さようなら異世界
「……ここは…俺の部屋?…俺の足は!!」
良かった…ある……当たり前か
「なんだ、やっぱり夢じゃねーか!はは」
さっきまでの恐ろしい出来事が夢だったとわかり
心底安心した海斗だったが、その声は震えていた。
「リアルすぎんだよ…異世界なんてあるわけないだろ…」
といいながら、仕事に向かった。
~〜~〜~〜~〜~~〜~〜~〜~〜~
「海斗~今日お前顔色悪いけど大丈夫かー?無理すんなよー」
そう心配してくれるのは同期の拓己だった。
「あぁ大丈夫。ちょっと変な夢を見てな」
そう、本当に変な夢だった。
俺が憧れていた異世界の夢
なんてことはさすがに言えなかった。
仕事中もあの夢のことばかり考えていた。
(ほんとリアルな夢だった。あの風景も、あの空腹感も、あの足の疲れも。…あの痛みも)
しかも、いつもなら夢なんてすぐに忘れるのに、すごく鮮明に覚えている。
あの痛みも思い出すだけで震えてくる。
(本当に夢だったのか?本当に異世界に飛ばされたのに呆気なく死んだだけだったとか?)
「ないわ、疲れてるんだ俺。」
「海斗~やっぱ疲れてんのか~」
今日は早く帰ろう。
〜~〜~〜~〜~~〜~〜~〜~〜~~〜
はぁやっと家に帰ってきた。
今日はなんだかやっぱ少しだるい気がする。
あんな夢を見たせいだろうか
もうあんな夢はコリゴリだ。
たしかに異世界には憧れていたが、もっとチート級の能力があったり、
夢らしくいくら走っても疲れないとか、お腹がすかないとか、痛くないとか
そんな夢だったら大歓迎だ。
いや、もう考えるのはやめてさっさと寝よう。
「異世界は、もういいや。」




