対話
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書き直しました
全くひどい目にあった。
自分から蟻地獄に入り込む事をしていたのは知っている。見慣れない物だから少し警戒心を持つべきだった。
寄り道はそろそろやめてドクターに会いに行こう。
本来の部屋の部屋に戻るとドクターが何かを作っていた。
「ドクターちょっといいか?」
「珍しいなアルスがここまで来るのは」
椅子を回転させてこちらを向いた。
「珍しいも何も同じ樹木に暮らしているじゃないか」
「まあ、こんな所に来たのには何かしらの理由があるのだろう。座りながら話そうではないか」
ドクターは折りたたみ式の椅子を開いた。
俺はクリスタに言われたように診察をしてもらった。
「体には異常なし。何か他にしてほしいことなどはあるか」
俺は右手に持っている本について聞こうとした。
「ドクターこれを見てくれ」
ドクターに本を渡すと興味深く本を眺めた。
「ほうずいぶん懐かしい本だな。これは村長から渡されたのか?」
「ああ村長からいきなり渡された」
「あの村長がこの本を渡すとは意外だな」
「この本を渡されてから変わった事が起きた。本が光ってそれを見ていると気を失った。
変わった場所の夢を見た」
「その夢のことを聞かせてくれないか?」
俺は夢の中で起きたことをできるだけ細かく伝えた。
「そうか。私から言えること一つは、巫女様は実在する」
「本当かい!!」
驚きのあまり、声をあげてしまった。
「それと巫女様にはあまり関わらないほうがいい」
「どうしてだドクター?」
理由はドクターは語った。
「巫女様には1つの超能力を持っている。
それは触れたものの歴史を見る能力だ。
歴史を見るとは実際にその歴史を経験することだ。
この能力はその物の作られてから今に至るまでに周りで起きた出来事全てを知ることができる。
巫女様が図書館で暮らしているのは記録の歪みを修正するためだ。記録の修正は歪みの生じてから数時間以内にしかできない。
現在は巫女様にしかそれができない。
だからむやみに会いに行こうとする事は遠慮したほうがいい」
歴史を守るとはそういう意味だったのか。
「そうか教えてくれてありがとう。それと聞きたいことがある」
「なんだい息子の頼みとあれば何でも答えるよ。今作っている発明品の事か、それなら」
「その話はまた今度にしてくれ。
隠し部屋にある穴について聞きたい、落ちてひどい目にあった」
「なんとあの穴に落ちたのか、もしかしてあの力を使ったのか?」
あの力とは何のことだかわからないが、あれは別物だろう。
「あの力って何だよ。俺はあの穴は何だと聞いているのだ」
「そうか、どうやらあの力は使ってないようだ。それならいい。あの穴は勿論ただの穴だ。
昔から樹木にあった穴だ。少し長いだけのな」
長いというか樹木の長さをはるかに越えていたぞ。
「ちょっと待った。そんな穴の存在を知らなかったぞ」
「それもそうだろう。いつもはフタをしているから、今日はうっかり開けたままにしていたよ」
「ところであの穴は何なんだ」
「あえていうならゴミだめだ」
なんてことだ。
まさか俺が落ちた穴がゴミだめなんて凄いショックだ。
ゴミだめぐらいフタしておけよドクター。
「今いろいろな意味で頭痛くなったから下に戻る」
「もう一回穴に落ちるか?早く下に戻れるぞ」
「もう二度とゴミだめに落ちるなんてごめんだね」
こう言い残して、俺はドクターもとを去った。
「やっぱり真実を伝えた方がいいのではないのか?」
PCの画面に向かって私は語た。
「それはダメだ。彼には早すぎる、どうしても必要になってから伝えるべきだ」
今はある方と連絡をとっている。
「やっぱりそうですか」
今回初登場のドクターの名前はアラン・A・レコードです。
この作品において、アルスだけが巫女様について詳しいことを知りません。