表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン暮らし!スキル【ダンジョン図鑑】で楽々攻略?  作者: 夢・風魔
第3章:拡張ステージへ。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/207

84-26階攻略2

「これでよしっと」

「なぁ翔太。なんで俺のナンバープレートを壁に埋めるんだ?」


 愛車のナンバープレートが、25階の壁に埋め込まれた。


「浅蔵がここに落ちた記念。あとナンバープレートが溶かされないようにするため。ボク頭いいでしょ」


 ……いや、持って帰れば溶かされないんだけどさ。

 26階に降りて虎鉄のスキルを確認してみると、さっきのがフラグにでもなったかのようなスキルが手に入っていた。



∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽


 虎鉄 ケットシー  0歳

 レベル:7

 筋力:E  肉体:F  敏捷:B

 魔力:C  幸運:A

【スキル】

 奥義・爪磨ぎスラッシュ1

 鑑定


∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽



 猫に小判ならぬ、猫に鑑定……。

 鑑定スキルは凄い。ドロップ品がどういった用途で使えるのかとか、モンスターの名前や特徴なんかが分かる。

 あ、図鑑にもそういう機能あったな。ははは。


 ほ、本当に鑑定スキルはレアなんだ。そう、レアなんだ。


「けど何故かな……手放しで喜べないのは」

『にゃー。あっし、鑑定いっぱいするにゃーっ』


 うん。まぁ頑張ってくれ。


 今はそれよりも26階だ。

 ひとつずつ扉を潜って進むしかない。今日はとりあえず図鑑の地図埋めが目的だ。 


 まず最初に扉を潜り抜けるのは省吾。

 省吾は発泡スチロールで作られた盾を持ち、そしてスキルを発動させる。


「"鋼の盾(フルメタル・シールド)"」


 装備しているどんな盾も、鋼のように固い盾に変換する――というスキルだ。

 重量は元々の重さのまま。そして強度は元々の盾の厚みに比例するスキルで、分厚ければ分厚いほど硬い。

 分厚くて軽い素材といったらこれだ。発泡スチロール。


 分厚くて軽い盾を構えたまま省吾は扉を潜っていく。扉の先にモンスターがいる場合があるからだ。

 省吾が潜ってすぐ、雷スキルを持つ甲斐斗が飛び込み、そして俺が続く。

 甲斐斗は殲滅役。俺は広範囲の感知役だ。

 同じようなスキルを持つ竹下さんは、殲滅力のあるスキルを持っていない。その点は俺も同じなんだが、彼女の武器は短剣。俺は鞭。

 中距離攻撃が出来る俺のほうが、こういう場面では有効だ。図鑑もあるし近距離攻撃だって出来る。


 甲斐斗に続いて扉を潜ると、省吾が二匹のモンスターを盾で押さえつけるようにして立っていた。

 一匹に雷が直撃し吹っ飛んでいく。もう一匹の足に鞭を絡め、そして強く引っ張った。


『ゲッ』


 顔の作りはゴブリン似。だが痩せ細った長身はゴブリンとはかけ離れたモンスターのグレム。赤茶色の肌もゴブリンとは違う。

 だがこのグレム。福岡01ダンジョンでも25階層以下に出現する、中級冒険家が相手にするような奴らだ。

 腰に布を一枚巻いただけのみすぼらしい姿とは裏腹に、動きは素早く、力も強い。


 こんな狭い通路で暴れさせたらたまったもんじゃない。

 俺はグレムの足に鞭を巻き引っ張ると、奴が短い悲鳴を上げ倒れた。

 そこへいつの間にやらこちらにやって来た虎鉄が『にゃっ』と声を上げながら爪を振り下ろす。

 これで一匹倒した。

 もう一匹も甲斐斗の魔法を二発食らって死んでいた。


「周辺は!?」


 後ろからやって来た芳樹が怒鳴る。


「右2、正面1、左3」


 前方は直ぐに十字路になっていた。正面には50メートルぐらい先に、やはり扉が見える。色は赤か。その前に一匹、グレムが居た。それに向かって芳樹が走る。少し遅れて竹下さんも向かった。

