第一章2話
夏休み、田舎での心躍るイベントと言えば、夏祭りだった。
夏休み・・・田舎での心ときめくイベントといえば夏祭りだ。本当は町中のでかい公園で開かれる祭りに女の子と行きたかったけど、夜、その祭りに女づれで行ったら、まず間違いなくカツアゲされる時代だった。へたれな僕にはそんな勇気はなかった。
でも、そんな事より、誘いをオーケーしてくれる女の子がいない事が問題だった。結局、地元の神社の境内で催された祭りには誰も一緒には行ってくれなかった。従兄弟の家から近い神社なので、二才上の従兄弟と弟、妹という涙が出そうなくらい健全な集団で祭りに繰り出した。
その祭りで僕は衝撃的な場面に出くわす。
その当時僕は中学二年の時に同じクラスだった、バスケをやっているクーコとみなから呼ばれている女の子に片想いをしていた。その恋は成就しそうになかったが、僕はテニスの最後の大会前に、彼女の写真をラケットカバーに忍ばせて戦いたくて、彼女に写真をせがんだりした。やっと、もらった写真は彼女がおそらく小学低学年のころの日舞の発表会の写真だった。今考えればそんなふざけた写真をくれた時点で脈なしとわかりそうなものだが、その当時の僕は写真かもらえただけで有頂天だった。いじらしいヤツ。