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探求者の記録簿(メモリーログ)  作者: Liis
守護者の日々
24/109

オリジナルスポーツ

「皆本題を忘れているです。あくまで今日は親睦を深めるためにゲームをしているです。」

「そういえば。」

「そうだったね。」

「私と仲良くするためにやってるんだったねー。」

「さっきやったゲームは、最悪です。

お互いに銃で撃ち合うなんて親睦を深めるどころか、逆に関係を悪化するもとです。

すっかり忘れていた。

このゲーム機は、アリウムとの親睦を深めるためにドクターが貸してくれたものだ。

殺伐としたゲームをするなんて、前提からおかしい。

「そこでやるゲームはスポーツゲームです。」

「スポーツゲームをするなら、シミュレーションじゃなくて現実でやるのが一番だと思うなー。」

「このスポーツは現実ではできないです。」

テクノが考えたスポーツいったいどのようなものなのか、内心興味があった。

「2人2組のチームをつくって、玉を打ち合うです。」

「まるでテニスみたいだねー。」

「テニスじゃないです。ラクロスのスティックに、アメフトのゴールを電子機器を組みこんだものを使うです。

ルールはお互いに玉を打ち合って相手のゴールに入れるか、相手に当てるとポイントが一点入るです。

合計3点入ったらそのチームが勝利です。」

「面白そうだな。」

「それなら大丈夫そう。」

「長年生きてた私からしても、新しいことは大好きだよ。」

「では、始めるです。」

小さい手をゲーム機の上に載せて呟いた。

「ゲームを始めるです。」

景色が変わった。

今度の舞台は、屋内競技場だ。

「スティックの機能を説明するです。

スイッチが2つあるです。上のスイッチは網になるです。

下のスイッチは、近づいた玉を吸い込むです。

デフォルトは、反射です。これを使うとスピードが2倍になるです。

次は玉の紹介をするです。この玉は立体映像です。

当たっても何も起きないです。

チーム分けは、アルス・アリウムとテクノ・クリスタです。

じゃあ始めるです。」

試合が始まった。

先行は、テクノが打った。

「私に任せて。」

アリウムが、体から水を出して玉を弾き飛ばした。

「アリウムボディー、テクノ・クリスタチーム1点。」

審判の声が聞こえた。

「エーなんでなんで。」

「水はアリウムの体の一部です。体に当たると1点とられるです。」

「今までのゲームと違い聖霊の力が使えないのか。

ちっちゃいのによく考えたものだねー。

変な小細工使えないようだから、これからは、本気でやるよ。」

「テクノも凄いね。ちゃんと対策も考えているなんて。」

「当然です。」

今度はこちらからの番だ。

クリスタめがけて放った。

「私を狙うなんてなかなかいい考えじゃないでも、私に見えない玉はない。」

クリスタはスティックで打ち返した。

こちらにやってくる。

同じく、スティックで打ち返した。

オウム返しのようにラリーが続いた。

「いけない、これ以上速くなると。」

アリウムの警告を無視してそのまま続けた。

クリスタが網に変形させて、ボールを上に飛ばした。

「テクノゴールに飛ばして。」

準備をしていたように、テクノが上にジャンプしたそしてゴールめがけて打った。

まずい、速すぎて見えない。

「ゴール、テクノ・クリスタチーム1点。合計2点だー。

後1点で勝利だー。

アルス・アリウムチームもう後がないぞー。」

「アリウムちょっと話がある。」

「なになに、どうした。」

「このままでは、負けてしまう。」

「そのようだね。」

「点を取られた理由は、聖霊に触れてしまったからと、俺がアリウムとの連携がとれなかったからだ。

だから、作戦を考えた。

聞いてくれ。

まず、前衛と後衛に分ける、俺が前衛でアリウムが後衛だ。前衛は、まず玉を打って相手ゴールに飛ばす。

相手が打ち返したら今度は網に変えて打ち返す。

網はスピードを変えずに、向きだけを変える。相手が油断したところで、スティックでゴールに飛ばす。

後衛は、うまくスティックを使って、ボールの軌道を前衛にずらす。

こうすることで、打ち損なうことがへる。」

「作戦にしては、失敗しやすいね。

ほんとにこんな作戦で大丈夫か。」

「失敗するときはそこまでだ。

大丈夫俺を信じろ。」

「了解。」

「作戦タイムは終わりそう。」

