リンゴのお店
翌日NICは近くの商店に来た。
見た目はお世辞にも綺麗な外観ではない。
営業しているのであろうか!?
そう疑いながら店を覗いた
6坪ほどだろうか…
所狭しと商品が並んでいる。
NICは店に似合わない、
やけに綺麗な業務用冷蔵庫から
牛乳を取り出した。
NIC「牛乳一本頂くよ」
老婆「はいよ。ありがとよ」
NICは出ようとしたが立ち止まり、
振り返った。
NIC「ここには、アンチョビバター置いてないのかい!?」
老婆「なんだって、アンチョババター??」
NIC「あ、いや…なんでもない」
老婆「すまないね。そこになれば、アンチョバターは置いとらんよ。」
NICは息を大きく吸い込み老婆に尋ねた
NIC「この辺りにダイビングショップはあるか?」
老婆「この通りを真っ直ぐ行けば一軒ありますぞ。しかし今はやっとるのかね…」
NIC「ありがと」
老婆「お気をつけて。毎度あり」
NICは、足早になることもなく
何か考えているかのような足取りで向かった。
5分ぐらいだろうか…いや時間にして2分程だ。
「Diving Shop Apple Ocean」
NIC「…Apple Ocean」
NICは店の前まで来た。
中を覗いてみると明かりはない。
しかし閉店したような暗さ、
静けさではないようだ。
NICは残りの牛乳を一気に飲み干した。
すると、
「何かようかね!?」
やけに図太い男の声がした。
NICと同じぐらいの年齢だろうか。
男「うちの店に何かようかね!?」
NIC「あ、この島に休暇で来ていて…」
男「どおりで見ない顔だと思ったよ。
しかし残念ながら今は営業しとらんよ」
NIC「もったいない…。」
男「まぁ事情があるってことさ。」
NIC「事情!?」
男「お前さんも暇そうだなw
どうだいコーヒーでよければ入れるぞ!
中でも入るか?」
NIC「お言葉に甘えて。」
中に入るととても休業しているような
感じではなさそうだ。
しかも、
xbox、SurfacePro、laptopといった
Microsoft製品が置いてある。
てっきりNICは「Apple Ocean」と付いているから
MacBookなどApple製品で埋め尽くしていると思っていた。