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落盤

「おい!いたぞ!あいつだ!」

「くっ!急ぎましょう!」

膝まで届くローブを着た二人組が衛兵に用水路の梁近くで追われる


「追い詰めたぞ!諦めろ!」

「我々の崇高な目的をお前等ごときが止められるものか!」


そう言い放った折用水路に飛び込む

「くそ!逃がすか!」

「止めろ、甲冑をしたままじゃ溺れ死ぬぞ」

「ちくしょ」


ネズミが徘徊する下水道の翠色の水面にもう一匹ドブネズミが映し出される

「はぁ、こんなすんなりはいりこめちまうなんてこの国は平和ボケし過ぎだな、まぁ俺みたいなのにはありがたい限りだが」

「よし、とりえず質屋で換金してこよう」


下水道を出て富裕街の門を経由し質屋へ向かう途中の港で

ドン、ドンと大きな砲声が聞こえる、水平線に見えたのは大きく黒い数十門の大砲を備えた軍艦だった

「相変わらず外の防備には金掛けてんだな」

『まぁすごい』『腹に来るずっしりとした音だな』『彼らがいればこのラエクも安泰だな』『さあみなさん拍手を!』


軍艦から身を乗り出す船員への喝采を尻目に昨日と同じようにして走り自宅を越え質屋に入る

「よう、人造人間!あたらしいの持ってきたぜ!」

「ばか!しっ!俺が人造人間なの他の奴にばれたらどうすんだよ!」

「あぁ?そんなこと信じてる奴いるわけねえだろ」


寝巻き姿でドタドタと下りてきた身長が2mはある糸でツギハギの体を大きくジェスチャーを交えながら説教をする様子はまさに臆病な熊さながらであった。

「えぇ!絶対信じてくれると思ったのに!」

「はっ、人造人間ってならお前を作ったお前の主人はどこだよ?」

「・・・そっか、確かに信憑性なかったかも」

「まぁなんでもいいからさ、さっさと査定してよ」

「査定って、どうせまた盗品でしょ?ウチそーいうのやってないから」

「っちげーよ!チャントシタ、貰いもんだって」

「ん?今なんかロレツ回ってなくなかった?」

「ちゃんとした!」

「はいはい、でも衛兵さんがここ嗅ぎまわったらニコの事ゲロっちゃうからね」


少しの静寂のあと、人造人間のホムンクルスに違和感を伝える

「おい、ホムンクルス今俺の事なんて?」

「あぁ、ごめん贔屓にしてもらってる奥さんの子がニコラスって名前なの、私にホムって愛称があるようにあなたにも名前とか有った方がいいカナって」

「カナってじゃねぇ、ニコなんてダセェ名前ぜってえいやだ」

「いいじゃん君の素敵だよほらニコニコ」


ホムはニコと愛称を付けた子供の頬を掴み横に引っ張る

「眉間にばっかしわ寄せてると早死にするらしいよ、ほら横にのばーす1,2・1,2」

「やめろ!」



「お前と俺等を一緒にするな!家にいるだけで3食寝床つきの趣味に没頭できる環境なんてどこにも存在してない!、俺にとって明日を迎える事が一番の贅沢だ!世界がどうなってようが俺には全く興味がない!こんなクソみたいな世界壊してくるなら願ってもない事だ!」

虚ろな影は


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