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15の秋 一話
何故、その女の子と仲良くなったかわからない。
何故、その女の子と仲良くなったのか、わからない。
すべて下心のせいだろう。今となっては、彼女の顔もはっきり覚えていないのだから。ただ名前ははっきり覚えている。純子と言う名前の女の子だった。
彼女とは同じ班で、少しハスッパというか、ツッパリ気味の女の子だった。
当時、イモ欽トリオのハイスクールららばい という歌が大ヒットしていて、僕達も体育祭の練習の時によく口ずさんでいた。
彼女と僕とは家が近くだった。当時の僕の家は海から近く、良く彼女とは堤防で会った。海を見ながら、とりとめのない話を良く話した。
付き合い始めて、二週間ぐらい経った頃、言葉が途切れて、沈黙が二人をおそうと僕は彼女の肩を抱き寄せ、唇を重ねた。僕のファースト・キスだった。
夕闇迫る海辺でのファースト・キスとは我ながらロマンチックなシチュエーションだった。