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15の夏 四話
淡い片想いはあっけなく散ってしまった。
淡い片想いははかなく、こっぱみじんに砕け散った。後日、クーコと仲の良い女の子と付き合っていた陸上部のヤツから聞いたのだが、あの時のサッカー部のキャプテンの含み笑いには意味があった。
クーコは僕が彼女に書いた手紙を全て彼に見せて笑っていたのだ。
そんな事とはまったく知らず、僕はその時はひどく落ち込んだ。
苦い涙をたくさん流した。辛い15の夏の一夜だった。15の夏は結局、大人の階段昇るどころか、階段を転がり落ちる始末だった。散々な夏だった。
気がつくと、秋の気配が漂いはじめ、僕もそろそろ受験勉強でも始めるかな、と思い始めた矢先、中学生活最後のイベント、体育祭の季節が到来した。僕はここでまた一つの恋に出会う。