぐりんって、行くものだと思ってたのだが…。
………そして
『なるほど…これがご主人様が指定してくださった物でございますか』
メイド服に付いたリボンを揺らしながら、くるりと回っていた。
同時に、ふわりとなびく銀髪が心地好い香りを振り撒いた。
「え…と。H-Mティオール。僕は何をすればいいんだい?」
ようやく彼女が衣類を着てくれたお陰で、話が出来るようになった。
『そうでしたね、ご主人様には私に入力して頂きたいデータがございます。ここに打ち込んで下さいますか?』
対面する形に居た彼女は背中を向けそう言った。
「ここにって……どこだい?」
後ろを向かれここに、と言われてもピンと来ない。
リモコンの様なもので打ち込むのか?
『失礼しました。この場所です』
不思議に思っていると、突然彼女が後ろで結いだリボンを解き、タイを解き、Yシャツのボタンを取って…え!?
上半身裸になり、その均整な背中を露にした。
「う、うわあぁぁ…!」
さきほど見てしまったとは言え、やはり恥ずかしい。
本能的に後ろへ退けぞいてしまいそうになったが
『ご主人様、そんな遠くでは打ち込めません』
急に反転した彼女に腕を掴まれ、その行動を停止した。
………反転?……。
「―――!?――…………」
勿論上半身裸という事は前の方も何も着けていない。
初めて会ったさきほどの下着姿よりも、より衝撃的なものだった。
しかもその衝撃の余り僕は気を失った。
『…ご主人様?……昨夜は寝不足だったのでしょうか?』
彼女は気絶だとは分からない。
『仕方ありませんね、少し早いですがお昼の準備を始めましょう』
気絶した僕を、家の中にあるソファに寝かせた後、キッチンへ向かった。
…彼女は気付いているのかは不明だが、僕が気絶した時のまんまの事なので、上半身は裸だ。