遺跡の守護者
書き直しました
巫女様と呼ばれる少お手伝いさんが俺を少し見た瞬間、こっちに向かって走ってきた。
「巫女様、今すぐにその男から離れてください」
通路から緑色の長い髪が印象的な女性が現れた。
年齢は俺と同じぐらいだ。
この女性が、少女が言っていたお手伝いさんなのだろうか。
確かめるために少女の顔に目線を向けた。
「おい、そこの下衆。今すぐその醜い顔をこっちに向けろ」
まるでゴミを見るかような目で睨みつけられた。
それと出会って数秒で人を下衆呼ばわりとはなんて奴だ。
「醜いとはなんだ!
それにこっちを睨むのを止めろ。
俺はこの子と話をしていただけだ」
口が悪かったのでこちらも口を悪くして話を返した。
「問答無用、成敗してくれる。」
女は自身に身につけている鞄から翡翠のような見た目オーブを取り出した。
右の手の平にオーブを乗せてこちらを睨みつけて言い放った。
「神聖な場所に入り込める正体不明の者よ。貴様の化けの皮を今すぐ剥いでやる。
大いなる太古より伝わる伝承の下に汝の心を晒させてもらう」
「ウィンダ違うのこの人は私の‥‥」
少女が止めに入ったらが女性の行動は止まらない。
オーブを乗せた手をこちらに突き出した。
すると建物の壁、床、天井から文字が浮き出て、オーブが文字を吸い込んだ。
「汝は、何者なのか?
汝は、どこから来たのか?
汝は、何をするために、ここに来たのか?
図書館の力を持ってして全てを暴く!
守護者の名の下に!」
彼女が呪文のようなものを言い終わると辺りに竜巻が発生して、俺を呑み込んだ。
「うわあああああ」
怪我はないが、体が引き裂かれるような痛みが体中を駆け巡った。
「ゲホッ」
とてもじゃないが、耐えきれるような痛みではない。
このままでは訳の分からない場所で殺されてしまうのか。
どんな末路は絶対に回避したい。
どうすればいいんだ。
「アルス呼び出して、今すぐに出でよfirstlibraryと言うの早く」
少女の言うとおりに叫んだ。
「出でよfirstlibrary」
天井が眩い光に照らされた。
その光の中にはfirstlibraryが見えた。
俺はもてる限りの力を振り絞りfirstlibraryをつかんだ
そして本を開いた。
やはり何一つ書き込まれていない。
何にも役にたたないじゃないか。
あきらめかけていたその時白紙のページに文字が浮かび上がっているように見えた。
ウィンダとかいう女性が出した術が本に吸い込まれて術名として浮き上がった。
それと同時に竜巻が自然消滅した。
「うぅぅ、貴様一体なにをした。」
バタッ
本に術名が完全に浮かび上がるとウィンダとかいう女は体力がつきたかのように足をふらつかせ床の上に倒れた。
「流石なの、アルス。ウィンダを気絶させるなんて」
助かった。この本が無かったら今どうなっていたことやら。
「いや、俺は何かをした覚えはない。ただ、君の声に耳を傾けただけだよ」
「今は、分からなくても問題ないの。
その内分かるようになるの。
人生は、経験が物を言うの」
俺はふと床で倒れている女の子が気になった。よくよく見ると年齢は俺とあまり大差がない用に見えた。
なぜだか知らないが罪悪感が心に残った。
「それより、今気絶したのは、君のお手伝いさんだよな。
こんな所に倒れたまま放っておいても大丈夫なのか」
「気にしなくてもいいの。すぐに目を覚ますの」
罪悪感なんてものは一気に消し飛んだ。
「君が言うなら問題はないだろう」
我ながら薄情な奴だと思う。
「それより俺はハテノ村に戻らなくては、クリスタが心配しているに違いない」
「じゃあ、firstlibraryを開いて」
「こうか?」
ペラペラとfirstlibraryをめくるが先ほど浮かび上がった文字以外は何も書かれていない。
「そのページじゃなくて、目次を開くの」
「何も書かれていない本に、目次があるのか?」
「あなたの本なのに知らないの?」
「これは、今日村長から渡された本だ」
「それは知っているの、。でもこれはあなたの本なの。あなたがあると思うなら目次もきっとあるの」
「白紙の本、つまりはノート目次なんてあるわけが‥‥」
表紙をめくった後の1ページ目に文字が書いてあった。
さっきまでは絶対になかった。
どういうことなんだと俺は思った。
目次には2つの場所の名前が書いてあった。
ハテノ村 チノ遺跡
「チノ遺跡ってどこだ?」
「今いる場所の名前なの。
村に戻りたいなら、その本の目次を開い
てハテノ村と書いてある場所に触れるの」
少女の言われるがままに文字に触れた。
すると周辺に先程見たような竜巻が発生してを俺を呑み込んだ。
「うわぁぁぁ」
竜巻に飛ばされて天井にぶつかった。
また目の前が真っ暗になった。