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探求者の記録簿(メモリーログ)  作者: Liis
守護者の日々
20/109

聖霊獣復活の儀式

 目が覚めた。

 目の前には、どうやら正気を失ったクリスタがいた。

「アルスー起きたんだ、目覚めた時もたまらなく可愛い。」

 いろいろな角度からカメラを構えて、撮ってきた。

 魅了能力がここまで凄いものだとは知らなかった。

「そろそろ、止めてくれないか。」

「ごめんなさい、ちょっとやりすぎた。」

「あんまり撮るなよ、恥ずかしいから。」

 カメラをどこから持ってきたのかは、わからないが、夢の中でいわれたことを思い出した。

 accesssoulsだっけ、ポーチから取り出せるはずだ。

「本だ。水巫女の聖霊獣への思いを残した本を。」

 手に感触があった。

 ざらざらしている、きっとあの本だ。

 取り出すと、あの本があった。

「クリスタ見てくれこれを。」

「なにかな、accesssouls?

中身は、恋愛小説かな。

アルスもこういうの好きなんだ。

ちょっと待って、これ儀式について書いてある。」

「この儀式をやって、封じられた聖霊獣を復活させるんだ。」

「でも、歌は、わかってるけど、舞の方は、記録に残っていなくてわからないよ。」

「舞なら踊れる、本人から教えてもらったから。」

「本人と言っても、何百年か前に死んだ人だよ。会えるわけがない。」

「霊媒で呼んでもらった。」

「誰に?」

「巫女様に。」

「巫女様ねー。わかった儀式の手伝いをしてあげる。」

「本当か。」

「ただし、おじいさまに相談してから。」

「もしかしてだけど、俺もか?」

「もちろん。」

「この格好でか?」

「せっかくセットしたんだから、おじいさまに見せないと。

ついでに、テクノにも見せよう。」

「勘弁してくれよ。」

「そんなこといわずに、行くよ。」

 強引にクリスタの家につれてかれた。

「おじいさまいますかー。」

「クリスタか、どうした。」

「少し、みてもらいたいものがあるの。

アルスーこっちきて。」

「どうも。」

 恥ずかしいのを我慢して前に体を進ませた。

「お前さんなんて姿しておるのじゃ。」

「これはクリスタに気を失っているうちに着させられたんだ。」

「服を見てある程度の事は把握した。

お前さんは復活の儀式をしたいんじゃな。舞は踊れるか?」

「もちろん、封印した本人から教えてもらった。このaccesssoulsに乗っている彼女に。」

「水巫女から教えてもらったのなら問題ない。

本来舞は女性がやるもののはずなんだが、お前さんは巫女の血を継いでおるから大丈夫じゃろ。」

「それじゃあ行ってくる。」

「ちょっと待ったアルス。

テクノにまだ会ってないでしょ。

テクノー下に降りてきて。」

 上の階から物音が聞こえた。

「なんですか姉さん。」

 寝起きの顔でテクノが降りてきた。

 俺の姿を見て一言呟いた。

「可愛い。」

「」

 言葉が出てこなかった。

 魅了能力のせいで、この姉妹から、可愛がられている。

 流石にこのままではダメだ。

 男としての威厳が、尊厳が保てない。

 なにもいわずに、家を去った。

「どこ行くのアルス。」

 練習場に急いだ。

 こんな事を終わらせるために、走り出した。

 顔を隠すために。


 例の場所についた。

「アルス、そんなに急がなくても、いいのに。」

「これより、儀式を執り行う。」

「ほんと急なんだから。」

「歌は任せた。」

「喜んで。」

 アルスは舞を踊った、クリスタは歌を歌った。

雨振る夜に晴れを待つ

何時でも

待ち続ける

100年1000年までででも

晴れの日を

何時でも

君を待つよ


雨雲の上 太陽が

大地を照らす

その光が

生き物たちを救いだす

光ある

明日ある

希望を持つよ


月明かりあるよ

空の上

みんな見える

太陽の影 空の歴史


雨模様 風に動かされ

無くなったよ


またくる頃は彼は居ない

どこを探しても

見つからない


なくした物を探しに行く

何をしても

見つけ出す


この思い忘れはしない

大切だよ

どんなにも


水溜まりの中別世界

覗き込めば

私がいる

あなたが居れば消えないよ

包み込んで守ってよ




 儀式は終わった。

 練習場に溜まっていた水は全て、穴に戻っていった。

 そして水を出してきた扉が開いた。


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