表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームの中で魔王から世界を救おうと思ったらジョブが魔王軍のスパイだった  作者: うちうち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/113

ステータスを比較してみよう

 アルテアさんが去った後、静かになった部屋で椅子の破片を片付けながら僕は考える。№7、僕の直属の上司と名乗った彼女はレベル250だった。おそらくだけど、この№って強さ順なんじゃないかな。ほら、よくあるよね、幹部の№は殺戮能力順とか。……でもそれなら、僕は№38だから、僕以下の強さのやつが12人いることになるんだけど……ホーンラビットに素で負けるようなのが12人。上級魔族は全部で50人だから、1/4がホーンラビットに負ける、それが魔王軍の精鋭戦力だということになってしまう。すごい無害な集団。これを殺そうと襲い掛かる499人の勇者ことプレイヤー。もうかわいそうな絵面しか浮かばない。ただ、さっきの感じだと上位陣が圧倒的に強いのかな、他にどんなのがいるのか知らないけど。そういえば森の奥のボスって上級魔族とは関係ないのかな?……魔物と魔族がどういう位置づけなのかがまだよくわからんね。明日の狩りである程度その辺も聞いてみようかな。






 そして、翌日の4日目。ユウさんとヴィートと合流し、今日の狩りについて詳細を決める。


「ごめんなさい、まずはその……レベルを聞いてもいい?それで今日どの辺に行くか決めましょう」


 なぜ聞く前に謝られたのかはともかく、戦力の把握は大事だしね。申告しようではないか。


「レベルは4です」


「えっ、マジで!?俺絶対レベル1だと決めつけてたわ、ごめん。だってウサギが倒せないっていうからさー。でもそれなら何とかなりそうだな、やるじゃん」


「もう、失礼ですよー。こう見えても私も日々成長してるんですからね」


「ほんと、それなら森にも行けそうね。あとはステータスを見せてもらえる?抵抗があるなら無理にとは言わないけど……できれば把握しておきたいの。もちろん私たちも見せるから!」


 アカン。抵抗はないけど、確実に支障はある。たぶん低すぎるから。


「ほんとはあんまり他人にステータスを見せるのは良くないんだけどな。まあこれはお前を信頼してる、ってことだと思ってくれ。それで、その代わりこっちも信じてほしい。それが組んで動くってことだと俺は思う……俺今いいこと言っただろ!?なんでちょっとジト目でこっち見るの!?」


 どうしよう、この流れで僕が断ったら信頼してないってなっちゃうし。うーん、でもステータスの低さも含めて把握してもらっておいた方がいいよね。別に表示だけ改ざんしてもいいんだけど、戦ったらすぐばれちゃうし。レベルは4だから、きっとプレイヤーに少しは追いついてるはずだしね!そして僕はステータスを2人に開示した。そしてとりあえず笑ってごまかしてみる。



〈ステータス〉

名前:サロナ

種族:人族

レベル:4

ジョブ:催眠術師

攻撃力:12(2+10)

防御力:16(2+14)

すばやさ:7

魔力:4

運:1

HP:4

MP:4



「……あっ」


「……これは……」


 2人は悲壮な顔をしながら僕の方を見て、この可哀想な状態に気づいていない相手に一体どんな言葉をかければいいのだろう、と心底悩んでいるような表情をした。とても気を使わせてしまっている!どうやらこの反応だと、たぶんプレイヤーに追いつけてないね。まあ冷静に考えればそうか。ちょっと過大評価しすぎた。でもレベルは普通に上がったし、これからの成長性に期待じゃないかな、レベル1のまま変わらないんじゃ大変だけど。


「レベルは4ですよ」


「いや、うん、わかってる。だから絶望してるっていうか、上がってこれなんだ、って思って……運の最低値って1なんだな……俺初めて知ったわ。お前なんでこのステータスなのに、開示するときちょっとドヤ顔だったんだよ……」


「こんな状態だったのに1人でいたなんて……」


 うーん、なんだか場を暗くさせてしまった。別に向き不向きがあるってだけの話だと思うんだけど。






 

 頑張ったらきっと何とかなりますよ!早く狩りに行きましょう!と笑顔で頑なに主張したところ、ユウさんとヴィートはなんとかショックから立ち直ったようだった。他人事なのに落ち込ませてしまって、なんだかすごく悪いことをした気がする。


「そうよね、本人が頑張ってる中、周りが諦めちゃ駄目よね」


「そうだな、任せとけ。お前が一人前になるまで守ってやるよ」


 2人はどうも大げさだよね。それと、なんか健気な人と思われてるっぽい。それ絶対勘違いだから。そうして、その後、2人のステータスも開示してもらった。



〈ステータス〉

名前:ユウ

種族:人族

レベル:9

ジョブ:剣士

攻撃力:39(19+18)

防御力:33(16+17)

すばやさ:18

魔力:8

運:15

HP:40

MP:7




〈ステータス〉

名前:ヴィート

種族:人族

レベル:8

ジョブ:僧侶

攻撃力:30(15+15)

防御力:27(12+15)

すばやさ:15

魔力:16

運:17

HP:30

MP:18



 ユウさんが前衛でヴィートが後衛か。プレイヤーのステータスにはどうもすぐ追いつけそうにない。やっぱりちょっと差があるなー。特にHPが差が激しい。問題はこの先々、このプレイヤーのステータスに合わせた魔物が配置されてるだろう、ってことだよね。HP4だったら一撃死かも。やはり、木に登る→幻覚→とどめ、の三段活用が安定か……一応事前に了解を取っておこう。


「戦闘中に突然木に登りだすかもしれませんが、気にしないでください」


「?……そうね、危なくなったら遠慮せず、すぐに避難してね」


 こちらの意図があんまり伝わっていない気もしたけど、こっちの戦い方は一度見せたらわかりやすいよね。周りに木がない時どうするかは、また考えよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
【推敲】 特にHPが差が激しい。 ⇩ 特にHPの差が激しい。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