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探求者の記録簿(メモリーログ)  作者: Liis
保守協会の謀略
43/109

水晶の名

 ゲートの出口に光が見えた。

 もうじき、ハテノ村に到着する。


 ドス


 体に振動が行き届いた。

 さて、俺の到着した場所はいったいどこだろうか(ハテノ村であることは無意識にわかっていた)

 1人用のベッド、大きなカーペット、無駄に広い部屋(R10mの円を描くような部屋)ここはどこだか一目でわかった。

 アルス「俺の部屋だ」

 天井を見上げると花のようなシャンデリアが変形して中央に穴が開いていた。

 ハック「お前の部屋にこんな仕掛けがあったのか。知らなかったよ」

 アルス「いや、俺も初めて知った」

 ミチュール「アルスは昔使ったはず、忘れちゃったのかな。」

 アルス「どうやらそのようだ」

 ミチュール「私はひさしぶりに、実家に戻ろうかな。君達は、恋人に早くプレゼントを渡した方がいいかな」

 アルス「ドクターはまだ帰ってこないのか?」

 ミチュール「アランならD^2を使って、樹木の最上部に戻ったよ。ついでにdimension driverの事だからD^2とは」

 ミチュールは、そう言った後部屋を飛び出した。

 アルス「こちらも行くか」

あ ハック「おう」


 女性陣がいる場所はハックの話を聞く限り、エンコード宅にいるそうだ。

 ちなみに俺は何故水晶が必要なのかまだ知らない。ハックも知らない。

 実質、女性だけの秘密になっている。


 エンコード宅

 ハック「アリウムいるか?」

 一切の躊躇なくドアを開けた。

 住んでいる住民も限られているため、あける音だけで誰がきたのかわかる。

 防犯対策は皆無だが、セキュリティーとしては太古の昔にあったとされるマンションや更に遡り城の防犯と同じなので、全く問題がない。

 ハロルド「孫たちは作業場にいるぞ」

 アルス「どうも村長お邪魔します」

 俺達は作業場に向かった。

 ハロルド「青年達を見ていると昔を思い出すのう。ワシとアランとミチュールあともう一人Pもいたのう。今ではワシだけ老いぼれになってしまったが本来の年齢順なら、ミチュール P アラン ワシの順番なのだが、彼らにも苦労はあるだろう。

 なにせ、この世のことわりに手を触れしまったしまったからのう。アルスもあの一族だからいずれ触れることになるだろう。いや、存在そのものがことわりに触れているのかもしれない」


作業場

 アリウム「へえ、クリスタはアルスのことが好きなんだ」

 クリスタ「そんなことないよ。ただ、私がついていないとダメなんだから。アルスはよく後先考えずに行動して怪我をするんだから。実は昔私のせいでアルスに大怪我をさせてしまったことがあって、それから私はアルスがまた怪我をしないように見守ってるんだ」

 アリウム「でも、アルスの身体を見ても怪我をしたあとなんて1つたりとも見つからなかったよ」

 テクノ「それは当たり前です。なにせアルスは1度……」

 ハック「水晶持ってきたぞ」

 部屋に入ったのはいいが、どうやらタイミングが悪かったようだ。

 引き下がる訳にはいかないためこちらの話を進めた。

 アルス「水晶はこれでよかったか?」

 俺はポーチから透明の柱を取り出した。

 クリスタ「まさかこんなに大きいものを持ってくるとは思わなかったよ。これだけあればあれが作れる。これをこっちに渡してくれるかな」

 クリスタは水晶に手を触れた。

 クリスタ「何色にも染まらない大自然が生み出した神秘よ、今 友を呪縛から解放するための力を蓄え新たなる姿に形を変えよ。真実の名の下に」

 1本の水晶が糸のように細くなり宙を舞った。クリスタの指先が動くと水晶も連動して動いた。

 クリスタ「命繋ぐ為に糸を紡ぐ」

 部屋の大きな装置から服が排出された。

 クリスタ「異なった存在そのものを現実のことわりから解放する」

 服に糸が絡み出した。

 クリスタ「エンコードの名の下に合成させる」

 2つの物が1つとなり輝かしい服が作り上げられた。

 クリスタ「まだ余ってるからいろいろ作ろう。残りの柱を8つに分けて、5つは放出用に、3つは吸収用に」

 柱が砕けて8つと化した。

 そのすべては体につけるアクセサリーのような形となり、床に落ちた。

 クリスタ「ふう やっと完成したよ。これさえあればアリウムも村を出歩くことができる」

 アルス「いったいなにを作ったんだ?」

 クリスタ「これは、アリウムのために私が作った服。特殊な水晶を編み込んでいるから、破けても自己再生したり、動きに合わせて形が変わったりする特殊な服だよ。

 ここにあるアクセサリーのうち3つはエネルギーを吸収するものでいかなる汚れた地域からでも高純度のエネルギーを生み出すことができる。アリウム2つとアルスに一つあげる」

 アルス「こんなもの貰ってもどうすればいいんだ?」

 クリスタ「首に掛けていればいいよ。アルスにはMPが多いらしいから。残りの5つは3つが吸収したエネルギーが蓄えられるようになってる。

 これさえあれば数日前みたいに倒れることがなくなり、一緒に出かけることも可能となる」

 この言葉を聞いてアルスは思った。

 都合が良すぎる。

 今まで村を出ることが難しかったというのに、自分自身が何もしなくても着々と準備が周りがしてくれる。

 まるで歯車と歯車がかみ合って自分を起点として回り出しているようだ。

 クリスタ「説明は終わったから、部屋を出てくれるかな。服の調整を行うから」

 部屋から閉め出されてしまった。

 ハック「どうしてお前は追い出されて喜んでいるんだ。もしかして、ドMなのか?」

 アルス「違うそうじゃない。俺達が持ってきた水晶のおかげでアリウムが村を出ることができる。一緒に旅ができる。これを喜ばずにはいられるものか」

 ハック「アウトドアドアが好きなのに壁で囲われて実際のところ、インドアを強いられていたのか。それにしても外はあまり良いものとはいえないぞ。

 空気は悪い。汚い。人々が互いにいがみあっていて、希望あふれるものではないぞ。井の中の蛙のままでいた方がいいのかもしれない」

 アルス「俺は世界を知りたいんだ。世の中の光と闇を見てみたい。探求者に俺はなるんだ」

 ハック「そこまで言うのなら俺は止めない」

 ハックの同意を得ることができた。

 後はクリスタとテクノとアリウムだ。

 一番の難所はクリスタだ。

 昔俺に大怪我をさせてしまってから危ないことを禁じてきたからだ。

 だが、俺自身はその怪我の事は知らない。数年前の事らしいが一切憶えていない。傷跡も一つもない。自分自身でも本当にあったのか疑わしい。

 まずはアリウムから説得をしよう。

 この世のことわりとは、世界のルールです。

 ルールに干渉する事は普通できません。

 もし触れたなら、人ではないものとなったり、謎の力によって体を蝕まれたりします。


 真実の名と呼ばれる術は名前に秘められた力を使う術です。

 特に苗字の力は強大で、今まで先祖が使えた術の集大成で連発する事はできません。

 名の力は1つの事に特化していますが、使えるタイミングが限られています。


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