別行動
ガチャ
目の前の扉が開いた。
アリウム「皆、中入って」
俺たちはいわれるままに少女の部屋にぞろぞろ中に入った。
バイブル「さて二人の会話が終わったことだからこれからどうするか」
フロル「私はアリウムと遺跡を行きたいな」
ミチュール「私は保守協会から人々を守るために移住できる場所を探そうかなー」
さて、俺はどうしようか。
どちらかについていくのもいいだろう。でもなんだかいやな予感がする。
あのイメージがやはり気になる。
ミチュールを一人にしておくとあれが起きてしまう気がする。
ハック「俺はアリウムについていく。アリウムを守るのは俺の役目だ」
アリウム「どこまでもついて行くなんてやっぱり君も変態だねー」
テクノ「私はミチュールについて行くです」
ミチュール「流石私の娘かなー。でもお母さんってよんでほしいかなー」
テクノ「ここでは言えないです。場所を弁えろです」
クリスタ「私は~」
早く決めなければ、どちらについて行っても片方に問題が起きる気がする。
クリスタ「アルスと一緒にこのシェルターを見て回りたい」
予想もしていなかった。
第3の選択肢が出現しようとは。
バイブル「お嬢さんはそんなにここを見たいのかい」
クリスタ「私のわがままでアルスを村から出さないようにしていたから、アルスにはもっと世界を一緒に見て歩きたいの」
俺が旅について行ったのは保守協会の件もあるのだが、色々な世界を見てみたいということもある。
バイブル「お熱いな、青いが成熟している。お前さんはどうする?」
アルス「勿論その案に乗った」
バイブル「俺は案内するためについて回る。それとここは地下つまりは裏だ。表とは少し違う闇の部分だが本当に行くのか?」
アルス「構わない。表と裏と言っても、表裏一体。二面性の内の二面両方を見ることこそが大事なんだ」
バイブル「OK、これで誰が何をするか決まった。アリウムとフロルとハックは遺跡調査に、ミチュールとテクノの親子は空き家探し、俺とアルスとクリスタは観光に行く」
少し内容が違う気がするが、まだアルコールが残っているのだろうか。
とにもかくにも俺たちは一時的に別行動をする事となった。
「あたいはどうしようかね。聖霊獣が復活してしまうのは避けたい。でもあたいの任務は集団のリーダーにコイツを飲ませて正気を保てなくすればいい。ミチュールとか言ったかあの女。綺麗だねー。潰したくなるぐらいに」
俺たちはバイブルに連れられてカジノにいた。
アルス「どうしてここなんだ」
まさか俺たちから金を巻き上げてまたギャンブルをするのか。でも、俺もクリスタもお金は持っていない。使い切ったとかそういうことでなく、始めから持っていないのだ。俺たちのハテノ村は壁に完全覆われていて他の村からの交流がいっさいない。完全自給自足に暮らしていて、2世帯しか人が居ないため、貨幣制度は消滅している。それと道具類はハロルドとドクターがタダで全て作ってくれるため仮にお金が存在していても使う場面が存在しないのだ。
バイブル「世界の裏を知るのはリスクが高い。そこで一番安全なのはカジノなんだ。ここは夢が集まる場所であり、嘘や不正の温床でもあり、人が全てを失って絶望し破滅する恐ろしいところだ。基本的に先立つものは金だ。お前ら金がどういったものか知らないからカジノで金の大切さを知れ」
クリスタ「でも、カジノで使う軍資金がないよ」
バイブル「先立つものは金よくわかってるじゃねえか。金を手に入れる手段は4つある。1つ目は貰う、2つ目は働く、3つ目は何かを売る、4つ目はリスクを背負う。今回は俺がお前らにあげよう。ありがたく受け取れ」
俺とクリスタはそれぞれ1000シェルターマネーを渡された。
バイブル「その金の価値は1日分の安い部類の食料相当だ。金が無くなるとは飲み食いできなくなるというところ、つまり死を意味する」
このコイン2枚程にこれほどの重みがあるとは思わなかった。
アルス「旅の仲間はこの金の持ち合わせがない」
バイブル「心配はいらない。遺跡組は何も口にしなくても平気な奴らだけだ。偶然にもな。空き家組は金を持っている。お前らは使い切らなければいい」
カジノのカウンターに行くとレートがかかれていた。
バイブル「カジノと言っても現金を使って勝負をする事は出来ない。トークンかチップのどちらかに交換する必要がある」
レートは1トークン20マネー、1チップ100マネーだった。
バイブル「ちなみにトークンは機械とギャンブルをして、チップはディーラーとギャンブルをする。
大きな違いは機械か人かそれだけだ。
機械はプレイヤーがイカサマは出来ないのだが、一定回数やると必ず勝つことができる逆に言えば貢がないと勝てない。ただし、今までに投入されたトークンの70%だけしか出てこない。
ディーラーの場合は対戦して勝てばかけた数以上が帰ってくる。だが、ディーラーはゲームの性質を誰よりも知り尽くしている。かける数が多いと勝利する事はなかなか出来ない。さあどっちにする?」