 三匹居る左には省吾と甲斐斗、そして春雄の三人が向かう。右には俺と翔太。それから虎鉄にセリスさん、あと鳴海さんまでやって来た。

 二匹だってのに5人も来なくていいだろうに……。


 一匹を鞭で絡めとった後、力任せに壁へと打ち付け、翔太はエアガンを構え撃つ。ただのエアガンじゃない。中身のがスキルで作られたもので、敵と認識した相手にだけ実弾の威力を与えられる。

 翔太が発砲する間に俺はもう一匹に鞭を振るった。


『シャッ』


 グレムは素早く壁蹴りで鞭を躱す――が、ここは狭い通路だ。

 くんっと手首のスナップを効かせて鞭の軌道を変えると、奴の細い足首を捉えた。


「ぅらぁっ!」

『ギゴッ』


 そのまま壁に叩きつけ脳震盪を起こしているところへセリスさんが滑り込む。

 26階の通路が狭いというのは昨日の時点で分かっていたので、今日は柄を分離させ使っているんだな。

 倒れたグレムの首元に刃を振り下ろし止めを刺す。

 死んでいることを確認してからすぐさま省吾たちの援護へと向かった。まぁ必要ないと思うけどな。


 案の定、さっきの場所まで戻って来た時、既に勝負は決着が付いていた。そして芳樹も戻ってきている。


「終わったか?」

「あぁ。26階からはおふざけ無しって事らしいな」

「いやお前、24階のナメクジもカタツムリもいやらしい攻撃してきてたじゃないか」


 あぁそうか。俺は図鑑で攻撃手段見てたし、なんてことも無かったが。分からなかったら、あの命削る攻撃も厄介だよな。

 

 26階はこうやって、扉を移動した先にモンスターが待ち構えているという嫌らしい構造になっていた。

 扉の色はカラフルで、何かしら色にヒントでもあるのかと思うが……色が多すぎて分からない。

 こうして一日掛けてひたすら扉を潜りまくった。


 帰宅してからさっそく図鑑の地図をコピー。それを地上の支援協会スタッフへ渡し、スタッフが模写する。

 同時に別のスタッフが俺の所までやって来て、階層情報やモンスター情報をメモするのだが……。


「あ、すみません。次のページ捲って頂けますか?」

「はいはい――どぞ」


 地図以外は他の人にも見えるが、見せるためには俺が持ってないといけないっていうね。

 図鑑を持ったポーズのまま、なんだかんだと一時間経過。

 腕――だるぅ。




「ふぃー。久々にあいつらとまともに攻略すると、やっぱ疲れるなぁ」


 リビングのソファーに腰を下ろし、今日の分の新聞をチェックする。

 世界がこんな事になって10年。電波状況は悪く、ネットが繋がらない&繋がりにくい地域もいたるところにある。

 そんな状況でも新聞社は毎日新聞を発行してくれる有難さ。まぁ昔みたいに全国や外国のニュースは少ないけれど。


『ふにゃー。こうにゃくすると、にゃっぱ疲れるにゃー』


 新聞を広げようとしたところで、俺の真似をしながら虎鉄がやってくる。

 ぴょこんとソファーに飛び乗り、俺の膝に座る虎鉄。

 こいつは遂に、人間のような座り方をマスターしたようだ。俺の足を椅子代わりにして背筋を伸ばし、後ろ足を前に出して座っている。


 く……そろそろ本気で死にそう。

 虎鉄を膝の上に座らせたまま新聞を読むが、ページを捲るたびに虎鉄が猫パンチを繰り出してくる。

 この辺りは本当にただの猫だよなぁ。ケットシーなんてものに進化したが、見た目は何も変わってないし。それにミケの反応にも変化はない。我が子は種族が変わっても我が子なのだろう。


