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15の秋 二話
ファーストキスを体験した僕は、一気に大人の階段を昇りたくなった。
キスを経験した僕は毎日とても気分が高揚していた。当時の秘め言葉でABCと言われていたAを体験した僕は大人になる時が近づいてきたと勝手な妄想を膨らませていた。
事実、キスから少し後、海岸でブラウスの上からだが、彼女の胸を触ることが出来た。次はいよいよと思った矢先にあんなことが起こるなんて・・・
そろそろかな、と思っていた矢先に思いがけないことが起こった。
ある日、同じクラスのそれほど仲良くはない陸上部のヤツがやってきて、いきなり喋り出した。
「おまえ、昔、みな子と付き合ってたんだってな。それから面白いわかれかたしたんだって。」
僕はこの話に触れられることがその当時はすごく嫌だった。
この話を詳しく知っているのは純子しかいなかった。
僕は純子の席に怒りの形相で向かっていった。