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私と勇者と聖女の話


 今日も1日頑張りたいんですが最近忙しいので疲れてます。


 最近魔物が近くの森に沢山出没しているようで冒険者ギルドは情報収集したりと調査や討伐依頼を出したりと大忙しです。


 もしかしたら近い内に倒した筈の魔王が復活する、またはしたんじゃないかといった話題で盛り上がっています。


 魔王とは魔物達を操り支配していた王様で、かつて人間と魔物が世界をかけて戦っていたそうです。

 最初は人間がおされていましたが、ある日勇者や聖女といった神様から加護を頂いた人達が力を振るい魔物を蹴散らし魔王を追い詰めました。

 勇者が魔王にトドメを刺した際、魔王は必ず生まれ変わり再び世界を侵略し手に入れてみせると言い残して消え去ったとか。

 

 今でも勇者や聖女といった加護持ちは存在しているので真実じゃないかと絵本にもなってるほど有名な話です。


 最近いきなり増え始めた魔物のことを考えると魔王の復活?に信憑性がありそうなので他の冒険者ギルドとも連絡を取り合ったりして確認作業をしてるんですよ。


ーーそれから数日後ーー


 どうやら他の国や地域でも魔物が増えているそうなので、本格的に解決をするべく急いで各場所に勇者様や聖女様を派遣してくれるそうです。


 もちろん勇者様や聖女様といった方は1人しかいませんから元凶が居そうな場所を探して重点的に回ってくれるとか。


 まあこの町に来ることはないとは思いますが、出来るだけ早く解決してほしいですね。



 と思っていた時期もありました。


 どうやら冒険者さん達の噂によると勇者御一行様がこの町に立ち寄るみたいです。


 目指している先は私が住んでた村があった方向らしく、この町との間には村なんかの安全な場所がない為ここで補給してから行くんじゃないかですって。


 へーっそうなんだと、思いつつお昼ご飯から戻り午後の準備をしていると何やらギルド前が騒がしい、何かあったのかな。


 バンッと年期の入った木製の扉を押し広げ入って来たのは短い金髪の見た感じ爽やかな系の男性で笑顔を浮かべながら受付の私の前にやって来ると。


 「お嬢さん、よろしければ僕と付き合って下さいませんか?」

 「はっ?」


 一瞬でギルド内が凍りついた。

 いきなり何を言ってくるんだこの変人っ。


 ギルマスを召喚しようと息を吸い込んだ瞬間。


 「このおバカっ、言葉がたりませんわっ!」

 「いって〜な、シルビー叩くことないだろっ。」


 後から入って来たのだろう銀の縁取りが入った仕立ての言いローブを着た銀髪ロングの女性に叩かれている変人。


 取り敢えず様子を見るために息を吐くと、女性が話し掛けてきた。


 「いきなり、このバカがすみません。

 情報が知りたくて立ち寄ったのですが、誤解が生まれてしまっているので改めてこちらに伺いますわ。」

 「はあ。」

 「こちら迷惑料になります。」


 女性が肩からかけている鞄から金貨を1枚取り出して受付カウンターに置くと変人の腕を掴んで去って行く。


 「あの、流石に金貨はー」

 「ところで貴女は()()なのですか?」


 振り返って質問してきたので


 「いえ、巫女になれるような魔力量も有りませんし、適正で聖属性はありませんでしたよ。」

 「…そうですか。」


 そう答えると再び変人を引きずってギルドを出て行った。

 一体なんだったのかな?


ーーー


 あれから遅れて帰って来たミウ先輩に事情を話すと、


 「何そのヘンタイ、ライム私と仕事交換しましょ、私が受付するから事務内で書類整理してて。」


 と言われて交代し、午後を乗り切った。

 帰る時は前と同じ様に男性職員に付き添ってもらって帰宅したよ。

 せっかく1人で帰れる様になってたのに、買食いしにくくなっちゃった、残念。


 後で聞いた話だと、あの変人は勇者で後から来たのは聖女様だったらしい。

 あれから会うことは無かったけど、あの勇者で大丈夫なのだろうか?

 聖女様は私を見ても初めて倒れたり悲鳴を上げたり顔を青くしなかったから凄いと思った、是非魔王退治を頑張って下さいとお祈りしておいたよ。



 それからしばらくして魔王が討伐されたと町で騒がれた。

 またこの町に来るのかと思ったけど、他の場所へ向かったそうだ。

 聖女様にお礼が言いたかったけどしかたないね。

 

 でもやっと通常通りに戻れるから良かった良かった。





 しーちゃんにも教えてあげないとね。

 

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