イノセント
ハックという人物は、家に閉じこめておいた。
そろそろロープを調べ終わっているはずだ。
クリスの家に、戻った。
「ドクター何かわかった事があったか?」
「色々なことがわかった。」
ドクターにはサイコメトリーの能力が使える。
「ハックと名乗る青年の本名は、ハック・イノセント。
この村に来た理由は、保守協会に聖霊獣が復活したから調査をする事を頼まれたからだ。
詳しいことはD^2デバイスに記録してある。」
D^2デバイスを渡された。
「このデバイスは、通信機と多彩な計測器が1つになったものだ。」
デバイスの情報を確認した。
「特に村に危害を加える事がないだろう。」
「いや、ここを見てくれ。
保守協会と関係を持っている。」
「そもそも、保守協会ってなんだ。」
「保守協会とは、旧文明時代に戦争が起きてその時に、これ以上争いを広げないために行動を起こした団体だ。」
「良いことしかしていないじゃないか。」
「ただし、行動が過激だった。
地域を荒らし回って、村人を殺し回って、恐怖で支配した。
この村では、村人を水巫女に仕向け、聖霊獣を封印させた。
すべての聖霊獣が村に危害を向けている1
訳じゃないのに、共存している村もあるのに、己の正義の為に何をしてもいいと思っている。」
「そんな連中の中に、ハックがいるのか。」
「できるなら彼を説得してくれ。
彼はなにも知らない。
いいように使われているだけだ。」
「彼は、そこまで悪い人には見えない。」
「ならどうするのだ。」
奥から、ハロが現れた。
「もう隠れていなくてもいいだろう。クリスとテクとアリと一緒に彼をこちら側に引き込んでくれ。この村に侵入できたということはただ者じゃない。」
練習場にやってきた。
水が湧き出していた。
「おーい聞こえるかー。」
「聞こえているよー。」
「水を抜いて欲しいのだが。」
「慌てない、慌てない、少し待っててねー。」
水が半固体状になって、左右に集まった。
「どうしたんだい。もしかして私に会いたくなったのかなー。
君もなかなかの変態だねー。」
「その物言いだと、俺がストーカーしてるみたいじゃないか。」
「ごめんごめん。」
「なにしてるですか。」
テクが現れた。
「彼は、まだ家にいるかな。」
クリスも現れた。
「彼なら家に閉じこめておいた。
このD^2デバイスを見てくれ。」
「何々、保守協会から調査にきた。
聖霊獣の調査およびに、村の調査。」
「彼は聖霊獣の調査にきたけど、樹木の事には何も知らない。
村長に彼を仲間に引き込めと言われた。
保守協会は危ないが、彼はあくまで頼まれただけだ。
新しい住民として迎えよう。」
「本人はどう思ってるかな。
強制することはできないよ。」
「今から、彼に会いに行く。
ここにいる全員で。」
「本気?」
「勿論。」
「仕方がないです。」
「じゃあやろうか。」
「お客様いや、ハック・イノセント少し話をしようではないか。」
「なぜ、真実の名を知っているんだ?」
「ロープを調べさせてもらった。
お前の名前はハック・イノセント。
保守協会から頼まれて村の調査にきた。」
「ロープ一つでここまで調べれるとは随分素晴らしい文明があったんだな。
いいこと聞かせてもらった。
協会に、報告させてもらう。」
「やはり、協会についてなにも知らないんだな。」
「何だと。」
「お前の言う素晴らしい文明がなぜ今のようになったか知っているか。
聖霊獣を封印させたからだ。」
「聖霊獣を封印すれば村を守れるのではないのか。」
「確かに聖霊獣は村を荒廃させるが、全ての聖霊獣がそうとは限らない。
共存のできる聖霊獣もいる。
入ってくれ。」
「どうもどうも、聖霊人のアリウムです。」
「彼女は、聖霊獣と人間の中間の存在だ。彼女のように、村に危害をもたらさないものもいる。」
「知らなかった。聖霊獣は危険なものだと思った。
もっと聖霊獣について知るために、村に住んでいいか。」
「喜んで。」
「私が行かなくても大丈夫だったね。」
「そんとそうです。」
「そういえば自己紹介がまだだった。
アルス・A・レコードだ。
よろしく。」
「ハック・イノセントだ、こちらこそよろしく。」