9/18
1-8.
1週間考えた末、結局答えも出ていない有様だ。
こんな事では悩み屋さんに合わせる顔もない。
と考えていたところで私は気付いた。悩み屋さんに話を聞いてほしいんだな、と。
その日私は、1週間前までは足を踏み入れることはないと思っていた晴海通りに再び踏み入れることへの抵抗がまるでなくなっていた。
19時。
一歩踏み出した晴海通りは以前来た時と変わらず、明るいのに暗い通りであった。
以前はただ怖いなと思っていた通りだったが、赤と黄色で無骨に書かれている看板が目に入った時。
懐かしさのような、まるでこの晴海通りに自分が居てもいいと言われてるような気持ちになった。
そこには年齢不詳のおじさん、悩み屋さんが先週と変わらず、若干変形してしまっているパイプ椅子に腰をかけていた。