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探求者の記録簿(メモリーログ)  作者: Liis
守護者の日々
3/109

動き出す歯車

この話も旧1話の内容を分割して書き直したものです。

帰り道ではクリスタが俺の右手を握って離そうとしなかった。

 

 「もう子供じゃないからそんなことしてもらう必要はない」

 

 クリスタの手を離そうとしてもびくともしなかった。


 「そんなこと言っても、また村から飛び出してどっか行くでしょ」

 「信用されていないのか」

 

 「そんなことないけど。いつも私の心配を知っても、なお勝手に出て行こうとするのは何か特別な理由があるんじゃないの?」


 初めてこんなことを聞かれた。

 「クリスタだけには特別に教えてもいいかな」

 

 俺もクリスタには心配をかけたくはないのでせっかくだから理由を彼女に述べよう。最近浮かび上がるイメージについて全てを。


  「頭の中に何か分からないイメージが湧き上がってくるんだ」

 「イメージ? どんな?」

 

 「知らない子が、俺を呼んでる」

 「周囲のイメージに何が見える?」

 

 「青い空、白い雲、生い茂る草花、そして遺跡。

 例えるのならばまるで夢の中みたいな景色みたいだ」

 「だいぶ前に見た夢なんじゃないの?」


 「夢だとは思えないぐらい精細なイメージだった」

 「じゃあ現実なんじゃないの」

 

 「それは分からないけどその子を見つけたいて聞きたいことがある」

 

 「誰なのか分からない、顔も分からない人をどうして見つけたいの?」


 「昔一緒に暮らしていた人と同じのような懐かしさを感じたんだ。多分昔の事も知っている」


 俺には幼い時の記憶があまりない。俺がまだ幼いときにはハテノ村にも大勢の人が住んでいたそうだ。


 「その人はどんなところにいると思う?」

 「それは、ここではないどこか遠く、人が踏み入れる事が出来ない神聖な場所。きっとそんな場所にいる」


 「(同じ場所に来る?私のいる場所に行きたいの?)」


 どこからかともなくイメージと同じ声が聞こえた。


 「今何か聞こえなかったか?」


 クリスタに話しかけたらきょとんとしていた。

 

 「私は何も聞こえなかったよ」


 「気のせいかな」


 そう思ったがまた声が聞こえた。


 「(気のせいじゃないよ。こっちに来るの。アルス・A・レコード。真実の名を持つ者)」


 謎の声がそう言うと村長からもらったfirstlibraryが輝きだした。

 そして本が開き、目次に文字が浮かび上がった。

 

 「なんだ今の現象は?」

 驚きのあまり、本を落としてしまった。


 「どうしたのアルス? 急に本を落として」


 クリスタはこの現象を見ていなかったようだ。

 落ちた本をしばらくみていると頭がクラクラしてきた。

 視界が段々とぼやけてきてたっていられなくなり、膝を地面につけた。

 まるで、本の中に吸い込まれる用に意識が遠退いて目の前が真っ暗になった。

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