城壁
ミチュール「皆はよく眠れたかなー」
フロル「ふぁああ~眠い~」
クリスタ「テクノは私がいなかったけど寂しくなかった?」
テクノ「寂しいわけがないです。いないといっても隣の部屋です。大げさです」
各人で色々なことを経験した長い夜を明けて日が昇る時間(シェルター内のため確認はできない)になった。
アルス「なかなか寝つけなかった」
俺は睡眠不足気味だ。
バイブル「もしかして夜何かをして眠れなくなったんだろう」
テクノ「なんかってなにしていたですか?」
バイブル「それは紳士の秘密だ。嬢ちゃんには教えれない」
アルス「なにが紳士の秘密だよ。バイブルさんの鼾がうるさくて眠れなかったんだよ。ハックはよくあの鼾の中で眠れたな」
ハック「あの程度の音は鼾とは言わない。お前は神経質すぎる。あれぐらいは普通だ」
アルス「鼾自体昨日初めて聞いた。違う今日初めて聞いた」
クリスタ「アルスは男の人と同じ部屋で寝た経験がないんだから仕方がないよ」
テクノ「私達と一緒に寝たことはあるですけど」
ハック「アルス、おまえはいったいなにしているんだ?
もしかしてアリウムとも寝たのか?」
アリウム「私はアルスと寝たことはないよ。もしかして何かあったと思った?
君も変態だねー」
何気ない会話がしばらく続いた。
ミチュール「じゃあね、バイブル。巫女になったフロルをよろしく」
バイブル「フロルの世話はいつもしている。今更いうまででもない。俺はバイブルだからな」
会話を終えて俺達はシェルターに入った時に使った出入り口にむかった。
シェルターの出入り口は、エレベーターになっている。地上からは見つけることは至難の業だ。大きな筒を延ばさないとエレベーターは地上まで辿り着かない。
筒を延ばすのには特殊な手段が必要らしいが、ミチュールさんは以前と同じように腰につけた銃を天井を向けた。
ミチュール「打ち出すものは運動エネルギー、放て力ある限り!」
ゴゴゴゴゴ
鈍い音が響いた。シェルター内だから音が反響している。
ミチュール「動きよ止まれ、真実の名の下に」
音は完全に消えた。
それに乗って地上に戻った。
~地上~
アリウム「ふー、いい空気」
ミチュール「それじゃあ、センターパークに向かおう」
一定の方角に向かって進む。特に会話をすることなく前進した。
~センターパーク前の門~
目の前には非常に大きい、それはそれは大きな城壁が存在していた。
威圧感というべきなのだろうか、分厚い壁の向こうから力を感じる。
ハック「センターパークと言っても、一つの大きな都市ではない。どの地区に行くつもりなんだ」
ミチュール「私達は行く地区はエンジニア実験地区」
ハック「俺が住んでいた地区はハンター育成地区だから隣の地区か。南口から入るには俺のふるさとを経由する必要がある」
ミチュール「へーそうなんだ」
ハック「地区こそは違うが同じセンターパークで暮らしていたんだから知っていてもおかしくはないはずだ」
ミチュール「私はワームホールを使って移動してきたから実際の土地関係は知らないなー」
アルス「ワームホールがあるのならなぜ使わずに歩いてきたんだ?」
ミチュール「ワームホールは開けたら閉めないといけない。これは悪用を防ぐためにかかすことのできない決まり事。閉じれないなら破壊しないといけない。私が地下水脈に行くときに自動で破壊するようにセットして、木っ端みじんになって使えない。あまり自分で作ったものを壊したくはないけど、生き延びる為にはこれしかなかったからなー」
ハック「ここにいても仕方がない。俺が案内するから中に入ってくれ」
鋼鉄の扉を開けて中に入った。
次回はハック・イノセントの故郷のハンター育成地区の紹介をします。




