水晶の狙撃
「私の番か、どんなことをしようかな。」
「私にいい考えがあるよー。
FPSってどうかな。
銃でお互いに打ち合って、戦闘不能にしたら勝ちってやつ。」
「それって痛いでしょ、いくらシミュレーションでも、テクノには怪我をさせる訳にはいけないな。」
「それならルールを変えればいい。」
ふと頭にアイデアが思い浮かんだ。
「どう変えるのかな。
あんまり変えすぎると別のゲームになってしまうよ。」
「とりあえず、話を聞いてくれ。
使用するのは光線銃だ。
これで戦う。
特殊な服に光が当たると、その箇所が動かなくなる。
体の両腕、両足の計4カ所または、頭に1回当たると戦闘不能、要するに負けだ。
最後の1人になったら勝ちだ。」
「私の知っているfpsには、他にも剣や、爆弾があったんだけどなー。」
「剣はサイリウムで、爆弾はレーザーボールにしよう。」
「だいたいどんなものかわかった。
これなら危険がないね。
アルスはゲームデータを送って、私は場所データを送るから。」
俺とクリスタの手を重ねて、叫んだ。
「ゲームスタート。」
景色が変わった。
場所は古代都市ベガスのようだ。
手には光線銃、腰にはサイリウムとレーザーボール2つがあった。
「hey you!今日はこのゲームに参加してくれた愉快なメンバーを紹介するぜ。。」
空を飛んでいる飛行船のディスプレイから音が聞こえた。
「本日のメンバーは、真実の探求者アルス、変幻自在のアリウム、洞察力のテクノ、そしてこのゲームの主催者クリスタだーーー。
では、ゲームを開始する。3 2 1
スタート。」
ゲームが開始した。
まずはアリウムを倒そう。
ゲームに慣れたら、聖霊の力を使って、手のつけられなくなる。
「ここに誰かいるのかなー。」
アリウムの声だ。まだこちらに気がついていない。
足を打って仕留めよう。
銃を足めがけて撃った。
「グッ。」
見事命中だ。
後は、腕を撃ってクリアだ。
「今誰が撃ってきたの?
フーン、アルスが撃ってきたの。
少し、サポートしてほしいな。」
足が動かないはずのアリウムが猛スピードでこっちにやってきた。
これはまずい。このままではやられてしまう。考えるんだ、考えるんだ。
今使える道具は、銃と剣とレーザーボールだ。銃は警戒しているから避けられる、剣は聖霊の力を使っている今は使えない、レーザーボールも同じく同じく使えない。
聖霊の力には勝つことはできない。
倒すには、聖霊の力を使わせてはいけない。
待てよ、いい案が浮かんだ。
アルスはレーザーボールをまず投げつけた。
「ガード、ガードして。」
レーザーボールに気をとられている間にアリウムの背後に回った。
「終わりだ。」
頭をめがけて撃った。
「や、やられたー。」
アリウムは倒れた。
「注意を引きつけてからの一撃見事だったよ。汚いけど。」
「アリウムも、聖霊の力を使うなんて思っていなかったよ。」
「もうやられたから、腰の道具持って行っていいよ。」
「大事に使わせてもらう。
こんなところに倒れているのは危ないから安全な場所に運んであげる。」
「いいよそんな、私には聖霊がついているのだから。」
「えんりょうなんかするな、このルールを作ったのは俺だから。」
動けないアリウムもお姫様抱っこした。
「動けないことをいいことにこんなことをするなんて、君も変態だなー。」
「そんなこというと、道に置いていくぞ。」
「冗談冗談、君に体を預けるよ。」
ベンチの上にアリウムも寝かせてこういった。
「次は、テクノを狙ってくる。」
アルスは、道に消えていった。
「全く優しすぎるんだよ君は。」
次のターゲットはテクノだ。
テクノは自分の体の小ささを生かして、どこかに隠れているはずだ。
上から光線が降ってきた。上か!
上には誰もいない。
かろうじて当たらなかったが次は当たるかも知れない。
今度は、後ろから飛んできた。
避けきれずに左腕に当たった。
左腕に力が入らない。
どこだ。どこにいる?
必死に探したが見つからない。
唯一見つかったがそこにあったもの黒色のガラスだけだ。
ガラスは確か光を通すはずだ。
世の中には光を一方向からしか通さないものがあるらしい。
ガラスの裏を確認したら、箱とレーザーボールがあった。
「こういう仕組みか。」
箱に光線を撃つと、箱が一時的に収縮する、外部からの圧力がかかりレーザーボールが起動する、その光が小さな穴から放出される。
一見すると、銃で撃ったように見える。
実に考えられた仕組みだ。
だがしかし、問題が一つある。
この仕組みを使った場合、起動するために銃を使う必要がある。
2つの仕組みを撃つと言うことは、銃で撃たれた後から2本線を延ばすと、その交じり合うところにいるのがバレる。
テクノがいると思われる場所にレーザーボールを投げつけた。
「やられたですー。」
テクノは倒した。後はクリスタだけだ。
その前にテクノのところに行った。
「いけると思ったです。」
「少し、ミスをしたのが痛かったな。レーザーボールの位置さえ気づけなかったらこっちがやられていたところだ。」
「私のことはおいておいて、姉さんのとこいくです。」
「どうやら、残ったのは私とアルスのようだね。」
ビルの隙間からクリスタが現れた。
「どうやらそのようだ。決着をつけよう。」
お互いに銃で打ち合った。
こちらの攻撃は、左腕に当たった。
「なかなかやるじゃない。」
クリスタの攻撃が右腕に当たった。
もう武器を持つことができない。
とっさにビルの隙間の隠れた。
「どこにいるのかな。」
銃を捨て、剣に持ち替えた。
「そうだ、これを使おう。」
なにかを思いついたようだ。
剣をしまって首に掛けている水晶の飾りを取り出して呟いた。
「ダウジングクリスタル起動。
アルスの居場所はどこ?」
水晶がこちらのほうを向いた。
気づかれた。
こちらは武器を使うことができない。
「そこにいるのね。」
剣を振り回しながらこちらに近づいてきた。
にげるか、ダメだ。
どこに逃げてもあれが居場所を教えてくる。
戦うか、何度もいうが武器は持てない。
待てよ、持てないだけだ。
レーザーボールなら使える。
腰についているのは取れない。
足元にテクノが使っていたレーザーボールがあった。
これを蹴飛ばしたら逆転できるかも知れない。
一方向にだけしか照射できないようにしてある、必ずその面がクリスタに向くとは限らない。
イチかバチか懸けるしかない。
「いけー。」
レーザーボールをクリスタめがけて蹴り飛ばした。
「なに。」
レーザーボールが起動した。
いったいどの面がクリスタのほうを向くのか、果たして勝者はどちらになるか。
「ゲーム終了優勝者はなんと両腕を使えなくなったアルスだー。」
アナウンスがなり響いた。
「やったやったぞー。」
嬉しさのあまり、声がでてしまった。
「勝てると思ったんだけどなー。」
景色が元に戻った。
「いい勝負だったよ。」
「聖霊の力を使っても負けちゃったな。」
「アイデア次第では、弱点できるのが驚いたです。」
「次のゲームマスターを決めちゃおうか。」
「俺は最後でいいよ。」
「次は私がやるです。」
ゲームマスターはテクノになった。
一体どのようなゲームをするのか。
次回は、テクノがゲームを決めます。
協力して敵を倒すゲームと、自分以外すべて敵のゲームをしたあとにどんなゲームをするのか、テクノの考えが明らかになります。