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第十話 因縁の対決

11月になり寒い時期になってきた頃、

便利屋も少し寂しい雰囲気が流れていた。

最近、菫の突然訪問がないからである。

そんな時、菫を誘拐したとの電話がきた!

行ってみれば、荒我だった。

便利屋を潰そうとしている因縁の相手との決戦が

始まる…

 11月初旬…やっとこ寒くなってきた時期

(最近、菫が突然訪問してこないな。

 平和で良いけど…少し気になる。)

 いつも突然便利屋に来てはお気に入りの紅茶や

 新しい紅茶を淹れて飲ませられたり、勝手に話して

 勝手に帰ったり、時には依頼を持ってきたりと

 する菫。しかし、最近は姿すら見かけない。

 友達である数少ない人であるため、冷は気に

 なっていた。

 最近は、変な噂も立っていた。

「便利屋、実はチンピラと組んでて、わざと

 暴れさせて、それを依頼された時に解決してる

 って自作自演らしいのよ。」

「聞いたわ、恐ろしいわね。信じていたのに。

 二代目は愛想は良かったけど、無関心だったし、

 怪しいと思ってたのよ。」

 それで依頼も減っていたが、今までの貯金もあり、

 特に気にせずに冷と季楽は信じてくれている人の

 ために依頼を受け続けていた。

  〜1本の電話〜

「冷姉どうした?ぼっーとしてよ。」

 話しかける季楽。

「季楽、帰ってきてたんだ。おかえり。

 いや、菫が最近来ないなぁと思って…」

 考える冷。

「たしかにな、一週間まるまる来ないとか、ない

 もんな。絶対どっかできてたんもんな。

 暇なのか?仕事はどうなってんだ?忙しいとか

 じゃないのか?」

 菫の仕事が気になり始める季楽。

「うーん?だったらメールとか来る。

 読んでないけど…それで怒りの電話が来て…

 最終的に話を聞く羽目に…でも来てない。

 音沙汰ない。」

 淡々と言う冷。

「それは反応してやれよ。菫さんかわいそうだぞ。

 なんでそれを平然と言えるんだ…。」

 少し引いてる季楽。

「たしかに、それは心配だな。

 まめな人なんだな、菫さん。意外だ。

 嫌われたとか?あまりにも反応しないから。」 

 意外な一面に驚きつつ、少し意地悪になってみる

 季楽。

「…そうかな。」

 珍しくしゅんとする冷。

「えっ…おい、その、ごめんな、そのえっと。

 そんな落ち込むなよ。というか冷姉から

 連絡して謝るとかすればいいだろ。」

 焦るが、冷静にアドバイスする季楽。

「どうやって…いつも菫からだったし、

 一度も自分からしたことないからわからない。」

 うだうだな冷。

「はぁ、あのな、話題はあるだろ。

 今までのことを謝れば良いだ。悪いと思ってること

 をよ。」

(なんだろうな、冷姉は普段依頼人に愛想振り撒いて

 人助けも積極的な割には自分のこととなると

 ポンコツになるのよく分かんねぇ。)

 頭をかきかきしながら、アドバイスする季楽。

「おっ、そっか。」

 あっさり納得する冷。

 電話しようと受話器に手を伸ばすと

 プルルと鳴った。

(もしかして、菫!)

 期待して電話を取る冷。

「もしもし、素優 冷か?」

 明らかに低い声。

「…もしもし、便利屋さんろくの素優 冷ですが?

 なんでしょう。」

 少しがっかりしつつ、冷静に対応する冷。

「お前の親友は預かった。菫といったな。

 季楽という弟弟子も連れて、陽光山の山頂に

 来い!」

 煽るように言う電話相手。

 ガチャ、ポーポーと切れた。

「…うぅ…」

 怒りを滲ませて堪える冷。

「電話できたのか?冷姉?」

 違う雰囲気に戸惑う季楽。

「菫は誘拐された…季楽も連れてこいと相手から

 要求あったから、季楽、用意して。」

 淡々と言っているが、焦りが見える冷。

「お、おぅ。もしかして、荒我じゃねぇの?

