仮想のRPG
「今日、昔に新しい住民が入ったんだ。」
いつもなら、ドクターの所に行かない俺が、自分から会って会話をしていた。
「住民が増えることなんて、何十年ぶりだろう。その子の名前を教えてくれないか。」
「アリウム・ミクスチャー聖霊人だ。」
「アリウムか、覚えておこう。
あの子が住むということは、この村に大きな変化が起きるぞ。
出来るだけ彼女と親睦を深めた方がいい。」
「親睦なら、だいぶ深まった。
一緒に舞を踊ったり、魂と混じり合ったし。」
「それじゃあダメだ。
よく考えて欲しい、そのやったことは、全部彼女に頼まれたからやったことだろう。アリウムがどんな人なのか結局の所はわからないままだ。
そこで、この道具を貸す。」
ドクターは棚から、大きなホコリにまみれた箱を取りだした。
「汚い箱だな。」
「見た目で判断しちゃいけないな。」
中身は、謎の樹脂の塊に、レンズのようなものがついていた。
「これは、3d実体験型シミュレーションツール、要するにゲーム機と言われる、大昔のおもちゃだ。
このおもちゃは、手を載せて思い描いた物を仮想的に生み出すことが出来るんだ。
コントローラーは、この腕輪だ。
ちょうど4つあるから、クリスタ、テクノも誘ってみたらどうかな。
遊び方については知らないから集まったらじゃんけんでもして順番に交代して自由に使ってくれ。」
ドクターからおもちゃを渡された。
「ということだ。」
「ゲーム機ってどうやって遊ぶんだろう。」
「わからないです。」
「ゲーム機かー懐かしいな。
昔はバンバン遊んだものだよ。」
4人の中で、アリウムだけ、遊び方を知っているようだ。
「どんな遊びをしてたんだ。」
「そうだなーアクションRPGとかどう。」
「RPGとはなにかわからないが、それにしよう。」
「じゃあえんりょうなくつかわせて貰うからねー。」
アリウムが手を載せたら、背景が変化した。
室内が大きな神殿に変わった。
「何ですかこれ?。」
「姿が。」
「変化している。」
「これより、ジョブについて話す。
クリスタは、レンジャー。
弓と鞭を使えるジョブだ。」
「この羽根のついた帽子がいいね。」
「テクノは、ウィザード。
魔術が使えるジョブだ。」
「なぜか、しっくりくるです。」
「アルスは、奇術師。
大道芸ができる唯一のジョブだ。」
「ゲーム目的は、神殿の最下層にいる私を倒すことだ。諸君等の幸運を祈る。」
アリウムが消えていった。
「じゃあ行こうか、テクノ、アルス。」
下に向かっていったらそこに魔獣がいた。
「可愛い犬だなーこっちこっち。」
クリスタは手招きした。
すると、魔獣が口を開けて、火の玉を出してきた。
「危ないクリスタ。」
体が自然に前に出てクリスタを押し倒した
「助かったよアルス~。」
クリスタに強く抱きしめられた。
「あれは、フレアスモークドッグ自分の身に危険が迫ると、口から赤色の煙を出して、攻撃するです。」
テクノは犬に近づいていったらまた火の玉を飛ばしてきた。
テクノは、一切避けようとはせず、犬に向かって、囁いた。
「大丈夫です。怖くないですよ。。」
さっきまで、おそってきた犬がテクノに近づいた。
「クーン。」
「いい子ですね。」
なんと短時間でなついた。
犬を頭に乗せてこちらを向いた。
「抱き合ってないで進むです。」
歩いていたら奥に、アリウムがいた。
「ようこそ我が部屋へ、入り口には魔獣がいたはずだ。」
「魔獣ならここにいるです。」
「なんと、魔獣を手懐けたというのか。」
「そうです。」
俺とクリスタは、2人のノリについていけなかった。
「最後の敵はこの私だ、かかってくるがよい。」
「いくです。」
テクノは持っている杖から、炎を出した。
「フレアスモークドッグとのコンボ攻撃です。」
「残念ながら効かない。私の属性は水だから、炎攻撃は効かないのだよ。」
「やられたですー。」
テクノがやられたのを見て、クリスタもやる気を出した。
「なら私の矢を受けなさい。」
「ふん、そんな攻撃では、ダメージが入らない。」
「そ、そんなー。」
「残ったのはお前だけだ。」
「やってやる。」
俺はマントからステッキを出した。
「なにか出てこい。」
銀色の玉が出てきた。
玉だけでは勝てない。
アリウムを倒すには水の弱点をつかなくてはいけない。
水 電気 分解これだ。
「テクノ、この玉に電荷を溜めてくれ。」
「はいです。」
銀色の玉に電荷が溜まった。
この状態で、触れないようにステッキを使ってアリウムにあてた。
「この私に電気攻撃が通用すると思ったのか。
なに体が小さくなる。」
「水に電気を流すと、水素と酸素が分解するんだ。」
「うかつだった。」
「今だクリスタ、今のうちに矢を飛ばすんだ。」
「了解アルス。」
弓を引いて、アリウムに向かって矢を放った。
「やられたー。」
背景と姿が元に戻った。
「まさかあんな手でくるとは思わなかったよ。てっきり剣でも出してぶんまわすと思っていたよ。
どうだったかい、私の作ったゲームは。」
「思ったよ楽しかった。」
「同じく。」
「またやりたいです。」
「ありがとー皆。
今度は君たちの考えたゲームがやりたいな。
「ではやるかジャーンケーンポン。」
俺はパー、テクノもパー、そしてクリスタはグー。
次のゲームマスターはクリスタだ。
次回はクリスタがゲームマスターとなります。
クリスタがやりたいゲームとは一体なにか、明らかになります。