「ふぁあぁ。早く新聞見て風呂に行こう」

『お疲れにゃかあさくにゃー。あっしは元気にゃよ』

「あー、疲れてるよ。だから早く新聞読んで風呂に行きたいんだ。新聞に猫パンチしてないで、大人しくしててくれ」

『にゃぁ〜』


 読んで風呂入って、そして寝よう。

 再び新聞に目を向けたとき、隣に人の気配がした。


「ん? どした」


 セリスさんがソファーの上に、それこそ猫のような仕草で上っていた。

 四つん這いの姿勢は、お兄さんには眩しすぎて目のやりどころに困るんですけど。


「つ、疲れとると?」

「あ……あぁ、久々に本気モードだったからね……えぇっと。も、貰ってもいい……かな?」


 こくりと頷くセリスさんを確認して、俺は彼女の長いブロンドの髪をかきあげた。

 

「サラサラだなぁ。手入れするの大変だろ?」


 支援協会の人に地図の模写をして貰う間に、彼女は風呂を済ませたようだ。

 うぅん。パジャマのふりふりした襟が邪魔で吸いづらい。

 ボタン……外してもいいかな。いや、ダメだろう。それはダメだ。うん。ダメだ。ダメダメ。


「と、特に何もしとらんとよ。ただ市販のシャンプーじゃなくって、美容室で買ったやつやけん。それがいいんやろうか」

「あぁ、セリスさんと大戸島さんのその手のやつは、家族の方に持って来て貰ってるんだっけ?」

「弟が持ってきてくれるけん……浅蔵さん、どうしたん?」


 俺がなかなか吸えないでいると、彼女の方が気になったようだ。

 襟のフリルが邪魔で吸えません。だからボタン外してパジャマを少し脱いで頂けますか。


 なんて言える訳ないだろ俺えぇぇっ。

 それじゃあただの変態じゃないかあぁぁっ。


 ひとり頭を抱えていると、俺の足の上で虎鉄も同じように頭を抱えている。

 頼む……今俺を萌え殺ししないでくれ。


 もういい。ちょっと吸いづらいだけだ。襟を抑えて吸う――え?


「ななななな何してますかセリスさんっ」

「襟、邪魔やったんやろ?」


 考えてたこと筒抜けだったのか!?

 セリスさんはパジャマのボタンを二つほど外すと、右側をぺろりと捲って首から肩までをぱっくりと晒した。

 頬を染め首を傾げてどうぞと彼女は差し出す。


 かぁーっと体に熱いモノが流れるのを感じたが、躊躇することなく俺は白い首筋をぱくっと口に頬張った。

 もう最近、本能的に彼女の首を求めてるよなぁ。

 このスキル、人間を吸血鬼に進化させる効果があったりするんじゃないか?


「ぁ……」

「ん。ごめ。もうちょっと」


 力なく崩れそうになる彼女の背中に手を回し、抱き支えながら吸った。

 一気に吸えばすぐに終わらせられるんだが、俺は敢えてゆっくり、少しずつ吸った。この時間が凄く……興奮するから。


 あぁ……セリスさんに、もし彼氏とか出来ちゃったら、もうこんな事できないんだろうなぁ。

 いっそ……俺が彼女を――いや、スキルが使えなくなるのが困るからとか、そんな事で彼女を縛り付けるのは良くない。

 とはいえ、彼女以外の首に噛みつくのもなぁ。

 彼女以外……あれ? なんでセリスさん以外だと嫌なんだ俺は。

 あ、あれ?


『もうにょっと……』

「ぶはっっはははは。何やってんだ虎鉄」


 俺のモノ真似をしてか、セリスさんの腕に吸い付いている虎鉄を見てしまって……いろんなモンが吹っ飛んでしまった。

 真っ赤な顔のセリスさんが虎鉄に何か言っていたが、彼女の首筋に赤い痣を見つけた俺の頭は真っ白になって聞き取れなかった。


 もう少し加減しなきゃな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