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第九話後編 仲直りと季楽の気持ち

季楽と春花が便利屋さんろくに帰ってきて、紅葉も

母親である春花についてきた。

冷と春花は改めて話し合いをし、季楽と紅葉は

より仲を深める…




  〜便利屋 さんろく〜

 冷はソファーに座って、考え事をしている。

「ただいま、冷姉!」

 大きい声で言う季楽。

 びくーと冷をした後、季楽の方を向く。

「おかえり、季楽…春花ちゃん?」

 返事をした後、後ろに春花を見つける冷。

「冷ちゃん、話があるの。」

 覚悟を決めた顔で言う春花。

「話〜?紅葉も混ざる!」

 夫が疲れ切ってしまい、春花について来た紅葉。

「紅葉ちゃんは俺と遊ぶぞ。遊び足りなかった

 んだろ。」

 慌てて止める季楽。

「ほぉ?うん。遊ぶー!」

 楽しそうな方を選ぶ紅葉。

  〜季楽と紅葉〜

「あっ、お兄さんはなんて名前なの?私のことは

 知ってるけど、私はお兄さんのこと知らない。」

 思い出したように、むぅと少し不満げに聞く紅葉。

「あっ、俺は季楽って名前だ。」

 普通に名乗る季楽。

「ほぉー、じゃあ季楽兄ちゃんだね。」

 ふふんと自信満々に命名する紅葉。

「えっ…それは恥ずいな。他の呼び方じゃダメか?」

 却下する季楽。

「むぅー、ダメ!この呼び方じゃないとお母さん

 とこ行っちゃうよーだ。」

 べーと舌を出して言う紅葉。

「待て!その呼び方で良いから待ってくれ。」

(痛いとこつきやがってー。)

 悔しそうにしつつ、認める季楽。

「ふふん、よし、遊ぼう!」

 嬉しそうに笑って、元気に右手をあげて言う紅葉。

  〜春花と冷〜

 春花と冷は向き合って、座った。

「冷ちゃん!」「春花ちゃん!」

 同時に言う。

 お互い顔が赤くなる。

「春花ちゃん、先にどうぞ。」

 譲る冷。

「いやいや、冷ちゃん、先にどうぞ。」

 慌てて譲る春花。

「…じゃあ、私から言うね。

 私は春花ちゃんに裏切られたと思ってない。

 クラスメイトに裏切られたとは思った。

 春花ちゃんが不登校になったのもクラスメイトの

 せいと思った。

 いじめ自体は一月に終わったんだ。相手がボロを

 出したからね。

 私は春花ちゃんと話せなかったことが一番後悔

 してる。話せなくてごめんなさい!

