憂鬱な時間
今回はテクノ視点の話です。
ハテノ村の秘密が少し明かされます。
「アルス、アーン。」
「止めろ恥ずかしいから。」
アルスと姉さんはいつも通りです。
「アリウム、もっと君の事教えてくれ。」
「私の事を知りたいなんて、君も変態だねー。」
最近住民になったアリウムとハックは、ずっとあれを続けているです。
「あーいやになるです。
こうも見せつけられるといやになるです。」
なぜ、この少女が不満に思っているのか。
それは、住民のバランスが問題だ。
現在の住民は、ハロルドとアランとアルスクリスタとテクノとアリウムとハックの7人だ。
割合は男4に女3だ。
数値上はそうなのだが、それハロルドとアランは大人だから、この場合数に入れない。
男2に女3となる。
男は、女といちゃついている。
他の言い方をすると、パートナーがいる。
過程をすっぽかして言うと、遊び相手が居なくて暇を持て余しているのだ。
「住民が増えて、村が賑やかになると思っていたのに、かえって静かになったです。誰か相手してくれないですか。」
(じゃあこちらに来るの。)
しばらく忘れていた杖から声がきた。
「巫女ですか。
そういえばまだ会ったことないです。
そっちにはどうすればいけるですか?」
(少し待つの。今ゲートを開くの。)
意識が揺らいだ。
(初めてはきついと思うけど、何とかして耐えるの。)
意識を失った。
目が覚めると見たことのない遺跡にいた。
「やっと目が覚めたの。初めてお目にかかれました、巫女というの。」
「こちらこそお目にかかれて光栄です、テクノと申すです。
ここはどこですか?」
「ここは、チノ遺跡世界中の情報という情報が自動で集まる場所なの。
過去の事は勿論、未来のことも少しはわかるの。」
「遺跡というのに、随分と立派に機能しているです。」
「遺跡の整理は殆どウィンダにやってもらっているの。そういえば、どうしてここに来ようと思ったの。」
「話し相手が居ないからです。」
「昔文献で読んだボッチってやつなの。」
「ボッチじゃないです。幼すぎて、話相手が居ないだけです。」
「じゃあ、私が相手になるのー。」
巫女に連れられて、図書館の中に入った。
「なにしたいの。」
「そうですね。ハテノ村の歴史について知りたいです。」
「ちょっと待ってるの。ウィンダどこにいるの。」
「お呼びでしょうか巫女様。」
部屋の吹き抜けから飛び降りて現れた。
「ハテノ村に関する書物を持ってきて欲しいの。」
「了解しました。
ところでそちらのお嬢さんは友人でしょうか。」
「念話仲間のテクノなの。」
「よろしくです。」
「承知しました。今すぐお持ちします。」
ハシゴを登って探しに行った。
「ウィンダはお手伝いさんなの。」
「さいですか。」
「アルスは元気なの?」
「それはもう侵入者を説得して、住民にするぐらい元気です。」
「何も変わってないみたい。」
「何かいったですか。」
「何もいってないの。」
些細な会話をしている時に本を取りに行った彼女が現れた。
「お持ちいたしました。どうぞ、これをお使いください。」
「ハテノ村それは、ハテノ・インバータによって作られた村なの。
ハテノは、ガラパゴスの種と呼ばれるものを世界中に撒き、聖霊獣のいなくなった地域の地脈を安定させてきたの。
ハテノ村ではガラパゴスの種が育って、樹木になっているの。」
「果てじゃないですか。」
「違うの、hateの方なの。
ハテノの活動が保守協会に目を付けられて世界中に、ハテノを恨め すべての元凶はこいつのせいだということを常識の1つとして植え付けたの。」
「思いっきりハテノの所為にされているじゃないですか。」
「記録というのは今の事を未来に伝えるためのものなの。
だけど、記録も曖昧なものなの。
人によっては同じ事でも違って見えるの。
そのために、この図書館があるの。
限られた人しか入れないから、改変されることがないの。
仮に改変されたとしても、それを私とウィンダが正すの。
すべてを元に戻す。
こうして、歴史が守られているの。
テクノも、改変はしないようにしてほしいの。」
「そんなことはわかっているです。
今日はつきあってくれてありがとうです。
また、来てもいいですか。」
「暇だったら、いつでも来ていいの。」
「またお越しになさってください。」
今日はいろんな話を聞いたです。
そろそろ家に帰るです。
入り口はこっちですよね………。
「どうやって帰るですか。」
「それでしたら、こちらの世界で意識を失えば戻れます。最近来たものは自分のアイテムを使って、自分の世界にお帰りになりました。テクノ様はアイテムをお持ちでしょうか。」
「今は持ってないです。」
「仕方がありません。ゲートを使いましょう。どうぞこちらへ。」
ウィンダに連れられて、頑丈な扉がある部屋につれてかれた。
部屋の下には大穴が開いていた。
「ここに飛び込めばハテノ村に戻れます。」
穴の深さはわからない。
どこまでも続いている。
「次お越しになるときはアイテムをお持ちになってください。
ではお気をつけて。」
穴に飛び込んだ。