勝利に向けて
本来は地区ごとに敵を倒していくストーリーでしたが、次の章に行かないため、過程をすっぽかして執筆しています。
「成る程、それで戻ってきた訳か」
俺たちはハックに起きたことを伝えた。始めは驚いていたが、直ぐ納得してくれた。ハックは順応性が高すぎるな。ある意味怖い奴だ。
「私はで指名手配されちゃったからもうあっちにいけなくなっちゃったかなー」
ミチュールさんは犯罪者としてエンジニア実験地区ではWANTEDの貼り紙が貼られるぐらいなので、命を狙われている。
「この地区は今は俺の管轄だから、捕らえて牢獄にぶちこむような真似はしないが、これからどうするんだ?
俺が考える限りでは、方法は2つある。1つは、玉砕覚悟でエンジニア実験地区に行く。もう1つはリーダー格の人物をどうにかするかだ」
「リーダーと言っても、王族関係の誰かだとは思うけど……」
「リーダーの名前はエリックだ」
俺は名前を呟いた。
俺が知っている情報が夢じゃ無かったらこれであっているはずだ。
「エリックかー。確かその人物だったら管理監視特別地区に住んでるらしいよ」
以外にもミチュールさんはその人物を知っていた。
「じゃあとっと向かうです」
テクノは杖を持って部屋を出ようとする。
「ちょっと待ちな」
それをハックが止めた。
「センターパークは4つに別れた国のような物だ。文化や常識も違う。管理監視特別地区は正直言ってディストピアだ。全ての行動に法律が絡み、少しでも破るとあちらこちらに仕掛けられているショックガンに狙撃される。射たれても死にはしないが、気絶はする。気絶しているうちに衛兵に地下に連れて行かれる。そして二度と上には戻れない」
「地区全体が機械になっているですか?」
テクノはハックに尋ねた。
「ああ、その通りだ。何処に居ても監視カメラに睨まれていて、まるで生き物の体内のような居心地の悪さだ」
「このお飾りの杖が役にたつかも知れないです。機械を操る杖の出番です」
「流石私の娘かなー。頭なでなでしてあげようかなー」
「黙って聞くです。つまりは法律が厳しいと言うことですが、これは利用できると思うです」
テクノの作戦はこうだ。まずはエリックを見つける。これはクリスタのダウジングクリスタルを使えば直ぐわかる。
次に、エリックに法律を破らせる。
正攻法じゃあ絶対無理だが、俺達には特殊な術が使えるからこれを使って法律を破らせる。王族だから法律を破っても、ある程度は守られる。だからそれすらも破壊する。
大まかにいえばこんなところだ。邪道でもいい。それで人が救い出せるのならば、それでいい。外道には邪道でも挑む。時間だってそれほどない。
組織を潰すにはリーダーを潰すだけでいい。それ以外は必要ない。
「みんなそれじゃあ行こうかなー。打倒エリック。管理監視特別地区に向けて出発しよー」
ミチュールさんは手を前に伸ばした。俺達は手に手をのせた。
「「「「「「えいえい おー」」」」」」」
次回からこの章のラストスパートになります。エリックを倒す邪道な行為とはいったいなんなのか。そこそこ楽しんでいただけると幸いです。