 だから、今話せてすごく嬉しい。」

 冷は素直に考えが気持ちが溢れるように話した。

「ふふ…季楽さんが言った通りだね。」

 思わず笑顔になる春花。

「えっ…季楽が。」

 意外と言う顔をする冷。

「うん、私が裏切ったとは思わないって。だから

 私は悪くないですよって。

 私は冷がいじめられていることに気づか

 なかった。気づいたのは中心格からいじめに乗る

 提案をされたから…それに私は拒否したんだ。

 でも、案の定標的にされた。それでもっと酷かった

 冷の姿を見て、私もこうなるんじゃないかって

 怖くなって私は学校に行けなくなった。

 見てた…学校に行く姿とか、ポストにプリント入れ

 てる姿とか、冷ちゃんは上を向かないから目が

 合わなかったけど…ずっと裏切ってしまった罪悪感

 で押しつぶされてた。でも、通ってくれてて安心

 したんだ。

 ごめんなさい、冷と一緒に学校通えなくて。

 ありがとう、私のことを裏切り者と思わずに

 いてくれて。」

 声が震えるが言えた後はなんだかすっーと心が

 軽くなっていた。

「うん、ありがとう。正直な気持ち言ってくれて。」

 お互いに手を握って笑い合った。

 その時、ドーンとドアが開いて、

「えーいや!お母さんと冷姉さん確保!」

 紅葉だった。謎に確保されることになっている。

「紅葉ちゃん、ダメだって!あー、すまん。」

 慌てる季楽。

「いいよ、終わったから。紅葉ちゃんタイミング

 バッチリだねー。捕まらないよ。」

 冷静に季楽に言い、遊びに乗る冷。

「何の遊びしてたの?紅葉。」

 笑顔で言う春花。

「便利屋ごっこ!悪者やっつけるの!」

 すごいでしょ顔をしている。

「季楽…。」

 季楽を睨む冷。

「あっいや、べ、別に危険なことはしてねぇから

 それに木の枝だしよ。なっ冷姉怖い顔しないでくれ

 よー。」

 たじたじな季楽。

「季楽兄ちゃんと遊ぶのすごい楽しかったー。

 ふぁー。あっ!」

 感想をとびきりの笑顔で言った後、眠そうにあくび

 をするとソファーをみつけて飛び込む。

 すると、そのまま…

「紅葉?あっ寝っちゃったみたい…どうしよう。

 今日はホテルまで運べる気がしない…。」

 困った顔して考える春花。

「うん、たくさん話したからね。

 ホテルの場所教えてくれれば、後で起きた時に

 送るよ。起こすのは良くないだろうし。」

 冷が紅葉の寝ている姿にほっこりしながら、

 提案する。

「なら、お願いしようかな。夕ご飯頃には起きる

 とは思うけど、連絡先交換しましょう。

 そこに場所送ります。」

 母親らしく言う春花。

「うん、電話番号?メール?」

 SNSを知らない冷。

「……よし、アプリから入れよっか。

 これを開いてね。このTUNAGARUNっていう

 のをダウンロードして…電話番号を登録して…」

 ポカンとしてしばらく言葉が出なかったが、

 教えるモードに入る春花。

「マジか…たしかに。冷姉と電話かメールで連絡

 してたな。違和感なく当たり前だったから

 やってたが…知らなかったのかよ。」

 衝撃を受け、冷静に今までの連絡方法を思い出し

 て納得する季楽。

「へぇー、大学の時は友達いなかったし、

 高校の時は菫もメールだったな。

 家族とも電話かメールだったからなぁ。」

 素直に感心している冷。

「あー、これからは私が連絡するからね。

 それで慣れて行こう。」

 同情するしかなかった春花。

 その後、場所を送ってもらい、春花はホテルに

 戻った。

  〜季楽の気持ち〜

 冷は紅葉の隣に座って見守っている。

 季楽は冷の目の前に座る。

(冷、こんな優しい顔するんだな。)

 ぼっーと見ている季楽。

「…何?」

 怪訝そうな顔で言う冷。

「あっ…いや、妹いるんだよな。

 会ったりしないのか?夏休み実家行ってる感じじゃ

 なかったから。」

(俺がいるから帰れないのか?)

 申し訳なさそうに聞く季楽。

「もしかして、季楽がいるから帰れないとか思って

 ない?違うから…お盆の時に墓参りとか、

 食事だけとかしてる。」

 察して、淡々と説明する冷。

「そうかよ、俺、冷姉とずっと一緒にいるからな。

 どんなことあっても裏切らねぇからな。」

 少し怒ったように照れながら言う季楽。

「ぁ…どうした、急に?」

 顔が一瞬火照った後、一周回って冷静になる冷。

「だから、俺は大切な人だって思ってんだよ!

