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133/207

133-勝者!

『メェ、メェメメェー。ンメェェェェーッ。"フレイム・シュート"』


 おい待て!

 なんでスキルの所だけ日本語なんだ!?


 一瞬そうツッコミそうになったが、飛んでくる火球を慌てて開いた図鑑シールドで防ぐのに必死だった。


『げふっ』

『分身の俺が――ぐはっ』

『うげっ。一撃でやられるとか、ヤバイだろっ』

『にゃんとーっ!』


 いつの間にやら虎鉄は俺の背中にしがみつき、難を逃れている。

 火球の数は8つ。

 もしかして人数分?


「セリスさん!?」

「はい!」


 呼ぶとすぐ後ろから声がした。


「あ、そこにいたのか」

「ご、ごめんなさい。こ、ここが一番安全かなと思ったけん」


 俺の背後に立っていた彼女は、頬を赤らめ申し訳なさそうに言う。


「いやいや、正解だと思うよ。図鑑シールドは最強だからね!」

『じゃあ次は俺たちも』

『とりあえず二人減ったし、補充しとこうぜ』


 分身を唱えなおしてリセットすると、残っていた分身も一度消え、再び俺が5人現れる。


『よし。次に同じのが来たら、図鑑持ってる本体の後ろに一列で』

『『よし!』』


 ……電車ごっこでもする気か?


『ンメェーッ』


 バフォ様ご立腹だ。

 そりゃそうだろうな。

 二人減ったはずなのに、また元の人数に戻っているんだ。


『メェ、メェメメェー。ンメェェェェーッ』

「来るぞ!」


 ざざざっと、一瞬にして俺の後ろに並ぶ、そしてセリスさん。虎鉄は肩に捕まっている。


『"フレイム・シュート"』


 そこはやっぱり日本語なんだな。

 全員が一列に並んだせいか、火球は一直線になって俺へと飛んでくる。

 ちゃんと相手の位置に飛ぶようになっているのか。

 だが直線的に飛ぶため、躱すことは可能――と。


 ドンドンドンッと、8発の火球が図鑑にぶち当たる。

 だが音に反して衝撃はまったくない。強いて言えば、図鑑に当たった際に少しだけ火花が飛び散り熱い程度か。


 火球がやむと同時に鞭を振るい奴の首を絞める。


『メッ、ブ……ブォアァッ』

「ちょ、変な声で鳴くなっ。わ、笑うだろおいっ」

『ブォアアァァッ』


 こ、こんな山羊見たことある。変な声で鳴く山羊だ。

 あれとそっくり!


『にゃにゃっ"奥義・爪とぎスラッシュッ"にゃよっ』

「はあぁぁっ!」

『フッ――』


 俺が笑いを堪えている間に、虎鉄が必殺技を出し、セリスさんが聖属性を付与した薙刀で奴を突く。

 それでもまだ倒れないバフォメットに、次々と5本の鞭が絡まった。

 そして同時に電気が流れる。


『ブボアッ、ボッボッボッボッボッアッアッアッ』


 ビクビクと跳ね上がるバフォメット。

 奴の首に巻き付けた鞭を解放し、そして二度振った。


「落ちろ!」


 鞭の先端に取り付けた刃がヒュンっと音を鳴らし、電流によって焦げた額に――突き刺さった。

 その瞬間。


【福岡02ダンジョン45階層ボスモンスターを討伐したよ】

【討伐完了ボーナスとして『ビーム・ウェポン』スキルを獲得したよ】


 というアナウンスが脳内に響いた。






「くっそぉぉっ! 浅蔵たちに先を越されたかぁっ」

「はっはっはっは。まぁまぁ、そう落ち込むなよ芳樹」

「落ち込むなといいつつ、先に笑ってるんだもんなぁ。性格悪いよ浅蔵ぁ」

「翔太に言われたくないな」


 夜になって芳樹のパーティーを回収。地図を見ると偶然、俺が歩いた通路にいたのでピンポイント転移で迎えにいけた。

 三田さんのパーティーは44階へと上る階段に引き返しており、そこで合流。

 ボスのバフォメットは俺たちが倒したと知らせると、ここでも悔しがる姿が見れた。


「あぁ、悔しいなぁ。それで、どんなスキルだったんだい?」

「あ、まだ確認してなかった。名前からするとエンチャント系なんですけどね」


 ステータス板でスキルの確認をすると、案の定、エンチャント系だ。

 だが何をエンチャントしてくれるのか、いまいち分からない。それに物騒な説明が書いてある。



∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

【ビーム・ウェポン】

 某有名ロボットアニメのあれに似せたエフェクト効果をもたらす。

 暗闇では光ってカッコいいぞ!

 熱効果も付くので触ると危険!

 火傷しちゃうぞ♪

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽



 エフェクト効果ってなんだ!?

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