我が恩人のもとに
久しぶりの投稿です。
作品の舞台をシェルターにしたら、一向に終われなくなり、シェルターに入ってから作品内時間が1日経っていません。
私はナチュルハードクレイの背中に乗り、アルカミクスチャーを追っていた。
フロル「ねえ、急に走り出してどこ行くのアルカミクスチャー」
私の声に対して返答がなかった。
{我が代弁しよう。我の友のアルカミクスチャーは恩人のアルス・A・レコードからの頼みを聴き、今、彼等のもとに向かっているのだ}
フロル「私はてっきり、ずっと隣にいる青年が大切な人だと思っていたよ。一体アルスは何をしたのかなかな?」
(その問いには我自身が答えよう)
アルカミクスチャーが私達に背を向けながら語った。
(アルスはアリウムと我を復活させたのだ)
フロル「復活と言うと、さっき私がやったみたいに、供物を捧げたのかなかな」
(アルスは供物を我に捧げたのだが、本人はそのことを知らない。いや、気がついてはいないのだ。厳密に言うと、我の神殿に入るときに気を失い、その時に彼のMPが神殿に流れこみ、それが供物となったのだ)
フロル「あなたが復活した後にどうやって亡くなっているアリウムと融合したのかなかな」
(それは、アルスがアリウムを霊媒して、accesssouls(アリウムの書)とアリウムの魂そして我を一つに束ねたのだ」
フロル「それで聖霊獣のあなたが聖霊人になったんだ。それにしても、実在しないはずの霊術を使うなんて本当に人間なのかなかな?」
私の中の好奇心が高ぶってきた。
物を知ることに対する欲求が私を興奮させてきた。
(アルスは人間では無い。我と同じ聖霊としての特徴を持ち、禁断のレコードをみることができ、一度体験した術であるのならどの様な術でも使うことができ、尽きることの無いMPを持っている。そのような者が人であるわけがない。それに、アルスはアリウムと同じく死人なのだ)
フロル「彼は一体何者なのかなかな」
(アルスは、管理者とチノ遺跡の巫女(P)の息子だ)
次から次ぎに、私の知らなかった情報が頭の中に染み込んでいくようだ。
好奇心が爆発しそうだ。
ダメ、ダメ、こんな事ばっかりしていると、誰も居なくなってしまう。久しぶりに私とだいぶ近い人に出会ったんだもの。
こういうときは、あの思考をしよう。
確か始めに今やっている事を止める。
次に今の状況を見つめて直して、それに対して対処を考える。
今は、アルスのもとに向かっている。
周囲を見渡すと、人が居る
人に見られている。
フロル「ねえ、ナチュルハードクレイ?」
{我が主どうなさった?}
フロル「シェルターにいる人に見られているよ。それって問題ないのかなかな」
{巫女としての使命は覚えておるな。巫女は信仰を集めないといけない。信仰とはつまり、存在を認めさせることにある。我を信仰しているのは現在のところ3人しかいない。聖霊としての力を発揮するには、もっと大勢の人々に存在を認めさせないといけない。信仰が少なくても、地脈のエネルギーを使うこともできるが、土地が荒廃してしまう。人間がいないと我は存在を許されないのだ
見た時点で存在するものだと想われ、人が人に伝える。その連鎖によって強大な力を振るえるようになる}
私が納得して自分から巫女になったものの、まったくなりきれていない。
フロル「私って巫女としての使命を全うできるかなかな?」
{我がついている。心配はいらない}
話をしている内に、とある倉庫前についた。
(ここにアルスが居るはずだ)
私達は入り口の開いた倉庫の中に進んだ。
次話は、テクスチャによって正気を失っていたミチュールが復活します。