「今終わったところだ。」

「じゃあ、再開するです。」

俺はスティックでボールを打ち出した。

「さっきと同じ戦法は通用しないよ。」

「わかってるよそんなことは。アリウム任せた。」

「ハイハイ、任されたよ。」

相手に気づかれないようにスイッチを押した。

ラリーが続く。

「テクノお願い。」

さっきと同じ戦法で来た。

「これでゲーム終了だよ。」

きた、読んだとおりだ。

「いくぞ、アリウム。」

「okアルス。」

ボールの軌道は下にずれた。

どんな動きになっているのか、容易に想像できた。

「ゴール、アルス・アリウムチーム1点。

これは凄い、まさかの快進撃だ。」

「やったーやったよー。」

「よくやってくれた。」

お互いに抱き合った。

「いったいなにがあったんだろう。」

「わかったです。スティックの機能は基本一度に1つしか使えないです。

それを2人のスティックの向きをシンクロさせることで2つの機能を同時に使ったです。」

「それってつまり。」

「スティックの方にボールがいき、必ず打てるです。」

「2人の息があっていないとなし得ない技だ。十分親睦が深まったじゃない。

私達姉妹も負けていられないです。

「今の作戦はもう警戒されて使うことができない。

次の作戦がある。

今度がアリウムが前衛だ。」

「私が前衛、君も思い切ったこと考えるねー。」

「このゲームの参加メンバーの中で、一番素早く動けるのはアリウムだ。

まず、相手のボールがくる。

そこでスティックではなく、網で適当な場所に打ち返して欲しい。

そうすると、いくら息のあった姉妹でも連携がとれなくなる。

連携がとれなくなったら、アリウムは後衛に移って、ボールをあえてゴールの横に向かって打つ。

それを俺が、なんとかして軌道をゴールに向けさせる。」

「そううまくいくかな。」

「大丈夫だ。さっきの試合で、確証が持てた。」

「君を信じるよ。」

抱き合ってるふりをして、次の作戦を伝えた。

「まだ1点とられただけだから。いくよ、テクノ。」

「わかったです。姉さん。」

また試合が開始された。

相手の前衛が、テクノに変わった。

ボールの応酬、お互いに網を使っている。

「これはまずい。」

合計2回以上スティックでボールに打ち返さないと、ゴールまで届かない。

こちらがスティックで打ち返すと、相手が

斜め上に打ち返されて、ゴールに入れられてしまう。

これにはスティックで吸い込むことができない。

「ふふふ気がついたようね。

この競技が一体どのような物だと。」

「アリウム作戦変更だ。俺が前衛をやる。

「どうして急に。」

「このラリーを続けても勝ち目がない。

後ろに下がって天井にボールを当てるんだ。」

「それじゃあゴールに入らないよ。」

「これから言うことをよく聞くんだ。

ここは屋内競技場だ。

屋外と屋内の大きな違いは壁があるかどうかだ。

壁にボールが当たると、跳ね返る。これを利用するんだ。」

「よくわからないけどやってみるよ。」

ボールが壁に着く他のスポーツならそこで仕切り直しになるが、これは違う。

思いつきで作られたゲームだ。

細かいルールは存在しない。

それに、実際の道具はこんなにも機能がついてはいない。

今使える機能は、反射と網と吸い込みだ。

アリウムが後衛に移って、ボールを打った。

それを邪魔するように俺は網で覆った。

「なんでこんなことするの。」

「速度をあげるためだ。

スティックで速さが2倍になった玉を、網を重ねて、スティックに反射する。

それを繰り返すことでどんどん早くなる。

それはラリーをする事で生み出される速さを凌駕する。」

どんどん速くなっていく、もう肉眼ではとらえることができない。

「なんて無茶なことを。」

「勝つためには技能が必要だ。

しかし、技能を持たないものが勝にはルール、道具、場所これらをすべて活用するしかない。」

「いけーーーー。」

2人で力を合わせたボールがはなたれた。

「ゴール、アルス・アリウムチーム1点。

合計2点だー。なんという技だー。

このゲームをフルに活用した反則に近い技だー。これはもう、テクノ・クリスタチームまさかの敗退かー。」

「逆転勝利も夢じゃないねーアルス。」

「アリウム、もう新しい作戦がない。

最後の試合は2人が臨機応変に行動するしかない。」

「大丈夫、もう息が完璧に合ったんだから。」

こちらの連携プレーは完璧だ。

後は、あの姉妹とどちらが勝かそれだけだ。