 俺たちのこと、潰そうとしてたし。」

 冷の様子に少し緊張しつつ、推測する季楽。

「そうかも、最近の変な噂もその荒我っていう

 一番弟子が広めた可能性がある。」

 淡々と言う冷。

  〜山中〜

 無言で二人は歩いていた。特に罠があるわけでも

 なく、険しい山道を登っていくだけだった。

「冷姉、無理すんなよ。」

 心配になり言う季楽。

「してない…というか、季楽の方こそ突っ走って

 行かないでね。」

 目線を少しそらして否定し、真剣に言う冷。

「しねぇよ。」

 真剣に返す季楽。

 〜山頂〜

「来たか、便利屋二代目になった素優 冷!

 あと、三代目候補 竹刀 季楽!」

 そこには荒我いた。

 後ろに縄で縛られた菫がいる。

「冷!季楽!」

 驚き、安心した顔をする。

「やっぱり、荒我か。写真みて一緒だもんね。」

 写真をちゃっかり持ってきてた冷。

 顔は真剣そのもの。

「なんだと、わしのことを写真見なければ

 わからないとは!でも、お前は人に無関心なのは

 たしかなようじゃの。なんでそんなお前が便利屋

 の二代目なんだ!わしはそんなことにはならん。

 覚えられる。」

 語り始める荒我。

「わしは一番最初に山六の弟子となり、一番

 長く、厳しい修行に耐えてきた。そして、一番

 付き合いも長かったはずじゃ。なのになんでだ!

 年賀状一枚で納得できるか!俺が一番だ!

 俺が二代目にふさわしいのだ!」

 語気が強くなり叫ぶ荒我。

「ふぅん、別に私は師匠に頼まれたからなっただけ

 私は二代目という名誉がほしいわけじゃない。

 世界救うやら、犯罪なくすやらして大義がほしい

 わけでもない。

 ただ、頼まれたことを人に助けてほしいと

 言われたことを受けているだけ…

 人に無関心なのと人を助けるのは関係ないよ。」

 淡々と返す冷。

「だが、今の状況はどうだ、菫という親友が人質に

 なっているんじゃぞ。ははは。」

 煽る荒我。

「あなたが強いのは分かってるけど…菫を人質に

 するくらいには弱いとも思ってるかな。

 そうしないと私に勝てないと…動揺した私なら

 勝てるってことでしょ。」

 冷静に分析して言う冷。

(無自覚に冷姉、荒我のこと煽ってるな。)

 少し後ろで会話には入れないが、まずいことに

 なってると感じる季楽。

「なんじゃと!このわしが…わしが!勝てない

 じゃと!なら正々堂々戦ってやる!」

 背中にしょっていた竹刀を取り出し、構える荒我。

「うん、季楽、もね。」

 傘を取り出して構え、季楽にも準備させる。

「ぁ…おぅ!」

 一瞬驚くが、竹刀を構える季楽。

「二人か、変わらぬわ!わしは強いんじゃからな!」

 すごい速さで攻撃を仕掛けてくる荒我。

 すーと傘で受け流す冷。

 そのまま脇腹を攻撃する。

 それを勘付いて避ける荒我。

 荒我の後ろからまっすぐ竹刀をおろす季楽。

 荒我は受けて、流した。

「大したことないな…」

 本音が出る冷。

「どんだけわしを怒らせれば気がすむんじゃー!」

 より速くなる荒我。

 しかし、冷は静かに避けて、地味に攻撃を当てて

 いき、最小限の動きである。

 季楽は、隙を狙うが当たらず攻撃を受け流すので

 精一杯というところである。

「はぁはぁ、ちょこまかと…」

 疲労がみえる荒我。

(はぁはぁ、冷姉、全然疲れてねぇ。)

 季楽も疲労が見えるが、冷のぴんぴんさに驚く。

「うん?なんで疲れてんの?私はまだ平気だよ?

