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探求者の記録簿(メモリーログ)  作者: Liis
守護者の鍵継承
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一人散策byアルス

 さて、こうして地下都市に向かった俺だが実際の所困っている。

 フロルは遺跡に居るだろうとおおよその見当がついているのだが、肝心の場所を聞くのを忘れていた為に路頭に迷っている。

 事実上場所を知っているのは、アリウム、フロル、バイブル、ハック位のものだ。

 遠くの人と連絡をとる魔法は俺は知らない。ドクターが作った発明品D^2デバイスがあれば連絡出来るのだが、俺は機械に疎いから貰うのを拒んでいた。貰っとけばよかった。

 そんなわけだから情報収集しなくてはならない。

 ここでの情報収集いったらバーが適任だろうからそこに向かうとするか。


 *

 今の時刻は昼間だが、バーは営業していた。早速中に入ることにしよう。


「いらっしゃい」


 マスターの声が静かな店内に響いた。

 こんな時間だからか客がいない。


「とりあえず座ってもらおうか」


 マスターに案内された椅子に腰をかける。


「聞くまでもなく用件がわかっているから最初に言おう。フロルとバイブルは遺跡に行っている。その場所を聞きたいと言われても知らないことは知らない。

 でもまあ、ヒントならあげられる。遺跡はこの都市の廃棄区画から行けるだろう。実際に繋がっている訳ではなく、地下深くに埋まったってしまった遺跡とたまたまY座標が一致したという偶然の産物だろう。

 他に知りたいことはあるか?」


「よく分かったな。もしかして名前使いなのか?」


「生意気な言葉使いはまるでアランの若い頃そっくり のようだ。私は間違いなく名前使いだ。名前はマトリクス・スピカ・ターレット・ファインド"略してマスターと日頃呼ばれている。

 私の能力は、マトリクスで"カクテルの作成"、スピカで"都市を維持している"、ターレットで"重火器の威力の制御"、ファインドで"都市を見張っている"」


「維持?」


「ああ、私がここまで強力な力を持っていながら保守協会に対処出来なかった理由がそこにある。

 この都市は経年劣化により崩壊寸前になっている。ある程度はハロルドのエンコードの力で植物のようにある程度自己修復できるように改変されたのだが、それでも一時しのぎに過ぎない。それを補うためには、莫大な量のMPが必要になる。

 ここの最下層には極端な言い方をすると強制労働施設がある。名目上は発電を目的に作られた場所だが、実態は念導エンジンを使って私の力を増幅させる為だけの施設だ。

 無駄話がすぎたな。

 行きたければ好きな場所に行くがよい。私はそれを手伝うこともしなければ、妨害する事もない。

 遺跡の場所はもう一度言うが、知らない。自分で考えてくれ」


 話しの内容は正直に言ってよくわからなかった。

 大地の遺跡は廃棄区画にあると言われたのでそこに向かうとする。

 *

 廃棄区画と言われるだけに、ここはかつて部屋だと憶測できるものが風化寸前の状態で残っていた。

 例えこんな場所の地図を貰ったとしてもやくにたたないだろう。


「ちょっと使ってみるか」

 

 俺はポーチからいつもの薬を取り出し口にいれた。


 「知りたい事は、大地の遺跡のありか‥‥」


 直ぐにイメージが脳内に浮かび上がった。

 遺跡はここから下に25m、南方28m先に存在している。しているが、道が存在しない。


「まさか、座標がずれたのか!?」


 これは困った事態になった。道がないと行けないとは言わないが、ここは崩壊寸前な場所故に、穴を開ければいいというわけにはいかない。

 考えるんだ。地中深くに埋没している遺跡にたどり着くにはどうすればいいか。本の力を借りるにはその場所に行ったことがないと行けない。

 待てよ、俺はアリウムに連絡を取ることが出来たんだ。フロルにも取れるはずだ。

 アリウムの時は水晶にエネルギーを送り込むことで一方的だが連絡を取れた。フロルと俺を繋ぐ物は何かあるか?

 あった。リンゴだ。リンゴは大地の聖霊由来の物体なので同等の能力を持っている。これをうまく使えば行けるはずだ。


「リンゴの起動方法ってどうやるんだ?」


 考えてみたが結局の所わからないまま時間が過ぎた。 

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