焦げ炭の少女
ある日突然 焦げ炭になってしまった。
いつも通りに 家を出たのに
急に天気が悪くなるように
心が燃えて 炭になった。
焦げて、焦げて
炭になるのは あっという間だった。
もう、元の形には戻らない。
それまで
どんなに 平和に生きてきた ことだろう。
家の猫を撫でて 親の作った目玉焼きを食べて
いつも通りの朝7時20分に 家を出たのに
ある日突然 全てが崩れ落ちた。
同じ毎日 続くものと思っていた。
同じ毎日 生きていくつもりだった。
ぼんやりと 未来を 描いていた……………。
焦げた炭を掬うと ボロボロと崩れ落ちた。
涙がポロポロと こぼれ落ちた。
心に 大きな 大きな 傷ができて、
ジュクジュクと 痛んで 何も手につかない。
ほんの少しの時間で こんなにも世界が変わるなんて
なんにも わかっていなかったのだ。
日々穏やかな日常を送っているのは 奇跡だった。
燃えて 焦げてから
見える物 すべて 意味をなさなくなった。
誰しもが持っている
心の奥底の柔らかい部分
グシャグシャに 潰れて血が出て死んだ。
いちばん 痛いところ
壊れて 潰れて 燃えて 焦げ炭になった。
強くなりたいのに どうあがいても
強くはなれない。
どうして周りの人たちのようになれないのか
わからない。
血を流して 泣いている。
火がついて 燃え尽きて 炭になる。
喋りながらも血を流している。
ずっと ずっと 流している。
夜に 周りが見えなくなった頃
やっと 周りが 見えてくる。
暗くて 優しい音楽を聴く。
炭から花が咲く方法 わからない。
どんなに水を与えても もう二度と元には戻らない。
少女の背中は丸まっている。
おそらく 一生 丸まっている。
一度炭になると 元に戻るのはなかなか難しい。
今日も 少女は
水をあげている。
焦げ炭に 水をあげて
どうしようもない日々 送っている。




