部屋探しその1
私の考えはこうだ。逃げたくても、住処や食料が無いため逃げることができない人がいる。逃げれないから殺されてしまう。だから、限られた人しか入れなく、存在に気がつかれないこのシェルターに目をつけた。私の別荘もここにある。住心地は当然良い。
ただし、馬鹿みたいに値が張る。全て中古物件だというのに。
それには理由があり、ここは地下シェルターで広さが限られている。増築する事は不可能。それと修繕はほとんどできない為、部屋が減っていく、減る度に価格が向上する。誰も売らないために需要と供給の関係は、150:1となってしまっている。
テクノ「やっぱり高いです」
ミチュール「そうなっちゃうかなー」
今は空き家を回っている。
どれも、畳4畳ぐらいの部屋なのだけど、80億シェルターマネーもする。
ようは古代遺跡を購入する価格なのかな。この値段では誰も買うことができない。センターパークマネーでは買えない。
誰も買えない部屋を買えるための救済処置は、一つだけある。
それは、カジノだ。
軍資金があれば増やせる可能性がある。
でも、基本的に当たらないようになっている。イカサマを見破れるならディーラーの財産を手に入れることができる。住居を持っているのならば莫大な金額が手に入る。最も、そんな事がありえるとは思わないけど。
テクノ「あえて、広い家を買い、多人数が暮らすのはどうですか?」
ミチュール「シェアハウスかな。いいと思うよ。よく思いついたね。流石私の娘だねー」
私は娘にホッペスリスリをした。
テクノ「やめえるです」
私が近づかないように手をのばしてきた。なんだか照れを感じた。
テクノ「今は家を探すです。これは後にするです」
娘と楽しみをしているところに、バーの中にいた男?が近づいてきた。
?「お二人さんは家を探しているのですかな?」
バイブルの言っていた正体不明のカメラに映らない人間だ。姿を隠すとは何か理由があるはず。
ミチュール「ええ、大勢が住める家を探しているところかなー」
?「左様ですか、ならば是非ともみてもらいたい部屋がございます。どうぞ、此方へ」
男?について行こうとしたときに、テクノが私の上の服の裾を掴んだ。
ミチュール「どうしたのかなー」
テクノ「違和感を感じるです。あの人を視ていると違和感を感じるです。まるで、外側と内側が違うみたいです。それに、凄く動作が女性ぽいです。もしかして、伝説の性別を超越した人ですか?」
ミチュール「テクノ、そういうことは自分の中で思うのは良いけど本人の前ではいわない方が良いかなー」
?「お二人さんどうかしましたか?」
ミチュール「いえ、何でもないかなー」
男?に連れられてある部屋の前に来た。
その部屋はシェルターの入り口のように見えた。
テクニカ「申し遅れました。わたくしはテクニカと申します。以後、お見知りおきを。目の前に見えますのは隔離研究所でございます」