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使い魔を得るために守護神の祠へ向かった千達一行だが…

次の日馬車にて守護神の祠に向かう5人とガイア。


昨日はガイアからこの国、そして異世界転移した俺達の使命について説明があった。


~~~~~~~~~~~~







「まずこの世界は魔界と人間界の2つに別れている」


ガイアが地図を広げ説明する。


「主に北側半分が魔族、そして南側半分が人間が住む領土となっている。昔人間界と魔界ではお互いに領土を奪い合い争っていたがお互いの代表同士の話し合いの結果和解し平和が訪れた」


だが急にガイアの表情が変わり唇を噛み締める。


「その後100年は平和が保たれていたのだが新しく誕生した魔王のせいで世界は一変、人間界と結ばれた条約を全て無視しこちらに侵略を始めた。今は昔と違い魔族に対抗する戦力が整っておらず人間界の大半が魔族の手に落ちてしまった」


腕を組みながら考える千 

なるほど……それで俺達が召喚されたという訳か。


薬子が質問する。


「つまり私達は……その魔族と戦う為に呼び出されたってことですか?」


「そうだ。異世界から来た人間はこちらの世界にはない特殊なスキルを持って召喚される。先程ステータスを確認してもらったと思うがそこに固有スキルと名の付いた部分があっただろう?


そう言われもう一度ステータスを確認する一同。


「固有スキルというのは誰しも持っている訳ではない。さらにその中でも特殊なスキルを持った者が君達だ」


堅固がいう。


「あんたやけに詳しいじゃねぇか」


「あぁ。100年前の戦争の時も異世界からこちらの世界へ召喚された人達がいた。その時の情報を元に話している」


!?


驚く一同。


弓射がガイアに質問する。


「前に召喚された人達はどうなったの?」


「ある者は戦いの中で死に残った者は寿命で亡くなったと聞く」


ガイアの話を聞き落胆する一同。


もしかしたら何らかの形で元の世界に帰ることが出来たかもしれないという微かな希も今のガイアのセリフで潰えてしまった。


「……すまない、だが私達だけではもうどうすることも出来ないのだ。いま君達がいるこの大陸が支配されれば私達人間界は終わりを迎える。どうか…どうか世界を救うために力を貸してほしい!」


頭を下げるガイア。

少しの間が空き千が口を開く。


「具体的に俺達はなにをすればいいんですか?」


顔を上げるガイア。


「人間界の方には6つの大陸そしてそれぞれに拠点となる都市が存在するのだがその内の5つが魔族の手に落ちてしまった。君達にはそれぞれの大陸におももきそれを君達の力を借りて取り戻したい」


堅固が口を開く。


「別行動になるって訳か」


「あぁ。だがこの城から1人に一人づつサポート役として一緒に行動する者を付けようと思っている。それと明日守護神の祠に行きそれぞれに使い魔を従えてもらう予定だ」


質問する弓射。


「さっきも話にあったけど使い魔って?」


「使い魔というのは戦いの時に自分達のサポートをしてくれる魔獣のことだ。以前召喚された異世界の人間も従えていたと聞く」


ガイアに聞く千。


「ガイア達も使い魔を?」


「いや、この世界の人間に使い魔を従えている者は居ない。祠が使えるのはどうやら異世界の人間だけみたいなのだ」


ガイアから一通りの話を聞き食事を終える一同。


「……では明日私と共に守護神の祠に向かっていただく。こちらに来たばかりで不安だろうが今日はこの城でゆっくり休んでほしい」


食事の席を後する一同。



~~~~~~~~~~~~


馬車が止まりガイアが皆に言う。


「着いたぞ」


馬車を降りる一同。


大きな入り口を開けた洞穴がそこにはあった。


ガイアを先頭に中を進んで行く一同。


「ここだ」


洞窟の一番奥まで来たようだ。

目の前には石で出来た女性の像があり空洞になっている。

像の手に丸い水晶のような物が置かれている。

ガイアが皆に言う。


「では全員でこの水晶に触れてもらう。そうする異世界から来たものは使い魔を得ることが出来ると言い伝えられている」


堅固がガイアに言う。


「えっ?そんなんでいいの?」


「私達はそう聞いている」


生唾を飲む一同。

水晶に手を触れた次の瞬間!



皆元の世界に戻っていた。


「あれここ俺のアパート……

えっ?今までの夢?」

自家発電中の千。



「おい、どうなってんだ? 

