苛立ち
firstlibraryはアルス・A・レコードの所持している書物で、一度体験した術などを自動で書き込まれる(じっさいはちがうが)特殊な本で、彼はかかれている術ならば本来のめんどくさい過程を省いて、発動できます。
ギギギ‥
あまり使われない扉がうねりをあげて開いた。
ここがセンターパークか、名前しか知らない場所に入った。俺はそこで初めて見た物は大きな鳥だった。
グウェ~ グウェ~
率直な感想は気持ち悪いと思った。
それも一体ではなく複数いた。
ハック「ここは、農場主に人工植物を栽培している。そこの鳥はワーニングバードと呼ばれ、雑草や害虫を食べたり、イレギュラーが発生したら鳴き声で周囲に伝える。今のは侵入者を報告する声だ。グウェ~の数が人間の部外者の人数を表す。
アリウムとアルスは人間だとは認められなかったようだ」
苛立ちを覚えた。あの鳥のバカズラに対しても、相手にもされなかったことにも、俺は苛立ちを隠しきれなかった。
俺は思わずポーチから俺自身の本のfirstlibraryを取り出していた。
クリスタ「いったいなにをしようとしているのか分かっているの!?」
クリスタが俺の腕を掴んだ。
アルス「ええい、あの顔を見るとむかむかする。こんなのは生まれて初めてだ。やる、やってやる」
彼女の手を振り払って本をめくった。以前と比べると目次に地名が二つ追加されてた。地底都市とセンターパーク;ハンター育成地区と記されていた。今はこのイライラを発散しなくてはいけない。
今使える術は、
・ウィンドパージ
・霊媒
・ボルテックスハンド
・ブレイズショット
・アクアメイク
・ソウルアーマード
・データリンク
・禁断の秘術 Pの名の解放(使うと肉体が消滅する)
以上だ。
奴をやるのにはどれがふさわしいか感情で考えよう。
奴は鳥だから焼ければきっとイライラを吹っ飛ばすような薫りがするに違いない。本のブレイズショットの項目に手を触れて叫んだ。
アルス「ブレイズショ………」
ハック「止めんかー」
ドスッ
術が発動する前にハックの力を込めた肘が突き刺さるかのように腹に思いっきり当たった。
アルス「痛い………」
俺は地面に倒れてうずくまった。
ハック「こうでもしないとお前はやめなかっただろう。あの鳥は食糧でもあり、あれに危害を加えると10頭単位でこっちに襲いかかってくるぞ。あの鳥は強くはないが、ここの住民が武器をもって押し寄せてくるぞ。こんな事になったら旅の目的の人を救う事と真逆の紛争が勃発するが、もし覚悟があるのならもう止めることはしない」
アルス「そんなことになるならしない………」
腹部の痛みが続いている。
ハックはここ出身の人だからハンターなのだ。つまりは戦闘のプロ。その一撃は優しいものではなく、破壊力を秘めている。だから、重い。
ハテノ村出身は腕っ節はあまり強くない代わりに特殊な力を使える。
たとえどんな力を持っていても腕っ節が強くないから総合的な力で負けてしまう。
村長のハロルドは逆に特殊な力を使わずに己自身が強くなるように努力してマッチョになっている。
クリスタ「ねえ、大丈夫?」
アルス「痛みが引いてきたから問題ない」
ハック「動けるなら移動する。俺の拠点に行くから付いて来い」
ハックの拠点
ハック「汚いが気にするな中に入れ」
アリウム「お邪魔しまーす」
ハック「靴は履いたままで構わない」
ハックの拠点はツリーハウスだった。
窓際には双眼鏡とボウガンが置いてあった。
絨毯もカーペットも何も無く、床は泥で汚れた家だ。
ハック「これがハンター育成地区の予想地図だ。予想地図だから現実にあったり無かったりする」
いくつかの地名や建築物が載っていた。
農場
高階級武術場
ハンター育成地区統合センター
一般青年育成場
特殊青年育成場
エンジニア実験地区ゲート
自然体保護地区ゲート
管理監視特別地区ゲート
今いる場所は農場の近くの林のなかだ。
次回はハンター育成地区の人々の繋がりが描かれる予定です。