 冷姉がどう思ってるか知らないけどよ。」

 照れながらも素直に叫び、不安な顔して言う季楽。

「ぅ…ふ…ありがとう、大切な唯一の弟弟子の

 季楽。」

 季楽の頭をそっとなでなでして、微笑む冷。

「おぅ、弟弟子だな!冷姉の唯一の!」

 季楽は歯を出して笑ってすごく嬉しそうにした。

 不安は消えた、ぱぁと心に快晴の空が広がった。

  〜紅葉が起きる〜

「ふぅあ〜、あれ。お母さんは?」

 寝起きで質問する紅葉。

「お母さんはホテルにいるよ。送る。」

 すちゃとすばやく用意する冷。

「俺も行くぜ。」

 ふんすをする季楽。

「置いてかれた…えーん。」

 ネガティブになり、号泣する紅葉。

「あっ、おい、泣くなって。」

 慌てる季楽。

「えーーーん!」

 ひどくなる紅葉。

「季楽、春花ちゃんに連絡。迎え頼んで。

 親が来ないと納得できないから…

 子供は親が一番の心の拠り所…」

 申し訳なっていく冷。

「いや、急に申し訳なくなるなよ。

 いまさらすぎるぞ。とりあえず連絡だな。」

 過去は気にしている場合ではないため、怒る季楽。

「紅葉ちゃん、お母さん迎えに来てくれるから

 待ってようか…大丈夫、ちゃんとくる。」

 優しい声で言う冷。

 紅葉の手を包んでいる。

「ほ…ほんと?!待ってる!」

 ころっと泣き止んで、笑顔で言う紅葉。

 -季楽、お母さんは絶対探し出すの。どんなことが

 あってもね。-

(母さんはいつも俺を最初に見つけてくれたな。

 なんで今、思い出すんだ。)

 泣きそうになるのをこらえる季楽。

「何…今度は季楽が泣きそうになってる…

 私が手を握ろうか?」

 少しからかうな言い方で季楽を気にかける冷。

「泣かねぇし。」

 嬉しかったが、表では反抗する季楽。

「泣き虫、季楽兄ちゃんだー!」

 楽しんでいる紅葉。

「おい、泣き虫じゃねぇよ。」

 追いかける季楽。

「わー、こわ〜い。」

 逃げる紅葉。

「あの〜、迎えに来たんですけどー。

 泣いてないでむしろ元気になってるー。

 良かったけど、どういう状況?」

 困惑している春花。

「あっ!お母さん♪会いたかったよー!」

 思い切り春花の胸元に飛び込む紅葉。

「言う前に気づいた…送ろうか?ホテルまで。」

 紅葉に感心しながらも冷が言う。

「ありがとう、冷ちゃん。お願いしようかな。

 夜は怖いみたいですから。」

 安心している様子で言う春花。

 冷は春花と紅葉を無事にホテルまで送った。

春花「あとがきを私もできるの?冷ちゃん。」

冷 「うん、できる。」

紅葉「わぁ〜、紅葉も紅葉も。」

季楽「紅葉ちゃんは俺と遊んでたな。」

紅葉「泣き虫季楽兄ちゃんだったもんね。」

季楽「話が飛びすぎだぞ。後、俺は泣き虫じゃない。」

冷 「泣き虫かどうかは置いといて…

   春花ちゃんと仲直りできてほんとに良かった。」

春花「うん、そうだね。また遊べるのはすごく嬉しい。

   冷ちゃんがTUNAGARUNを知らなかったことは

   衝撃だったけど。」

冷 「そう?季楽も知ってた?」

季楽「おぅ、知ってたぞ。当たり前すぎて持ってるもん   だと思ってた…」

冷 「へぇー、まぁいいや。

   季楽が私のことをあんなに大切してるとは

   知らなかった。びっくりした。」(照れる)

季楽「おう、伝える機会なかったからな。

   その時に紅葉が起きて泣き出したんだよな。」

紅葉「ほぇ、そうだっけ?泣き虫季楽兄ちゃんしか

   覚えてない〜。」

季楽「だから!泣き虫じゃねぇっての。

   無事に春花さんが来て、冷姉がホテルまで

   送ったな。」

春花「はい、ありがとうございます、紅葉のこと。

   助かりました。」

冷 「じゃあ、最後に言おうか。せーの。」

全員「読んでいただきありがとうございました。」

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