俺はさっきまで…っ!?」

喧嘩の途中でいきなり殴られる堅固。



「なんで……さっきまであの洞窟に」

ベッドに横になっている薬子、枕元にはからになった睡眠薬の瓶が。


「あれっ?私さっきまでみんなと一緒に……あれ~?」

車を運転している弓射。



「な、なんで!?」

学校の屋上、壁に掴まり今にも落ちそうな空。



皆自分が死ぬ前の状態に戻っている。

すると皆の頭の中に直接声が届く。


「汝、力を欲するか 汝、自らの死を自覚し力を得よ さすれば与えられん」


っ…なんだこの頭に響く声?!

すると堅固が後ろに寒気を感じた。

振り向くとナイフを持った男がこちら向かって突っ込んでくる。


「や、やべぇ…避けられねぇ?!」


背中に激しい痛みと何かが体にズブリと入り込んでくる感覚に襲われた。


「く、くそっ……」


ナイフを放しそのまま逃げる喧嘩相手。

周りでは叫び声が響き渡る。

薄れる意識の中堅固は思った。


「……俺、こんなちいせぇ刃物で死んじまうのか…あぁ…

もっと体鍛えて強ぇ体になってりゃ……」


意識が遠のいていく堅固……






「やだ、やだまだ死にたくない……まだ私にも出来ることがあるかもって……必要としてくれる人がいるって……

やっと……」


すでに体は動かず意識が遠のいていく薬子。


「こんな……薬なんかで……死ねな………」


意識が途切れる薬子。






プーッ!プーッ!

クラクションが鳴り響く。

交差点、横から信号無視してきたトラックが弓射の車めがけ突っ込んでくる。


「う、うそでしょ!?ちょっ……なんで?!バカトラック!」


ドゴォォォン!!


弓射の叫びも虚しく追突される弓射の車。

そこで意識が途切れる。






「い、いやだ…また、また死ぬなんてっ!こんな……こんな糞みたいな世界から離れられたのにっ!?」


手の力が無くなり手すりを放してしまう空。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」


ゴッ!


鈍い音と共に意識が途切れる空。





「なんだ、さっきの夢だったのか?」


自家発電中の千はそのまま行為を続ける。


「えっと……これ何回目だっけ?いやぁこんな俺にドンピシャのAVもう一生見つけらんないかも……今日は抜きまくるぞ!!」


そして何回目になるであろう絶頂を迎えた次の瞬間、

目の前が真っ暗になっていくのを感じる。


「あれっ?………」




皆気づくとそれぞれ暗闇の中にいた。

するとまた頭の中に直接声が響いて来る。


「汝、己の死を糧に新たな力を授けん、そして自身のかたわれを授けん」


「……ぃ、おい!大丈夫か!?」


「ハッ!?」


ガイアの声と共に目を覚ます一同。

どうやら皆気を失っていたらしい。


「おい、今のって…」


「あれ、私たしかに…」


「し…死んでない?」


千は起き上がり自分の体を確認する。


「新しい力って…?」


するとそれぞれの頭上から光の粒が舞い上がる。


次の瞬間花火のように弾けるとそこから小さい獣が飛び出した。


「ブィ!」


「ユン!」


「パム!」


「フー!」


「プーッ!」


ガイアが獣を見ながら呟く。


「これが使い魔か!」


それぞれ周りをグルグル回る使い魔達。


堅固の使い魔は黄色いたてがみに尻尾が生えておりさながらライオンのような姿をしている。


薬子の使い魔は鹿のような角が生えており見た目もそのまんまといった感じだ。


弓射の使い魔は硬い鱗に覆われてお腹のほうにはふさふさと毛が生えておりアルマジロに似ている。


空の使い魔は三角の耳に三角の尻尾、見た感じ悪魔っぽい姿をしている。


俺の使い魔はというと……

くりくりのお目目に小さなお口、そこまでは可愛らしいのだが………

フォルムがなんというか……

金た……


「ピィ~~~!」


入り口の方から何かがこちら向かって飛んでくる。

身構える一同。


「待て!」


ガイアが皆を手で止めるような素振りをする。


「あれは城からの使いだ」


姿が見えてくると鷹のような鳥だった。

そのままガイアの腕に止まるとガイアは鳥の足に付いている手紙を剥がし読み始めた。

そして血相を変えてこちらに向かって叫んだ。


「敵襲だ!」













ガイア……身長180㎝、筋骨隆々、短髪。

王国騎士団団長、レベル58

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