「ゲームのルールを逆手にとられて、今や、敗北寸前だよ。」

「相手の連携技はすべて、私達姉妹でもできるはずです。

いま思いついたです。

スティックの機能の吸い込みを一度も正しい使い方をしていないです。」

「そういえばそうだったね。実際に使うとどうなるの?」

「スティックの中に吸い込まれて勢いを失うです。

振ると、最低限に速度で打ち出されるです。本来は、ボールの見えないときの救済処置として用意したですが、こちらも悪用して使うです。」

テクノがクリスタの耳元で何かを囁いた。

「わかったよ、今までで一番えげつないと思うけど、勝つためにやるよ。」

最終試合が開始された。

クリスタがゴールめがけて打った。

「いきなりは届かないことはわかっているはずだ。」

アルスは打ち返した。

「じゃあいくよ。」

「やるです。」

互いのスティックを近づけてスイッチを押した。

あれは吸い込むスイッチだ。

ボールがテクノのスティックに吸い込まれた。

クリスタは、テクノのスティックの射出口に自分の射出口を重ねた。

「これで、私達のどちらがボールを持っているか。」

「わからないです。」

さっきこちらのやったことを参考にしたのか。

互いのスティックの中を移動している。

ボールはそこまで早くないが、不意打ちをされたら終わりだ。

「そーれ。」

ボールが天井に打ち出された、天井なら大丈夫、いや大丈夫な訳がない。

いくら遅くても、実際のボールは落下時に加速するが、これは違う。なにがあっても一定なのだ。

吸い込んだところで、軌道が変化ほとんど変化しない。

長時間壁を跳ね返っているどんどん跳ね返って、ゴールの方にやってきた。

「アリウム、聖霊の力を使うんだ。」

「でも使えないはずじゃなかったかな。」

「違う、ボールに触れたらいけないだけだ。心理作戦にはまるな。

水流で上に行って、吸い込むんだ。」

「打ち返すとじゃなくて、吸い込むの?」

「いま打ち返すと、どこに飛んでいくかわかったもんじゃない。」

「この一瞬で考えつくなんて、ずいぶん観察しているんだねー。」

ボールを捕まえた。

「下に落としてくれ。」

落ちてきたボールの速さは、元の速さより遅い。

打ち返したところで距離が足りない。

よく考えるんだ。

このボールを相手ゴールに入れるにはどうすればいいのか。

速さを上げるには打ち返すしかない

さっきみたいに、加速させることもできない。

ルールを確認しよう。

このゲームは作られたばかりで、ルールに穴が多い。

ルールに従う限り問題がない。

待てよ、1人が持つスティックの数に制限がないこれだ。

「アリウム、スティックもこっちに投げてくれ。」

アリウムがスティックを放った。

スティックとボールが当たり、加速していく、あれよりは遅いがゴールには届く。

俺はそれを両方網で打ち返した。

ボールとスティックが引っかかり、まるで一本の槍のようになった。

「ゴール、アルス・アリウムチーム1点。

合計3点。優勝はアルス・アリウムチームだー。

「イエーイ私達の勝ちだー。」

アリウムが喜びを表した。

「負けちゃったね。」

「ゲームというものは改良を重ねることで完成する。デバッグをしなかったのがまずかったです。」

背景が元に戻った。

「じゃあ、最後はアルスの番だね。

君はどんなゲームをするんだい。」

「そうだな、誰もが平等に遊べるゲームがいいな。」

「なら、トランプゲームはどうかな、太古にあったとされる、52+aのカードで4種の模様と13までの数字が書かれているカードを使うゲームだよ。

このゲームには、頭を使うゲームが多いんだって。カードだけ出してみるよ。」

手をかざしてカードを取り出した。

「このカードには1枚だけ、魔術師がかかれているんだ。大体これを持っていたら勝ち負けが決まるんだ。」

「面白そう。」

「こっちにも見せるです。」

「はいどうぞ。」

「魔術師が戦況を変える不思議です。」

「どんなゲームがあるのか分からないから変わりにデータを送ってくれ。」

「了解ー。」

ゲームをやろうと思ったこのときあることが起きた。

「ゴーンゴーンゴーン。」

外で鐘の音が鳴り響いた。

「誰かがこの村に侵入した。」

楽しくゲームをしているときに何者かが村に侵入しました。

村を守るために彼らが行動を起こします。

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