表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
探求者の記録簿(メモリーログ)  作者: Liis
守護者の日々
21/109

accesssouls

 儀式は成功した。

 これで、中に入ることができる。

「儀式ってやって効果あったんだ。」

「いくぞ、クリスタ。」

「ちょっと待ってよー。」

 水が引いたので扉の模様が見えた。

 accesssoulsの表紙と同じ模様だった。

 扉を開けると、水車が沢山ある部屋に出た。

「大昔の装置で、ここまで保存状態がいいものは初めてだ。」

「私にはよくわからないけどそうみたいだね。」

 奥に進むと、天井に大きなステンドグラスと、とても大きな池があった。

池は、天井からの光を、反射していた。

「聖霊獣はどこにいるんだ?」

池の中にはなにもない。

 部屋を見渡しても面影すらうかがえない。

 困り果てていたら、accesssoulsが青い光を放って謎の声が聞こえだした。

(ごめん、ごめん、聖霊獣について、説明を忘れていたよ。

聖霊獣は、特定の姿を持っていないんだよ。

昔は、私が聖霊獣の姿を決めていたけど、今は姿を決めている人いない。

だから、君が彼の姿を決めてよ。

君が思い描いた姿に彼はなるんだ。

出来れば、私にふさわしい姿に彼を形作ってよ。)

 水巫女の声が聞こえた。

 クリスタには聞こえてないようだ。

 どうやら俺だけに、聞こえたようだ。

「聖霊獣の姿 それは、気高く、美しく、水巫女にふさわしい姿だ。」

{それがお前の理想か。}

 池の周りにあった水が全て集まっていった。

 集まる流れに飲み込まれて、池の中に落ちていった。

「クリスター。」

「アルスー。」

 池の中には、様々な物が落ちていた。

 大昔に使われた道具やコインなどが大量にあった。

 池の中では呼吸が出来ないはずだが、息が苦しくなかった。

 水中で、数多ある道具が一つの塊となった。

 その塊は、まるで、獣のようだった。

「醜い姿ですまない、長い年月体がなかったから、構成物質が用意できなかった。」

 獣が語り始めた。

「あんたが聖霊獣か?」

「いかにも我こそが水の聖霊獣だ。」

 クリスタは首を傾げて言った。

「アルスはいったい誰と喋っているの?」

 クリスタには見えないらしい。

「聖霊獣、これを渡すように、水巫女様に頼まれた。」

 accesssoulsを聖霊獣に手渡した。

「彼女は水巫女と名乗っているのか。

我の事を憶えてくれたのか。

我も忘れる事がなかった。

アルスよ、少し頼まれてくれんか。」

「なにすればいんだ。」

「水巫女を霊媒してくれんか。」

「霊媒なんか出来るわけない。」

「そんなことはないだろ。

お前さんは、夢世界の巫女と一緒に霊媒をしたんだ。

一度やったことだ、firstlibraryに文が追加されているはずだ。

書いてあることは、できるはずだ。」

 ポーチからfirstlibraryを取り出して開いた。

 中には、2つの今まで経験した魔術について乗っていた。

ウィンドパージ

武装解除およびに、魔術効果の無効

霊媒

魂の呼び出しおよびに憑依

自分の肉体を魂に最適化


「わかったやってみる。」

 本を前に掲げて、文字に触れた。

 霊媒する相手は水巫女、accesssoulsに記された人。

「霊媒。」

 自分の姿が変化しているのに気がついた。

その姿は彼女の姿そのものだ。

 いや、私そのものだ。

「アルスなの?。」

 心配したような声でクリスタが聞いてきた。

「残念でした。彼女さん、彼氏の体を借りているよ。」

「あなたいったい誰?」

「私の事知らないのは意外だなー。

私は水巫女、アルスに着せた儀式衣装の持ち主。

まさかこんなかたちででまた着ることになるとは思わなかったよ。

彼女もなかなかの変態だねー。」

「そんなことないもん。

これは、アルスのためを思ってしたことなんだから。」

「残念ながらお話はここまでで、ちょっと、借りてくよ。」

「待って、待ちなさい。」

 私は彼と二人で会話をするために、奥の隠し洞窟に入った。

「ひさしぶりーアルカミクスチャー。」

「元気そうで何より、アリウム・ミクスチャー。」

「死んでるけどね。HAHAHAHAHA」

「アリウムよ、生き返ってみないか。」

「いいねそれ、どうやってやるんだい?」

「それは、お前の霊媒しているアルスのMPを少し貰って、我と一つになるのだ。もちろんアリウムが自由に動けるようにする。」

「いい考えだよ最高。

でも、その前に私の儀式衣装を返して貰わないとね。」

 アルスのポーチから元の服を出した。

「プライドを守るために、霊媒中の今着替えておこう。」

 服を元に戻した。

「じゃあ、始めようか。」

 私は右手を伸ばして、アルカミクスチャはaccesssoulsを前に出した。

「私と。」

「我と。」

「2つの存在をひとつに。」

「今、ここに新たな理を生み出す。」

「運命の名の下に。」

 俺の中にあった彼女の魂が抜け出し、聖霊獣と混じり合った。

 そして、水巫女の面影を残す、特徴的な耳を持った女性となった。

「今まで、いろんな苦労させてごめんね、今彼とひとつになったんだ。

水巫女と水の聖霊獣が一つになって、聖霊人これからはアリウム・ミクスチャーと呼んでくれるかな。

そこの儀式衣装渡してい。」

「いつの間に着替えたんだよ。」

 儀式衣装を手渡していった。

「それは言えないな。

君の面子は関わるよ。」

「やっぱいい。」

「君には感謝しているよ。

少しだけだが、願いを聞いてあげるよ。」

 アルスは考えた。

自分が欲しいものはなんなのか。

 情報だ、今と昔の情報だ。

 知っていることすべて知りたい。

「この村で暮らしてくれないか。」

 アリウムが笑い出した。

「君のような願いをする人は今も昔も君一人だよ。わかった、その願い引き受けた。

住民になるよ。

君の彼女が認めるかはわからないけど。」

「交渉してみる。」

 洞窟から出たら、クリスタがそこにいた。

「アルス、今まで、何をしていたの。」

 心配そうな顔で、駆けてきた。

「ちょっと、聖霊獣と話してきた。

こっちにきてくれ。」

「私は聖霊獣じゃなくて、聖霊人だっていったでしょ。」

「さっきの人、前と姿が違う。」

「あの時は、アルスの体を借りていたけど、今は聖霊獣とひとつになって聖霊人になったから。」

「アルス、この人誰。」

「彼女は、アリウム・ミクスチャー水巫女本人だ。」

「水巫女様だったのですか。」

 急に態度を改めるクリスタ。

「そんなにかしこまることはないよ、私のことは、アリウムと呼んでくれるかな。」

「アリウム。」

「そんな感じで呼んでくれ。

ところで、この村に住んでもいいかな。」

「喜んで。」

 どうやら、交渉が成功したようだ。

 こうして、聖霊人のアリウムは俺たちの村で暮らすようになった。




????

「これはまずい、聖霊獣が復活させたものがいる。」

「このままでは、我々の身が危ない。」

「封印をする技術は太古に失われてしまった。今更封印はできない。これ以上封印が解かれることは避けねばならない。」

「あの忌まわしい地に行くしかない。

あの地の封印がすべて解かれぬうちに。」

物語の序章がそろそろ終わります。

次回は日常パートを投稿します。

最後に出てきた怪しい集団については、数話後に明らかになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