表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
探求者の記録簿(メモリーログ)  作者: Liis
守護者の日々
15/109

白銀の武具

新キャラのテクノ・エンコードが登場します。

テクノはまだ幼い少女ですが、様々な事を知っています。

それと、巫女と同じ超能力が使えます。

ここを覚えておいてください。

※3/7書き直しました。

 クリスタの家に行くと、想像以上に床が凄い事になっていた。

 散らかっている状態を通り越して部屋の間取りそのものが変化しているかのようだ。

  

 「それにしても、村長はいっぱい川から拾ってきたな。

 とてもじゃないけど、川の中にあったとは思えない程の量だ」


 足元には、先程川で見た黒色の箱があった。

 すべて開いてあって前に進めない。

 足で踏みつけるのも忍びない。


 「家の外にでも出すか。」


 こういう時は村長から渡されたポーチが役に立つはずだ。

 このために渡してきたに違いない。


 ポーチの口のカギヅメをはさんでいる金具をスライドさせて中を覗いた。

 何故だかは知らないが、ポーチの中身が見えない。


 「なにが入ってるんだ?

 できれば役に立つものが欲しい、この開いた箱を閉じるものが欲しい」


 中に手を入れると感触があった。


 「お、それらしいものが、なんだこれ」


 手に掴んだものは、村長が持っていた槍?によく似た杖のようだ。

 使い方は知らないが使ってみよう。

 村長はあれを使い箱をサルベージしていた、きっとこれには箱を操る機能がついているに違いない。


 「では、使わせていただきます。

 黒色の箱よ、閉じよ!」


 槍?を箱に突きつけると家の中にある黒色の箱が閉じだした。


 「キャー。誰カー」


 それと同時に悲鳴が聞こえた。

 声は幼い少女のようだ。

 いったい何事だ。

 俺は悲鳴が聞こえた場所に急いで向かった。


 この部屋は、クリスタの妹のテクノの部屋だ。

 ドアを広げると、そこには箱に挟まっている少女が奥に見えた。


 「大丈夫か」


 「開けてー開けてよー」

 「今開けるからな」


 開けるには、閉じる時の逆の手順をすればいいはずだ。

 槍?を箱に突き立てて叫んだ。


 「黒色の箱よ、開け!」


 箱は開いた。

 中の少女は無事のようだ。


 「助かったです。なんで急に閉じたのですかね?」


 「テクノちゃん大丈夫か?」

 「大丈夫です」


 「よかった、もし君に何かあったらクリスタになにされるか分かったものじゃない。

 それにしても、どうして箱に挟まっていたのかな?」


 「見たことのないものが入っていたです。

 この箱の中に、白色の何かが入っていたです

「テクノちゃんでも分からないものがあるんだ。」


 テクノはクリスタの妹。

 大人程ではないが俺よりもいろんなことを知っている。


 「とりあえず中を覗くです」


 箱の中には白色のつなぎ目がたくさんついた金属の板のような物が見えた。

 鉄板と言っても、実際は3.5cm程の厚みをもち、25*35cm程の大きさだ。

 小さい枕ぐらいの大きさだ。


 「何か分からないが、とりあえず箱から出してみよう」

 「早く出すです」


 箱から取り出すと、鉄板に切れ目が現れて広がるように形状を変えた。


「まるで、弓のようです」

「いや違うだろう、剣だと思う」


 そういった後また姿を変えた。

 これには決まった形がないのか?

 抽象的な物のようだ。


 「こっちに渡すです」

 「少し重いが平気か?」


 「平気です」


 テクノちゃんに弓を渡すと、今度は杖の形になった。

 「これの正体が何か分かったです。

 これは、汎用型地上武装です。

 製造は旧文明神話時代です。

 機能は今現在の技能で扱うことのできる武器に変化するです。

 現在の能力は情報を読み取ることのようです」


 ペラペラと語り出した。

 テクノちゃんの言う事に間違いはない。

 扱うことのできる武器って、杖は武器なのか?