 年齢かな?自分の体のことはちゃんと把握しない

 とダメだよ。」

 呆れている冷。

「くっ、これで最後じゃ!」

 構えが変わる荒我。

 さすがの冷も目つきがより真剣になり、構える。

 竹刀はど真ん中に構え、どっちから来るか

 わからない…隙のないものだった。

 まさに荒我と冷の一騎打ちである。

「はぁー!」(荒我)

「えーい!」(冷)

 どちらも攻撃をした。

 荒我の竹刀が真っ二つになった。と思ったら、

 冷はすぐに荒我を地面に押さえつけ、傘を荒我の

 顔の前に突き出す。

 今にも刺されそうな勢いである。

「う…わしの負けだ。その傘を…離してくれ。」

 潔く認める荒我。

「……はい。」

 繊維喪失した相手に興味はないと言わんばかりに

 冷静に立ち上がる冷。

 菫の前まで行く。

「菫、動かないでね。」

 スパッと縄を傘で切った冷。

「ふゆー!普通にほどきなさいよ。さすがに怖い

 わよ。でも…わぁー、ありがとう冷。

 どんな思いでここにいたか、分かる? 」

 ツッコミを入れるもすぐに冷に抱きつき、

 安堵の表情で質問する菫。

「山の上だから、寒かった?」

 坦々と返すが安心している声にも聞こえる冷。

「違うわ!心配だったの!それに怖かったの。

 もうー!」

 怒る菫。

「おっ、怪我はない?私も心配はした。」

 平坦だが、少し安心している冷。

「ないわ!縄の跡ぐらいね。あの荒我ってやつは

 ただ単に私をおとりにしてあなたと季楽に勝負を

 挑みたかっただけみたいなの。」

 暴露する菫。

「うぬぬ、お前たちを便利屋にふさわしいと

 認めてやるわ。これからは手出しはせんと約束

 しよう。」

 悔しそうにしつつ、去っていく荒我。

「菫、警察に通報する?」

 あっさり言う冷。

「いらないわ、これからは手出ししないみたい

 だもの。」

 余裕をみせる菫。

「そう、なら良い…今度、破ってやったら

 容赦しませんから」

 一番低い声で大声で荒我に向かって言う冷。

 (んん…冷姉怖いな。見てしまったぜ。)

 たまたま、荒我のいる方向にいた季楽は恐ろしさ

 を感じた。

  〜帰り道〜

「冷、なんであんな冷静になれたのかしら?

 私のこと心配っていう割には態度に出てなかった

 けど…」

 気になる菫。

「いや、けっこう焦ってたぜ、冷姉。

 めっちゃ怒ってたし、戦いの時はそっちに

 集中してただけで。」

 素知らぬ顔して暴露する季楽。

「…余計なこと言わない。

 冷静なのはいつものことだから。」

 目線をそらして言う冷。

「そう…別にいいわ。そうだ。救ってもらったん

 だから、お礼ぐらいしないと気が済まないわね。

 私の家に泊まるといいわ。」

 嬉しそうな菫。

 その日は菫の家で豪華な料理を食べて豪華な部屋に

 泊まった…。



菫 「怖かったわ…普通に歩いていたら、誘拐される

   んですもの。しかも山頂に縄で縛られて、

   寒かったわ…。」

冷 「うん、ほんとに助けられて良かった。

   遅くなったけど、無事で良かった。」

季楽「しんみりしてるのは良いけどよ。

   冷姉も充分怖かったからな。

   最後の荒我に言ったやぶったら許さないは

特に怖かったぞ。」

菫 「そうね、真顔で傘で縄を切るとは思わなかった…

   ほどくとかで良かったじゃない。

   ヒーローどころか悪役に見えたわ。 

荒我さんの方がまだましよ。」

冷 「人質とってる時点で悪いから容赦しないよ。

   助かったから良いと思う。」

菫 「そうね、分かったわ。でももう少し私に対しては

   優しく対応してほしいわね。」

冷 「分かった…。」

季楽「菫さん、あれは分かってない顔だ。

   次もやりかねないぞ。」

菫 「もう巻き込まれないから大丈夫よ。

   それにお礼もたくさんできたもの。」

季楽「流れるようにフラグ立てないでくれ。

   たしかに料理ちょーうまかった。

   めっちゃ食った。まだ腹に残ってるかもな。」

冷 「美味しかった、ベットも快適だった。

次の依頼は平和でありますように。」

季楽「それはマジで思うぞ。願うぜ。

   じゃあ最後はせーの。」

全員「読んでいただきありがとうございました。」



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