覗き見
字の文は面倒だったのであまり書いていません。
「我に何なりとご命令を、何でもしよう」
新しく生まれた方の聖霊獣アルカミクスチャーが突然
「なんでも聞いてくれるのか?」
「さよう、我は聖霊獣。不可能を可能にする存在。つまり、偉大である。褒め称えよ」
何かむかつく。
「アルカミクスチャーには違いないけど、性格がまるで違うね。高飛車と言うかなんと言うか……」
「もう一人の我はまだ子どもである。
未熟な点は多めに見てもらえると助かる」
「さあ、我に何なりとご申し付けを」
「それなら着るものを用意してくれ。
男性用の服を頼む」
「心得たので候。アルス殿の着ている儀式衣装から作り上げてもよろしいか」
「私の服だけど、もう私が着ることができないからいいよ」
「では、リホームといくで候」
「いかがですかアルス殿」
「まずまずだな」
「おきに召されないとな?」
「いや、そうじゃない。デザインと機能性は良いのだが、常に濡れているのが気持ち悪い。どうにかしてくれ」
「我は聖霊獣であります。本来なら土地から離れられない存在である。しかしながら、それでは我は無能の極みでござる。故に、移動できる方法を用意したのでござる。アルス殿の服に宿る事によって我はMPを吸収して存在を保っている。代案を用意してくださればそれに従わんでもない」
「の力が必要なとき俺が水を生み出すから最小限の大きさになってくれ。その上で宿る先は、俺自身だ」
「かしこまりマスター」
「誰か入ってる?」
ヤバい、クリスタだ。ここを見られるわけにはいかない。
「アルカミクスチャー透明化だ」
「御意」
ふう、これでひと安心だ。
「今のところ私が入っているよ」
「我もはいっておる」
「おっ温泉じゃないかなー。みんなで入らないかなー?」
「私は遠慮するです」
「恥ずかしいのかなー。でも、関係ないよー」
テクノはミチュールによって身ぐるみを剥がされた。
「何するですか!! 変態、変態、変態」
「グヘヘヘヘ、母さんにもっと体を見せてごらんよ」
「あれじゃあ、筋金入りの逝かれ変態だよ。いくら再会してから3日目だと行ってもやりすぎだよ。アルカミクスチャー頭冷やさせて」
「我はあまり気が乗らんのだが、やるとするか」
ミチュールに向けて冷たい水が発射された。
「うう……。寒い」
「助かったです」
なんやかんやあって彼女らは温泉に入った。
「こうしてみるとみんなでかいですね」
「大丈夫? おっぱい揉む?」
「イラつくからやめるです」
「テクノの年齢だとそんなもんじゃない?」
「年齢と言っても当てにならないです。母さんは何歳ですか?」
「125歳ぐらいかなー」
「アリウムは何歳ですか?」
「私の年齢と言われても、どっちを答えるべきか……。聖霊人アリウムとしては生後3ヶ月ぐらいだね。オリジナルの私から数えて217歳だよ。ついでに、アルカミクスチャーは200歳だよ。もっとも、私は旧文明時代生まれだから、生まれから数えると生誕200年どころじゃ無いけどね。
そういうテクノは何歳だっけ?」
「11歳です」
「私が11歳の時は、アルカミクスチャーはまだアルカリ・ミックスという名前で、私にしか見えない存在だったで、周りの人から不気味がられていて、誰も相手になってくれずに寂しかったんだよ」
「今は、私達が居るです」
「こうして仲間がいる幸せを感じられるのも、アルスが私を復活してくれたおかげだね」
透明化している俺は少し照れ臭くなった。
「いけない、アルスの身ぐるみ剥いだまだだった」
「姉さん、変態行為はやめるです」
「流石に、それはやり過ぎかなー」
「それなら、問題ないよ。私の古い服あげたからね」
「女装したアルスかーハァハァ。また写真撮りたいなぁ」
「姉さんキモいです」
「そのアルスは今何処にいるのかなー?」
「アルスなら真横に居るよ」
おいおい、何を言ってんだ。ばらしちゃ透明化した意味がないじゃないか。
「ダウジングクリスタル起動。対象はアルス」
クリスタは首飾りを使った。こいつは、ありとあらゆるものの場所を示す道具だ。透明化した俺でも、存在がばれてしまう恐ろしいものだ。
「どうやら本当みたい」
首飾りから延び出ている光は俺を示した。
もうばれてしまったものは仕方がない。
「アルカミクスチャー透明化解除」
「心得た」
俺は元の姿に戻った。
「すまんな、アリウムに呼ばれて一緒に温泉に入っていたんだ」
「それがアリウムからもらった服?」
「ああ!」
なぜだか知らないが、クリスタはショボくれた顔をした。
「がっかり」
「正直言ってアルスの隠れかたはバレバレです。色の着いた温泉で透明化しても、不自然に見えるだけです。次は上手く隠れるです」
「怒っていないのか?」
「そもそも私達が乱入しただけです。
それに、姉さんと母さんの変態行動に比べれば覗き見何て可愛いものです。実害はないですし。
でも、裸を見られるのは恥ずかしいです……。早く出ていって欲しいです」
テクノは小さな胸を手で隠しながら呟くように言った。
俺は、幼女を辱しめる趣味はないので落ち込んでいるクリスタと、恥ずかしく顔を赤くしたテクノと、余裕顔の残り2人のもとを去った。
「この温泉何か違和感を感じるです。何かしらのエネルギーを感じるです」
「それは今アルカミクスチャーが温泉に溶けているからだね」
「エネルギーだって? いいこと聞いた。スピンセレクターに蓄えていいかなー?」
「我は別に構わんが……何に使うんだ?」
今回は内容的にギリギリを攻めたので、表現に問題があったら報告をお願いします