 鈍器の一種としては使えるかもしれないが幼い少女が扱っても、威力は無いだろう。 


 「テクノちゃんが杖を使うことを初めて知ったよ」

「私も初めて知ったです。

 ところでアルスに聞きたいことがあるです」


 「何かなテクノちゃん?」

 「さっき私を閉じこめたのアルスですね。」


 「すまないポーチから出てきたこの道具をうまく使いこなせなくて」

 「そのコントローラー貸すです」


 俺はテクノちゃんにコントローラーを貸した。


 「機能が少ないです。拡張するです」


 半導体的な物だとは今知ったけど、そういうことはドクターならできるが、テクノにできるのか?

 半導体素子もないというのに。


 テクノはコントローラーと杖を繋げて叫んだ。


 「思いを廻った情報を統合して今新たな物を作り出す」

 バトンのように杖を手を使い回している。

 ブンブンブンと風を斬る音が響く。

 回転させるたびに汎用型地上武装が杖を蛇のようにまとわりついた。


 「真実の名の下に」


 ドンと音が響くように杖を床につけた。

 床に置いてあった黒色の箱が形状を変えた。

 そして一回に集まり、一つの大きな塊となった。

 それはまるで大きな黒色のブロックが集まったかのようだった。


「テクノちゃん今なにやったの?」


 今のは昨日俺が使った術に似ている。

 最後のほうは完全に同じものだ。


 「コントローラーの機能を杖で拡張して箱を一つにまとめたです。

 これを外に出しておいて欲しいです」


 「もともとこの箱を片付けるために来たんだから言われずともやるよ。

 話はそれるけど、テクノちゃんは力をよく使うのかい?」


 「そんなことないです。今初めて使ったです」

 「そうか使いすぎないように気をつけてね」


 「分かったです」



 クリスタに頼まれた片付けをするために俺は箱を外に出しにいった。



 「あなた誰ですか? 武器の使い方を教えるなんて」


 私がアルスに説明できたのは、汎用型地上武装から声が聞こえたからです。


 「私の送った武器は気に入ったの?」

 「悪くはないです」


 「それをクリスタに渡して欲しいの」

 「分かってるです。あなたの名前教えるです」


 「私の名前は巫女っていうの」

 「それは役名です。真名は何ですか?」


 「今いえるような名前がないの。好きなように呼んでほしいの」

 「じゃあ巫女と呼ぶです。私の名前はテクノと言うです」


 「テクノには今持っている杖をあげるの」

 「この杖は元はコントローラーを改造したものです。要はアルスのものです。

 それより、汎用型地上武装は一つしかないです。

寝言は寝ていえです」

 「心配は、無用なの。武装を解除してみるの」


 私はこう唱えた。


 「時間と共に繋がれた先人たちの叡智を今ここに解き放つ。真実の名の下に」


 私が唱え終えるとコントローラーにまとわりついていた白銀の武装がはがれ落ちた。

 するとなんと、コントローラーの形が変形していった。

 その形状からは、元のコントローラーの面影が無くなって細長い杖になっていた。


 そして、白銀の武装は元の鉄板に戻っていた。

 「何ですかこれは」

 「汎用型地上武装、過去の遺産のコピーなの。

 夢世界の法則で動くものなの」


 「詳しいようですね」

 「なんでも知っているの」


 「じゃあ、質問するです。

 アルスは、今何をしているです?」

 「ブラックボックスを移動しているの」


 「あれ、ブラックボックスっていうですか」

 「ブラックボックスの中のモノは幾年月が過ぎても、形を失うことはないの」


 「中身より、箱の方が凄いのですか」

 「そろそろアルスが戻ってくる頃なの。

 また話したいことがあったらその杖を使って通信をしてほしいの」


 「さいですか」


 部屋のドアにノックする音が聞こえた。


 「テクノちゃん片付け終わったよ」

 「アルスに頼み事があるです」


 「何かな?」


 なるべくテクノちゃんの願いはかなえてあげたい。

 村には人がいないためテクノちゃんは疎外感を感じているに違いない。


 「一つはこのコントローラーを私にくださいです」

 「いいよ持って行っても、いくらでも出てくるから」


 「二つ目は、この汎用型地上武装を姉さんに渡して欲しいです。巫女に渡せと頼まれたです」

 「巫女に頼まれたのか。責任を持ってこれを届けてくるよ」


 「頼んだです」


 汎用型地上武装をクリスタに渡すために俺は家を出た。



 「やはり二連続ではきついです。もう寝るです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