表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン暮らし!スキル【ダンジョン図鑑】で楽々攻略?  作者: 夢・風魔
第1章:ダンジョン生成に巻き込まれまして
11/207

11:ぷにぷにもみもみ。

「ここはどうですか?」

「ん……感じる」

「この辺、どうですかぁ?」

「そこ……感じてる」


 別に俺は女子高生二人と如何わしいことをさせている訳ではない!


 絶命したナメクジを放置して、セリスさんと大戸島さんの二人にぷにぷにされているのだ。

 腕を。


 血の掛かった部分が薄っすらと紫に変色していて、いろいろヤバそうにも見える。

 患部は卵大の大きさ。

 その部分は触っても何も感じない。


 どのくらいの時間麻痺するのか調べるために、右手でスマホ画面をじっと見ている。

 なので二人に患部の周辺を触って貰い、俺の方に触感があるか検証しているのだが……。


「浅蔵さんてぇ、毛、薄いですねぇ」

「そ、そう?」

「髪の毛はぁ、ふさふさだから良かったですねぇ」


 それは将来、俺の頭の毛が薄くなると言う予言ですか!?


「うぅん。紫色になっている部分以外は、全然麻痺してないみたいですね」

「みたいだなぁ。まぁちょっと痺れているような感じはあるんだけどね」

「この紫のぉ、まだ麻痺してますか?」

「あれ? 触られてるの分かる。もう少し触ってみて」

「はぁーい」


 大戸島さんがぷにっとしたり、つつぅーっと指を這わせたり――。


「こそば!」

「麻痺、回復してますね」

「何分ぐらいですぅ?」


 スマホを取り出して電源入れるまでの時間を考えても――。


「90秒かな。思った以上に短かった」


 とはいえ、これが敵に囲まれている時なら、死亡フラグ確定したようなもんだ。


「ここを出るときはぁ、ベニヤシールド必須ですねぇ」

「ベニヤシールド……」


 強そうでもあり、簡単に粉砕されそうでもある盾だな。まぁベニヤだし。

 ただ正直、この盾は大きすぎる。

 血液発射距離が1メートルしかないからな。棒を武器にするなら必要ないだろう。

 俺の鞭然り。


 その後、大量のトイレットペーパーとゴミ袋を用意し、ナメクジでのレベル上げに励んだ。


 そういえばこいつの体液……倒して暫くすると自然消滅するんだけど。俺のこのぬちゃぬちゃも消えるのだろうか?

 だからといって消えるまで待っていられるほど、生易しいぬちゃぬちゃではなかった。






「お風呂……入りたいなぁ」


 そんな大戸島さんの一言で、俺たちは今、風呂を用意している。

 といっても風呂釜は流石に無い。トイレと洗面台なら展示されてるんだけどな。


「ということで、ビニールプールです」

「おぉ!」

「あんまり熱いお湯入れると、ふやけそうだから生温いので我慢してね」

「はぁーい」

「そういえば浅蔵さん。お店の水ってまだ出ますけど、いつまで出ると?」


 店内の蛇口を捻ると水が出る。

 多少は下水管も一緒に取り込まれているのだろう。トイレだって使える。

 水の方はお店の裏手にある貯水タンクから流れて来ているのだろう。何日もつのか、正直分からない。


 食事や飲料用の水は、売り物のペットボトルのを使っている。

 ペットボトルの麦茶やウーロン茶もあるので、飲むのはなるべくそれを消費させていた。


「プール、小さい物にしたほうがいいですかねぇ」

「そうだな。大事に使わなきゃいけないもんな」


 着替えは店内から持ってきた。

 ホームセンターでも、衣類が少しだけ置いてあるからな。

 ただし中高年向けのデザインばかりで、若い二人には可哀そうだとも思う。

 まぁ汚れた物をいつまでも着ているよりはいいだろうけどね。


 バックヤード横の従業員用休憩室でプールを膨らませ、業務用の鍋でお湯を沸かす。

 プールには水を1/3ほど入れて、沸いたお湯を注ぎこんだ。


「二人は先に入って。俺、バックヤードに居るから」

「ありがとうございます。浅蔵さんの時、冷たくなるといけないから、お湯沸かしておきますね」


 入浴――というよりは、ただ体を洗うだけの行水に近い。

 セリスさんの案により、プールは二つ用意している。

 一つはお湯をはったもの。もう一つは空。

 何も入ってないプールで体を洗い、お湯を汲んでそこで洗い流す。

 そうすればお湯をはったプールが汚れずに済むから――だそうだ。

 汚れた水はトイレ用として無駄なく使う。


 バックヤードに戻った俺は、新しい鞭の作成に取り掛かった。

 今度は鞭の先端にカッターの替刃を仕込んでみようと思う。

 カッコいいだろうなぁ。

 ギラリと光るカッター付き鞭を、こう――ビシューッっと!


 うん。なんだろう。

 想像したら、自分の鞭で自分の顔を切る光景が浮かぶんですが。

 もしくは、華麗にキャッチした鞭が、手に刺さる光景。


「おぉ、これはいかん。自爆武器になってしまう」


 大人しくワイヤーウィップで我慢しよう。

 危険な妄想を振り払うと、休憩室のほうから乙女のキャッキャウフフな会話が聞こえてくる。


「セリスちゃぁん、くすぐったぁい」

「ちゃんと洗わなきゃダメっ」

「だったらセリスちゃんもぉ」

「やっ。じ、自分でやるから。あん、だめ……もうっ、変な所触らないでよぉ」


 ……ど、どこ触ったんですか!?


 こ、今度はどんな妄想をすればいいんですか!?






「浅蔵さん、お待たせしまし――た?」

「浅蔵さん、どうしたんですかぁ?」


 二人がどんな姿で行水しているのか妄想したら、困ったことになったなんて言えない。

 絶対言えない。


 あぁー。これから俺、二人が使った後のプールに行くんだぜー。

 ひゃっはー。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