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ダンジョン暮らし!スキル【ダンジョン図鑑】で楽々攻略?  作者: 夢・風魔
第1章:ダンジョン生成に巻き込まれまして
26/207

26:図鑑レベル。

 階段まで引き返すのを止め、18日目の夜はスーパーで過ごすことになった。

 ダンジョン内は常に明るく、実は階段での野宿ではアイマスク必須という。

 スーパーの中なら、ホームセンター同様に暗い。


 持参した懐中電灯を点け、まずは店外から中の様子を伺う。


「斜めになってるだけあって、店の中はぐちゃぐちゃだな」

「寝れますかね?」

「まぁ斜めと言っても、ほんの少しだしね。このぐらいなら大丈夫だろう」


 感知の反応は店内からは無い。安心して中へと入り、座れそうな場所を探して回る。

 緩やかな傾斜だが、棚にあっただろう商品はほとんど床に散らばっている。

 足元を確認しながら中へと入っていき、バックヤードへと続く扉を見つけた。


「なんだか少し臭いません?」

「たぶん……生物が腐ったんだと思う」

「お惣菜とお魚コーナーは地面の中ですねぇ。でもお肉コーナーが……」


 そう言って大戸島さんが見つめる先をライトで照らすと、精肉コーナーという文字が見えた。

 生肉……腐ってんだろうなぁ。


 バックヤードの中も悲惨なものだった。幸い、こっちには生物は無かったようで、店内より空気はマシだ。


「事務所がありますね」

「そこなら休めそうかもしれないな。行ってみよう」


 事務所は4畳半ほどの広さで、これではポケットを開くことは出来なさそうだ。

 中は机やパソコンが散乱していたが、いくつかを事務所の外へ出せば寝るスペースの確保ぐらいは出来る。


「今日は店内にある物を貰って食べよう」

「はぁーい」


 一つしかない懐中電灯だと不便だ。店内にも売ってあるだろうから、まずは三人でそれを探しに行く。

 感知の反応は遠い。

 ホームセンターでもそうだったが、どうも建物付近にはモンスターが集まらないようだな。

 まぁ警戒は怠らないが。


「ありました。電池もレジの方に」

「OK。じゃあ二つ用意しておこう」


 セリスさんと大戸島さんも、それぞれ懐中電灯を手に歩く。

 それから買い物カゴを持って、散乱した商品群から今夜のメニューを探し出す。


「ふりかけご飯、いいなぁ」

「あ、じゃあふりかけはポケットにも入れますか?」


 そのつもりで既にふりかけを大量ゲットしてある。

 サバの味噌煮やシーチキン、タラバガニ、今どきは缶詰でいろいろ食える。


「豚の角煮……美味そう」


 地上に出るまで肉料理に飢えずに済むよう、いろいろ持って行こう。


「浅蔵さん、楽しそうですね」

「え? そ、そんな風に見える?」

「はい。だって、顔、笑ってますもん」

「そ、そうか。うん、でもまぁ楽しいかもしれない。だってさ、普段だったらこんな缶詰、買わないからね」


 手にしたのは高級黒毛和牛の煮物。おひとつ680円。


「高級缶詰も食べ放題なんだよ! これが喜ばないでどうする!!」

「えっと……あ、浅蔵さんって、普段はどんな食事なんです?」

「んー……米は自分で炊いてるよ。その方が安上がりだからね」

「おかずは?」

「コンビニやスーパーの総菜ってね、美味しいんだよ」

「料理、しないんですか?」

「ひとり用の総菜とか、いろいろあるし……あ、でもチャーハン作れるよ! あと冷やし中華だって作れる!」


 薄焼き卵を細く切った物が売ってるしね!

 あ、やめて。同情するような目で見ないでっ。


「そんな目で見るなら、俺が見つけた高級黒毛和牛あげないからな!」

「え? ずるい! 浅蔵さーん。今度ご飯おごりますから、私にもお肉くださ〜い」


 ふ。セリスさんだって、やっぱりお肉欲しいんじゃないか。

 あれ? そういえば大戸島さんは?

 まさかひとり!?

 いくら店内だからって、ひとりは心ぱ――。


「ふふふぅ〜♪ 手料理作戦ですねぇ〜♪」

「うわぁっ!?」

「はわわわわっ。な、なに言ってるのよ瑠璃!?」

「ふふぅ〜ふぅ〜♪」


 ……いつから居たんだ、この子は。






 食後、図鑑で地図を確認。

 見開きのページに表示されている部分は、全体の1/8程度か。

 スマホのように指を操作すると、地図は拡大表示される。全体表示だと道は線でしか表されないが、拡大すれば水溜まりの位置すら把握できる。

 道幅がこれまでの階層の中でも一番広く、小さな水溜まりなら上手くスルーできた。

 今のところ見たのはウォータースライムだけか。

 氷水のように冷たい水鉄砲を放つ……そんな説明書きがあった。

 繰り返し吐きかけることで体温を奪い、弱ったところで覆いかぶさりじわじわ溶かして食べる!?


 ……あんなのでも、一応はモンスターなんだな。


「図鑑ですか?」


 スライムの説明にぶるっていると、セリスさんがやってきて図鑑を覗き込む。


「えっ。スライムって、人間を食べると!?」

「あぁ。最弱モンスターだけど、それでもやっぱりモンスターだったってことだね」

「……油断しないで、倒さなきゃいけないときはさっさと倒した方がいいですね」

「そうだな。サクっと倒せるなら、そうしたほうがいいだろう」


 こういう説明を読むことで、モンスターの脅威というのを再認識させられる。

 それは良いことだ。

 慣れることで油断するのが一番怖いからな。


「浅蔵さん。その図鑑って、レベルがあるんですよね?」

「ん? 図鑑というか、スキル? いや、やっぱり図鑑なのだろうか」


 ステータス板を見たときには、確かにレベルの表示はあった。

 25階で見たときはダンジョン図鑑2になっていたから、スキルレベル2ということだ。

 23階で見たときもまだ2だったような。


 図鑑を閉じ、再び表紙を捲って先頭ページを開いた。


 ん? 最初の基本情報ページで、クエスチョンマークだった所に文字がある!

 しかもこれは……。


「あ、見てください浅蔵さん。ここ」

「え?」

「ここ、【ダンジョン図鑑3】ってなってますよ。これ、スキルレベルが3ってことですかね?」

「……そうか。だから文字が解放されているのか」

「解放?」

「そう。DBP交換で出来ること。ここの項目、最初に見たときは、モンスターの取り出ししか書かれてなかったんだ」


 その下に「?????」と、マークだけが並んだ項目があった。

 今はその項目が二つ、文章に差し替えられているのだ。



∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

・・ボスモンスターを除く、通常モンスターの取り出し。*1

・・地図のコピー機能追加。

・・アイテムのコピー機能追加(超劣化版)

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽



「アイテムコピー……これ、ヤバいだろ」

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